来年の戌年に向けて犬の勉強を

物(Objet)
誰かの犬の置物

Canon EOS D30+EF75-300mm(f4-5.6), f4.5, 1/60s(絞り優先)


 しばらく前から通路にこの犬の置物が放置されている。誰が何の目的で置いたかは分からない。ときどき位置が変わってることがある。近所の人のものなのかどうなのか。この日は夕陽を浴びながら外を向いていた。写真を撮るために私がここに置いたわけじゃない。明日は別の場所に転がっているかもしれない。

 これまで犬には縁のない人生を送ってきた。飼える環境になかったのが一番大きな理由だけど、それだけじゃないような縁のなさを感じる。捨て犬を見つけたこともないし、犬に噛まれた思い出もない。薄い縁としては、子供の頃じいちゃんの家にカンクロウという大きな雑種犬がいて、小柄だったじいちゃんが引きずられながら散歩してた姿を覚えているくらいだ。親戚の家にいたポメラニアンの名前はチコとプチだったか。
 別に犬に嫌われてるわけではないし、私自身犬嫌いというわけではまったくない。猫ほどの思い入れはないにしても、飼える状況にあって縁があれば飼ってもいいと思っている。猫派だ犬派だと派閥争いする必要はない。ずっとさかのぼっていけば、犬も猫も同じミアキスに辿り着く。それが草原に出て犬になったか、森の中で猫になったかの違いだけだ。今でも犬は、ネコ目イヌ科イヌ属に分類されている。

 縁がないとあまり興味が持てないのは仕方がないところで、犬については猫ほど知らない。世界でどれくらいの種類の犬がいるのかも見当がつかないくらいだ。せっかくいい機会だから、犬についてちょっと調べて勉強してみた。まずは犬夜叉からいってみようか。って、それは後回しにしようよ、私。
 なんでも世界には非公認を含めると700~800くらいの犬がいるんだそうだ。猫とは比べものにならないくらい多い。ただし、その中でスタンダードとしてるのは180種類程度らしい。それでも充分多い。私なんか頑張っても20種類くらいしか言えそうにない。野望としては180種類全部を覚えて、犬を連れたきれいなお姉さんとお近づきになりたい。おっ、きれいなウェルシュ・コーギーですね。これはペンブロークの方ですね。などとさりげなく言ってみたい。でも犬も連れてないのに犬に妙に詳しい大きなカメラを持った男って怪しくないのか、私?

 犬の歴史をみてみると、1万5,000年くらい前の旧石器時代にはすでに人間と共に暮らしていたようだ。元々は野生で凶暴だっただろうけど、性格的に飼い慣らすことはそんなに難しくなかったんじゃないだろうか。群れを作ってリーダーに従うという基本的な性格は昔から変わってないだろうから、いったん人間がリーダーになってしまえば従ったことだろう。犬は猫のように気まぐれじゃないし。それに、犬はいろんなシーンで役に立つ。猟犬にしろ、番犬にしろ。少しくらい噛まれたりしても手なずける価値があるというものだ。鼻がきくとか、敵に向かって吠えるとかも人にとっては便利だったはずだ。
 犬の祖先は狼と言われている。DNAは99パーセント一致するらしい。でも、狼とはちょっと性格的に違うような気がする。狼が現代にいても飼い慣らせそうな感じがしない。最近はジャッカルの方が近いんじゃないかとも言われてるそうだ。でも個人的には犬は犬でオリジナルだろうと思う。

 時代は流れて、犬と人間は関係を深めていった。世代を重ねるごとに犬は人間に慣れていったことだろう。つき合い方も少しずつ変わっていった。古代エジプトやローマでは戦争にかり出されたりもした。イガイガ・ギザギザの首輪や鎧を付けて、敵の中に突っ込ませて大暴れさせたんだとか。マンガみたい。でもそんなのが群れで来られたら相当怖いことは確かだ。
 牧畜犬などとしても当然活躍したことだろう。それと同時にだんだん愛玩動物としての色合いも濃くなっていたことは想像がつく。その頃には純血だけじゃない多くの雑種も生まれていたはずだし、突然変わったのが生まれてきたら、それをもっと増やしたいと思ったのも必然だろう。そうして犬の種類は自然にも、人為的にも増えていった。
 やがて大航海時代が訪れる。15世紀のことだ。そこでまた犬の流れがひとつ大きく変わった。海によって隔てられていた大陸同士の犬が出会い、あらたな種類が生まれることになる。

 最初のドッグ・ショーが開催されたのは、1859年、イギリスでのことだ。その流れが今へと続いている。
 犬の用途も広がった。盲導犬、介護犬、警察犬、競争犬、ソリ犬、救助犬など。最近はセラピー犬というものも注目されている。あと、タレント犬なんてのもいて、私よりいいものを食べていい生活をしてるから侮れない。ちょっとうらやましいなと思わないでもないけど、川島なお美の犬にはなりたくない。
 時代の中でいくつかの人気犬も生まれた。シベリアン・ハスキー、ゴールデン・レトリバー、ブルテリア、ダルメシアン、チワワなどなど。今はあまり見かけなくなったものもいる。
 歴史上で有名になった犬としては、西郷どんの愛犬ツン(薩摩犬)、よだれで有名なパブロフの犬、忠犬ハチ公(秋田犬)、南極越冬隊のタロとジロ(樺太犬)、スプートニク2号に乗せられて初めて宇宙に行ったライカ(雑種の迷子)。
 なんとなく私が犬に対して悲劇的なイメージを持ってしまいがちなのは、こういう悲しいエピソードが多いせいかもしれない。

 誰かが捨て置いた犬の置物から思いがけず勉強ができてよかった。今後は更に犬に対して興味を持って理解を深めていきたいと思う。
 AIBOを小脇に抱えてビクターのalneoでハウンドドックを聴きながら道ばたでオオイヌフグリの写真を撮っているとき、人面犬に襲われそうになったら、神社方面に走って狛犬の頭をなでつつ、途中で盲導犬の募金をして、余裕があれば白い犬とワルツを踊り、最後は海に飛び込んで犬かきで泳いで、マリリンに逢いにいこう。

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