望遠ズームで画角に迷って動物に迫りきれず ---東山動物園の春<第二回>

動物園(Zoo)
東山動物園2-1

KONICA MINOLTA α-7 DIGITAL+MINOLTA 100-300mm f4.5-5.6 APO



 春の東山動物園第二回は、普通に撮った動物写真をお届けします。
 今回は100-300mmという望遠ズームを使ったから、ちょっと迷いが生まれてしまった。300mm望遠の単焦点なら迷いようがなくて、ファインダーの中におさまった大きさで撮るしかないのだけど、選択肢の幅ができるとどの大きさが正解なんだろうと考えてしまう。体全体なのか、顔アップなのか、上半身とかを切り取るべきかなどと。あたらめて望遠ズームの難しさを知った。
 あと、やはりF値が暗い望遠は、動物園では使いづらいというのも分かった。最近の定番は、Takumarの300mm f4だったのが、300mmでf5.6になると、前後のボケが小さくなって、檻や金網越しが極端に難しくなる。画質重視となると一段は絞ってf6.3で撮りたい気持ちも働くし、そうなると室内にいる動物はほとんど撮れないことにもなる。いくら手ぶれ補正があるとはいえ、ISOを800まで上げても300mmでは苦しすぎる。持ってないけど、動物園の理想レンズは70-200mm f2.8あたりじゃないだろうか。値段的にも一般人が買えるぎりぎりだし、持ち歩いて手持ちで撮れるレンズとなるとそのあたりだろう。300mm f2.8などはいろんな意味で現実的じゃない。
 そんなわけで、今回は迷った分、あまり印象的な写真が撮れなかった。なんとなく通り一遍の感じになって、自分でも面白くなかった。タイミングもよくなくて、自分の力不足を感じることとなった。

東山動物園2-2

 一度覚えたことも油断するとすぐに忘れてしまうことがある。アザラシとアシカの見分け方もそうで、耳が出てないのがどっちかで、耳が出てるのはどっちかだというところまでは分かるのだけど、どっちがどっちか分からなくなりがちだ。ゴマちゃんは耳がないと覚えたつもりなのに。
 耳の穴だけしかないのがアザラシで、耳が出っ張ってるのがアシカだ。もう一度覚え直さないと。あと、泳ぐとき体の後ろだけで泳ぐのがアザラシで、アシカは前のヒレも動かすというのもある。
 しかし、安心するのはまだ早くて、他にもセイウチ、トド、オットセイ、オタリアなどがいるから、ますますややこしい。耳があるからアシカだと思ったら、オットセイだったなんてこともよくある。
 写真は、体にゴマ模様があるゴマフアザラシだ。

東山動物園2-3

 東山動物園名物といえば、なんといってもコアラだ。気づけばけっこう増殖して8頭くらいいた。チビも順調に増えているようだ。
 まあしかし、動物園で見てこんな面白みのない動物も他にはいない。基本的にみんな寝てるだけなんだから。しかも、顔を隠して寝てたり、背中を向けてるから、寝顔も見られない。最初は物珍しくて長蛇の列ができたけど、今ではみんな軽く見ながら素通りしていく。
 コアラの場合は飼育が難しい動物だから、どうしてもコアラの生活優先で、見学者のことは後回しになる。夜行性で、夜はけっこう動き回るから、せめて夜のコアラの映像をモニターで流すとかしてもいいと思う。
 写真のこいつは、たまたまちょっとだけ目を覚まして、うーんと手足を伸ばしたところだった。木の上で寝っぱなしだから、コアラも疲れるだろう。

東山動物園2-4

 飼育員さんにエサをもらうラクダくん。一頭で寂しそうにしているこのラクダがいつも気になる。ラクダの楽しみや喜びってなんだろう。
 木についた葉っぱをむしゃむしゃ食べていたけど、これが主食だろうか。野生のラクダは何を食べているんだろう。草食には違いないけど、動物園でも野菜ではなく葉っぱなのか。
 ラクダはとても我慢強い生き物だ。背中のコブに蓄えた脂肪分で何日も食べなくても生きていけるし、血液中に水分を持っていて数日間水を飲まないでも生き延びられる。人間は体の水分の10パーセントも失うと死んでしまうけど、ラクダは4割まで大丈夫だという。
 しかし、辛抱強いラクダが我慢するのが好きかどうかは本人に訊いてみなければ分からない。ホントはつらいのが大嫌いかもしれない。悲しげな顔をしてるのは、実は精神的には打たれ弱い可能性もある。ラクダだってぬくぬくした生活の方がきっと好きに違いない。

東山動物園2-5

 東山動物園の中ではもっとも広い場所で飼育されているのがキリンだ。体のサイズも大きいけど、動き回れるスペースも充分にある。敵がいないから走り回ったりはしないものの、ちょっとした駆けっこくらいはできる。
 キリンを近くから見ることができる展望台が新設されたけど、どうやら時間が決められているらしく、まだ見たことがない。近くから見るキリンは更に大迫力だろう。
 見たことがないといえば、マサイキリンも見たことがないからどこかで見たい。動物園にいるのは、たいていアミメかマサイだ。どこへ行けば見られるだろう。

東山動物園2-6

 相変わらず恐ろしげな爪をしているヒグマさん。能ある鷹は爪を隠すというけど、ヒグマは隠さない。能がないかというともちろんそんなことはなく、ヒグマパンチをまともに食ったら、頭ごと飛んでいく。
 人間なんてこざかしい知恵で生き延びているけど、素手の勝負となったら、多くの動物にかなわない。人間よりももっと小さくて、もっと賢い生き物がいて、そいつらがこの世界を好き勝手にしてたら、さぞかし腹が立つだろう。動物たちもみんな悔しい思いをしてるんじゃないかな。

東山動物園2-7

 私が野生で見たい動物の一つ、ニホンカモシカだ。
 これはどこかで見たいし、撮りたい。街中で暮らしてるとカモシカなんて遠い世界の生き物のようだけど、意外と人の暮らしの近いところにいる。山で暮らしてる人の中には、日常的に見てるという人もいるはずだ。
 乱開発や乱獲で一時絶滅の危機に陥って特別天然記念物に指定されたニホンカモシカも、その後数を増やして、今や10万頭近くいるといわれている。ちょっと山の方に入っていけばいそうだ。少し前に、春日井市の高蔵寺で見かけたという情報がある。追いかけたら東谷山方面に逃げていったらしい。東谷山にいるなら、ぜひ撮ってみたい。東谷山フルーツパークあたりにひょいと出てきてくれないかな。

東山動物園2-8

 私が好きな動物、ボンゴだ。世界四大珍獣の一つで(残り三つは、ジャイアントパンダ、オカピ、コビトカバ)、森の貴公子とも呼ばれている美しい生き物だ。
 彼らはきっと、森の中でこそ最高に美しいのだと思う。動物園ではその輝きの半分でさえない。
 アフリカの山岳地帯に彼らはいる。野生の生息数は100頭未満というから、おそらく一生見ることはかなわないだろうけど、どんな観光地や世界遺産よりも野生のボンゴを見にいきたい気持ちの方が強い。

東山動物園2-9

 いつ見てもクスッと笑えるマレーバク。そのツートンのカラーリングはやっぱり変ですよと教えてあげたい。
 インドネシアのスマトラ島やマレー半島に生息するバクで、タイでは神様が動物の余ったパーツをつなぎあわせて作った生き物とされているんだとか。確かにその気持ちは分かる。なんか中途半端というか、サイでもなくブタでもなくカバでもなくゾウでもない。どこかで間違ってしまったような印象を受ける。
 東山では去年子供が生まれた。生まれたときはイノシシの子供のうり坊そっくりで、これがまたキュートなのだ。順調に育って大きくなっているようだ。このときは部屋に入っていたのか、姿が見えなかった。

東山動物園2-10

 これはチーターだったか、ジャガーだったか、ピューマだったか。近くを通りかかった女の子たちが、ヒョウ柄なのにヒョウじゃないじゃんと口走ったのを聞いて、確かにそうだねと思ったのは覚えている。
 小屋のフェンスの網目が細かすぎてまともに写真を撮れない。間違っても檻を破らないようにという配慮だろうけど、これじゃあ写真はおろか見るのにさえ支障がある。
 新しく生まれ変わる東山動物園は、ぜひ写真を撮ることに配慮した作りにして欲しいと思う。そのことを念頭に置いて設計すれば、随所で工夫はできるはずだ。全部ガラス張りとかじゃなくても、一部でいいんだから。レンズが入る大きさの穴を開けるだけでもいい。

東山動物園2-11

 アカカンガルーの飼育所もひと工夫がこらされたところで、近くまで行けるようになって、見やすくなった。カンガルーパンチやキックが届かない範囲で近づくなら危険のない動物だから、これはいい試みだ。
 檻越しっていうのは、どうしても動物との距離感が生まれてもどかしいし、見てる側の心が痛むというマイナス要因にもなる。

東山動物園2-12

 キンシコウの仲良し親子。子供はまだまだ甘えたい盛りで、お母さんから離れようとしない。父親は今ひとつ相手にされないながらも近くにいたい。
 キンシコウも外に運動場があるのに、そこに出てるのを見たことがない。もっと早い時間に行かないといけないんだろうか。自然光の中で、生き生きと動き回っているところを撮ってみたい。
 これは中国との共同研究で貸してもらっているやつだ。中国との関係が悪化するとこれも返せって話になりかねないから、やっぱりどこの国とも仲良くしておいた方がいい。パンダをもらった恩だってあるんだし。

 動物園写真は面白くて難しい。いい写真を撮ろうと思えば、ひとつの動物にある程度の時間をかける必要がある。通りかかったときにパチパチっと数枚撮ってすぐ次に移動というスタイルでは、いい瞬間を捉えられない。
 東山の場合、夕方4時以降は多くの動物が部屋に入ってしまうからそれからは写真の時間じゃなくなってしまうのが残念だ。動物園側の事情なんだろうけど、もう少し最後まで見させて欲しいところだ。
 今の季節だと、閉園の4時50分はまだまだ明るいから、これで閉まってしまうのはもったいない。夏休みのナイトズーは、夜間の動物が見られる面白さもなることながら、夕暮れ時に西日の当たる動物たちの姿を見ることができるのがいい。あれは写真として決定的な狙い目となる。季節でいうと、晩秋に行けば夕焼けと動物を絡めて撮れるのかもしれない。
 春の東山動物園シリーズは次の第三回で終わりになりそうだ。今回は思ったよりも撮れてなかった。できれば近いうちに植物園と一緒にもう一度行きたいと思っている。
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