知ってるつもりで知らない料理を作って食べて解き明かすサンデー

料理(Cooking)
知ってるつもりサンデー

Canon EOS 20D+EF 50mm f1.8 II



 ミネストローネって、なんだろう?
 今日のサンデー料理はそこから出発した。
 料理名は耳にしたことがあるけど食べたことがない料理や、食べたことはあるけどその料理の定義を訊かれると答えられないものはたくさんある。トム・ヤム・クンとか、ボルシチとか、チンジャオロースとか、いきなり今から作って欲しいと言われても困る。トルティーヤってなんだっけみたいなことも多い。
 ミネストローネも、たぶん赤い色をした野菜スープだろうというところまではイメージできたのだけど、それ以上のことを知らなかったし考えたこともなかった。店で食べたことはないし、家で出てきた記憶もない。
 こういう知ってるようで知らない料理というのは、一度自分で作ってみるのが一番手っ取り早い。そうすれば一気に顔見知りになれるから。
 同じように知ってるつもり料理2品とあわせて今日も3品作った。あとの2つは、ナゲットとつみれだ。どちらも分かるようで分かっていない。チキンナゲットというのはよく聞くし食べたこともあるけど、チキンじゃなければナゲットじゃないのかとか、つみれとつくねはどう違うのだろうとか、曖昧な点が多い。このあたりもあわせて明白にするというのが、今日のサンデー料理のテーマだった。

 まずはミネストローネから明らかにしていこう。一番奥の赤いスープがそれだ。
 調べてみると、まずイタリア料理だということが判明した。つづりはminestroneだから、ミッネスットローネって感じだろうか。英語読みすれば、マインストローンだ。英語圏で実際にそう呼ばれているかどうかまでは調べがつかなかった。でも、バッハがバックになってしまうのが英語だから、それはありえる。エドベリだってエドバーグだった。
 それはともかく、意味は具だくさんだそうだ。必ずしもトマトスープと決められているのではないようだ。でもやはりトマトソースが基本で、野菜はそれぞれの家庭や店によって違うらしい。要するに、イタリアの野菜スープは全部ミネストローネと言ってしまってもいいのかもしれない。乱暴に決めつけてしまうなら、ミネストローネは日本で言うところの味噌汁みたいなものだろうか。中身は野菜類なら何でもいいのだ、きっと。ロシアのボルシチよりも定義は曖昧と言える。
 イタリアでよく使われる材料としては、ジャガイモ、ニンジン、タマネギ、セロリなどで、パスタにしたり米を入れたりもするという。イタリア人は基本的に性格が大らかだから(大ざっぱともいう)、細かいことは気にしない。美味しくて楽しければそれでサイコーなのだ。オー、ミネストローネ、ブォーノ! それで万事オーケイ。私たちもイタリア料理を作ったり食べたりするときは、イタリア人のようになればいい。
 作り方もいたって単純だ。用意した野菜を適当な大きさに切って、ニンニク、タマネギを炒めたら、あとは野菜を放り込んで白ワインで炒めて、水を加えて、切ったトマト、ケチャップ、コンソメ、塩、コショウ、砂糖などで味付けして煮込んでいくだけだ。
 でもこれが美味しいから侮れない。野菜の旨みがたっぷり出て、トマトの酸味とケチャップ、砂糖の甘みが味を引き立てる。シチューとはまた別のスープだし、洋食にあるようでないのがミネストローネという料理だ。トマトを使ったイタリアの家庭スープ料理と思っておけば間違いない。
 よし、これで一つ謎は解けた。次にいってみよう。

 次はナゲット問題を考えたい。
 チキンナゲットといえば鶏肉を使ったものだということは分かるけど、ポークナゲットやフィッシュナゲットのような使い方をするかというととたんに怪しくなる。実際にレシピの料理名としては使われているものの、それが正しい使用方法なのかどうかはっきりしない。何にでも頭につければナゲットとして成立するのか。豆腐ナゲットとか、エビナゲットとか、カニナゲットとかはあまり聞いたことがないけど。
 nuggetを辞書で調べてみると、「1.貴金属のかたまり。特に、天然の金塊。 2.鶏肉や豚肉などの小さなかたまりを揚げたもの」と出てくる。これが本当だとすると、少なくとも肉を使って揚げないとナゲットにはならないということになる。焼いたものはもはやナゲットではないのか? そもそもナゲットってどこの国の料理なんだ。やっぱりアメリカか? ウィスコンシン州のJ・J・K・ブースという人が考案したという説があるようだけど、肉のかたまりを揚げた料理なんて、考案するも何も大昔からあったに違いない。
 ナゲット問題は意外と手強い。どこまでをナゲットとして認めるかという線引きが難しい。焼きではなく揚げは絶対条件なんだろうか。簡単には解決しそうにないから、今日のところは保留ということにしたい。
 たぶん、私が今回作ったのはナゲットとは違うものなのだろうと思う。でも、そうなると呼び名が分からないから、とりあえずナゲットの仲間に入れてもらうことにしよう。
 使ったのは、白身魚と木綿豆腐だ。刻んだタマネギ、卵、コンソメの素、塩、コショウ、カタクリ粉、パン粉を混ぜ合わせて油で揚げた。見た目はけっこうナゲットっぽい。食感はチキンなどよりはずっと柔らかいから、私の好みだ。味も美味しかった。
 ソースは、マヨネーズにしょう油、カラシ、コンソメ、塩、コショウ、カレー粉を混ぜたものをひと煮立ちさせたのをかける。

 3つめが一番スタンダードから外れていると思われる、つくねだ。見た目はミニハンバーグっぽいけど、つくねのつもりで作っている。
 つくねというのもよく分からない料理だ。漢字では「捏ね」と表記する。もともとは、「こねる」の文語形で、「捏ぬ(こぬ)」という使い方をした言葉のようだ。
 これは思ったよりも守備範囲が広くて、肉でも魚でも刻んでこねればつくねになるみたいで、煮ても焼いても揚げてもつくねであることに変わりがないという。ここまで定義の幅が広い料理はそう多くないんじゃないか。形態も団子状であろうが棒状であろうが他の形であろうが、つくねはつくねのようだ。
 一般的には肉のミンチに卵などのつなぎを混ぜ合わせて焼くか煮るのをつくねと呼んでいる。
 魚を使った場合は、つみれとされることが多いようだ。ただし、つみれという場合は、魚のすり身につなぎを加えて団子状にして、それをお湯で茹でたものというのがその定義となるので、とたんに幅が狭くなる。つみれを漢字では、摘入とか抓入と書く。
 ということを踏まえた上で私の作った料理を見ると、一応つみれと呼んでいいんじゃないかと思う。食材はエビとナスを使っているけど、料理方法としてはつみれだ。
 ナスは一度下茹でをしてアクを取って細かくみじん切り、エビは背わたを取ってから塩水にさらして細かく切る。これにとろけるチーズ、長ネギ、カタクリ粉、パン粉、卵、塩、コショウを混ぜてタネを作って、スプーンですくってフライパンで焼く。
 しょう油、酢、みりん、酒、砂糖、一味、塩、コショウ、水溶カタクリ粉で作ったたれを塗って、照り焼きにすれば完成だ。青のりも振りかけてみた。

 振り返ってみると、イタリア、アメリカ、日本それぞれの知ってるつもり料理の曖昧さをほぼ解き明かした。アメリカの代わりにドイツ料理を持ってくれば、日独伊三国同盟料理になった。今度やってみよう。連合国料理とかもできそうだ。
 思った通り、一度作ってしまえばもう顔なじみの友達同然だ。明日からはもう、ミネストローネって何だろうという問いかけにもすぐに答えることができる。ナゲットの曖昧さは残ったものの、つくねの心の広さを知ったのも収穫だった。
 知ってるつもり料理というのはけっこう面白い。これは第二弾もありそうだ。また何か思いつくものが3つ揃ったらやってみよう。

おでん缶

 昨日、初めておでん缶なるものを食べてみたので、ついでに紹介しておこう。
 秋葉原でオタクたちが食べているということで有名になったおでん缶が、実は名古屋発祥だということを知っているだろうか。名古屋市中区にある天狗缶詰株式会社というところで作っている。商品名は「こてんぐ」。
 私が見たのは2種類で、共通なのは、さつまあげ、ちくわ、こんにゃく、大根、うずら卵、昆布、結びこんにゃくで、つみれ入りと牛すじ入りで差別化が図られている。
 値段は300円。缶は小さめながら、中身を開けてみると意外と量がある。
 名古屋で作られているだけあって、味付けは濃いめだ。寒い日に外で食べることを想定しているだろうから、しっかりした味付けになっているというのもあるだろう。寒風の中で薄味のおでんでは気力が萎える。
 味は普通に美味しい。決して馬鹿にしたものではない。コンビニのおでんを食べたことがないからはっきりしたことは言えないけど、あれと同じくらいだろう。
 外でどうやって食べるんだと疑問に思った人もいるかもしれない。それは、こんにゃくに串が刺してあって、その串で他の具も刺して食べることができるから心配ない。ダイレクトに缶からおでんを飲むなんてことをしたら、ひょうきん族の鶴太郎のようになってしまう。
 300円というのはちょっと微妙な金額ではあるけど、話のネタとしては充分面白いから元は取れる。常飲するにはちょっと高いか。
 私は岩屋堂の奥で初めて見つけたのだけど、印場駅にも置いてあった。大須にもあるらしいし、探せば名古屋の至る所にあるのかもしれない。見つけたらぜひ一度食べてみてください。電車の中でおもむろにおでん缶を取り出して、缶を開けておでんを食べ始めたら、車内中の話題独占間違いなしです。
記事タイトルとURLをコピーする
コメント
コメント投稿

トラックバック