煙突と斜陽の似合う津島市本町は寺社の密集地帯でもある <後編>

名所/旧跡/歴史(Historic Sites)
津島本町煙突のある風景




 昨日の前編に続いて津島のレトロ町、本町についての後編をお届けします。

 本町のたたずまいには、銭湯の煙突がよく似合う。遠くを見ると何本か立っている。まだ営業してるのだろうか。
 昭和30年代、40年代が銭湯のピークだった。家庭用の風呂が普及するにつれて銭湯はすたれていき、下駄をカラコロ鳴らして赤い手ぬぐいをマフラーに風呂桶を持って銭湯通いなんて光景も、今は昔の今昔物語だ。
 それでも、銭湯が絶滅の危機に瀕しているかといえば、まだそこまではいっていない。組合に加盟しているところだけで全国5,000軒以上あるという。実際の数はもっと多いはずだ。田舎ほど少なく、都会の方がよく残っているのは、風呂なしアパートが多いからというのも理由の一つだろう。一番多いのは東京で、大阪、北海道、神奈川、愛知、京都と続く。東京は数年前に1,000軒を割ったものの、まだ900軒以上の銭湯が営業を続けている。
 最近はスーパー銭湯が全国各地にできて、けっこうな人気となっている(スーパー銭湯発祥の地は大阪で、1995年頃から名古屋でブームになって、その後全国に広まっていったとされる)。大江戸温泉物語のように銭湯のテーマパークのようなものもできている。銭湯と公衆浴場は別扱いらしいのだけど、細かい定義まではよく知らない。 
 津島は一番多いときで8軒ほど銭湯があったそうだ。現在では2軒だか3軒だからしいのだけど、それでも残ってる方だろう。本町湯というところは確かにやっているという情報を得ていたので、そこを目指した(2012年に廃業したようだ)。
 上の写真は、地図で見ると筏場浴場と書かれているところだ。けど、入り口が見つからず、近づくことができなかった。おそらくもう営業はしてないのだろう。
 そのすぐ北にある長珍酒造というところも行こうと思っていて見つけることができなかった。地図でも道から中に入ってたところだから、一般人進入禁止かもしれない。写真に写ってる黒い建物なんかがそれっぽいのだけど、どうだろう。



津島本町煙突

 裏手に回っても屋根の上から顔を出す煙突はよく目立つ。昔は高い建物がなかったから、銭湯の煙突が町のランドマークだったのだろう。
 銭湯の値段は都道府県ごとに決められていて、400円前後のところが多い。一番高いのが東京の430円で、安い宮崎などは300円だ。私の感覚では町の銭湯は200円くらいが妥当なんじゃないかと思うけど、現在のように客が少なくなってしまってはそれではとても経営が成り立っていかない。
 それにしても銭湯が400円もしてしまうということは、もはや貧乏人は銭湯も行けない。毎日通ったら月に1万2,000円もかかってしまう。そのへんの月極駐車場よりも高い。お年寄りが年金の中から出す金額としても1万円以上というのは安い額ではない。銭湯通いが好きなじいちゃんが2日に1度、3日に1度にしなくてはいけないとなると、世知辛い世の中になったもんだと思わずにはいられない。



津島本町本町湯

 本町湯は確かにやっていた。昭和13年から営業しているそうで、その頃からほとんど変わってないんじゃないかと思わせるたたずまいだ。さすがに戦後になって一度くらいは改築してるだろうか。
 中の様子を写した写真を見たけど、またすごいことになっている。レトロという次元さえも超えている。いつか機会があれば、中の様子を余すところなく写真におさめて紹介したいと思う。かなりびっくりするはずだ。近くの方はぜひ直接行って、自分の目で確かめて欲しい。



津島本町本町湯裏手

 開いている扉から中をのぞいてみたら、薪をくべていた。いまどき、薪の方が高くつくし、火の番も大変だ。
 このあたりの一角は、完全に時代が30年は戻っている、というか昭和のまま止まっている。



津島本町成信坊

 津島は津島神社の門前町として発展した一方で寺の多い地区でもある。このあたりだけで30以上も寺社があるという。地図を見ると、こんなに狭いところにこんなにもたくさん寺は必要ないだろうというくらい寺が密集している。理由はよく分からない。
 上の写真は、本町1丁目にある成信坊(じょうしんぼう)というお寺さんだ。時間がなくて中には入らなかったけど、外から遠巻きに見るだけでも立派な堂と門だった。



津島本町坂口神社

 すごく狭いところに、こそっおさまった坂口神社。小さいながら門もある。祠の前にはミニサイズの狛犬もしっかりいる。
 もともとどれくらいの規模だったのかは分からないけど、もしかしたら屋根神様を降ろして祀っているものかもしれない。



津島本町筏場神社

 これはやや大きめの筏場神社。番地では本町の隣の横町にあって、その隣が筏場町だから、そこから名前はきているのだろう。
 かつてこのあたりは筏をとめておいた場所だったのだろうか。海だったのか、川だったのか。とすれば、これは水の神様かもしれない。



津島本町堤下神社

 堤下神社。ここは小さいながらも境内に木が茂っていて、神社らしい雰囲気を持っていた。
 かつて天王川が流れていた堤防の下にあったから、この名前がつけられたのだろう。
 境内には井戸の跡が残されている。井戸は糀屋の前に上切の井戸というのもあって、あちらはまだ枯れていないようだ。
 この他にも、加藤清正ゆかりの清正公社など、見切れなかった寺社がたくさんある。



津島本町津島佐織キリスト教会

 天王通に出て、少し西へ行くと、津島佐織キリスト教会がある。建物の感じからしてプロテスタントだろうか。



津島本町黒塀の通り

 地図で津島の大椋(オオムク)というのを見つけて、それらしいところへ行くも、見あたらない。黒塀で囲まれたところに大きな木がたくさん立っていたからその中の一本かとも思ったのだけど、どうやら違うようだ。
 帰ってきて調べたところ、枯れて倒れたとかですでに切り株しか残っていないらしい。



津島本町西日に照らされる

 こういう歴史のある古い町並みは、夕方の斜陽がよく似合う。昭和の色合いがますます深まって、ちょっと切ないような気持ちになる。
 けっこう歩いて日没が迫ったところで帰ることにした。けど、家に帰ってきてからネットで散策マップを見つけて見てみると、いくつか見逃したものがある。氷室家住居や蔵の道は知らなかった。詩人野口米次郎の生家も残っているようだし、屋根神様や丸ポストなんてのも載っている。旧津島信用金庫の古い建物も逃している。これだけ見落としが多いと、もう一度行かないといけない。
 それにしても、こんなに魅力的な町があまり知られていないのはもったいない。住人がよそ者の訪問を望んでいないということはあるのだろうけど、人を呼ぶ観光資源としての可能性を大いに感じた。天王公園の藤や津島神社があって、古い町並みも残っているということでは足助の町と共通項がある。足助は中馬のおひなさんたんころりんなどで町おこしに成功している。
 津島には伝統のお祭り、津島天王祭もある。
 古い町並みが好きな人ならきっと感じるものがある場所だから、機会があればぜひ一度訊ねてみてください。

 知られざる魅惑のレトロ町、津島市本町を散策する <前編>

【アクセス】
 ・名鉄尾西線「津島駅」から徒歩約12分。

 津島市観光協会webサイト
 
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コメント
  • オオタさんって
    2008/05/18 06:27
    ほとんど日本の路地を歩きつくしているかのごとく、錯覚を覚えます

    もしかして全国行脚を目指してますか?

    オイラもデジ1買ったので、精進したいと思いますw

  • 路地裏の伊能忠敬
    2008/05/19 04:39
    ★ただときさん

     こんにちは。

     知らない間に私、路地裏の少年になってましたか?
     そういえば、最近、どの町へ行っても路地ばかり歩いているような。
     路地裏の伊能忠敬と呼んでください。
     目指せ、全国路地裏の旅。
     いつか路地裏にも行き止まりがあることを知るのだろうか。

     ただときさん、デジイチ買ったんですね。
     でもなんでα350?(笑)
     手ぶれ補正と可動式ライブビューが魅力かな。使いこなせば撮影の幅が広がりそうですもんね。
     私もそろそろSONYのαに手を出してみようかな。α100も下がってきたし。
     願わくば、デジではSONYタイマーがありませんように。(^^;
  • 2008/05/20 20:08
    そうなんですよね、なんでαなんでしょねwww

    気にはなってたんですけど、ソニーのロゴがイヤで眼を背けていたのにw

    本気で欲しいのはニコンD3やD300

    でもとても手が出ません

    手振れ補正付きが必須なお年頃wなんでK200DやE510もカタログ妄想のたびはしていたんですが

    あの朝、チラシを見た瞬間に買おうと決めてしまいました

    勢いですw、瞬発力でした(侮れない本能)

    誰も使っている人がまわりにいないのもいいかもwww

    ツアイスは買えないけれど(爆)

  • それでもイッツアソニー
    2008/05/21 04:52
    ★ただときさん

     こんにちは。

     とりあえず、一年経った頃、何もなくても点検に出さないといけませんね(笑)。
     タイマーが作動しないように。
     SONY製品では過去、いろいろ痛い目に遭ってきた私です。(^^;
     などといいながら、結局、SONYのテレビとか買ってしまうんだよなぁ。

     αは、今ひとつレンズが揃えられないまま、α-7も出番待ちの状態です。
     一から広角ズームも明るい単焦点と望遠とマクロを揃えるとなると大変ですもんね。
     そろそろPENTAXとCanonに統合したいと思ってるところです。
  • 2008/05/21 07:32
    ソニータイマー、そっそれは禁句の方向でwwww(動揺w)

    ミノルタが作っていると信じてますからwww
  • カチカチカチ
    2008/05/22 04:57
    ★ただときさん

     こんにちは。
     α350に耳を当てると、小さくカチカチ音が聞こえませんか?(笑)

     でも、確かにコニカミノルタのデジカメ技術者がソニーに移籍したってのは考えられますね。ソニーもノウハウは欲しかっただろうし。

     ソニーもついに、αのエースナンバー7を出してきましたね。
     α700はどうなんだろう。
     まだまだ高くて全然買えない。(^^;
     3年後くらいに中古で5万を切ったら買おうかな。
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