名古屋を代表する二つの教会にクリスマスイブの日に行ってきた話

主税町教会入り口




 名古屋市最古の教会、カトリック主税町(ちからまち)教会というのがあるのを知ったのはおととしのことだった。一度見に行きたいと思いながらもなかなか機会がなくて延びのびなっていた。ようやく行くことができたのは去年の12月24日、クリスマスイブの日だった。
 イブの午後ということで入れるかどうか心配したのだけど、門が開いていたので思い切ってお邪魔することにした。カトリックの教会は一般人が考えている以上にオープンハートだ。門戸は開かれている。イブのミサは夜だったのだろうか、教会はひっそりと静まりかえってひとけがない。
 場所は主税町三丁目で、清水口の交差点を南に41号線沿いを行った左手に教会はある。
 いきなり車で乗り付けるのもどうかと思い、路上に少しとめておくことにした。



主税町教会の外観

 左奥が教会堂で、明治37年(1904年)に士族の屋敷を改造して建築されたものだ。一部は昭和60年(1985年)に改修されたものの、教会建築では名古屋市最古のものとなっている。
 日本家屋の屋根に十字が乗っかっていて、玄関の三連アーチは洋風だ。建築された当時は鬼瓦の上に十字架が立っていたという。
 大正11年(1922年)の改築で現在の姿になった。
 内部も和洋折衷で、壁は漆喰塗りなのに床はかつて畳敷きになっていたらしい。平成15年(2003年)にフローリングの床にしたそうなのだけど、畳敷きの教会というのは一度見てみたかった。
 右手前は平成2年(1990年)に復元された鐘楼で、まだ新しい。中の鐘は明治23年(1890年)にフランスのマルセイユで製造されたものだそうだ。今でも日曜日のミサのときは鐘を鳴らしているという。
 主税町教会の歴史は明治20年(1887年)までさかのぼる。名古屋や岐阜でカトリックの布教活動をしていた井上秀斎という人物が、フランス人宣教師のデュルパン神父とともに教会を作ったのが始まりだった。
 以降この地方のカトリック教会の中心となり、大正末期まで名古屋で唯一のカトリック教会でもあった。
 明治21年には敷地内に小学校が建設され(明治35年廃校)、現在は幼稚園が併設されている。



主税町教会の全体像

 教会堂の裏手には司祭館もある。明治23年(1890)年に建てられたものを昭和5年(1930年)に改築した。
 高さ19メートルの大きなケヤキの木があり、落ちた葉が屋根に降りつもって西日が照らしていた。



ルルドの洞窟

 庭の一角に、ルルドの洞窟を模したものがあって、マリア様もいる。
 明治42年(1909年)にフランスのルルドに聖母マリアが出現したという伝説を再現したもので、日本でもあちこちの教会で作られている。多治見のカトリック修道院と、東京のカテドラル聖マリア大聖堂でも見た。
 この主税町のものは日本で2番目に古いもので、当時のフェラン神父が富士山の溶岩を使って作ったものだそうだ(日本最古のものは長崎五島列島のひとつ福江島の井持浦教会にある)。



教会内部

 教会堂の扉をおそるおそる開けてみると誰もいなかったので、中に入らせてもらうことにした。
 しんとした空気に満たされている。この空気感は現役の教会特有のものだ。ここのところの教会めぐりで、ある程度馴染みのものとなりつつある。
 募金箱と絵はがきが置いてあったので、お金を入れて絵はがきを記念にいただいてきた。
 中に入っていいものかどうか確信が持てなかったのと、路上の車が心配になったので、早々においとますることにした。せっかくだからもう少しゆっくりしたかったのだけど。

【アクセス】
 ・名鉄瀬戸線「大手町駅」下車。徒歩約15分。
 ・地下鉄名城線「市役所前駅」下車。徒歩約約20分。
 ・駐車場 たぶん無し
 


南山教会外観

 主税町教会をあとにして次に向かったのは、昭和区南山町にある南山教会だった。
 南山教会の歴史などについては前回書いた。

 教会の空気には森や川や海よりも高い浄化作用がある ~南山教会



入り口と信者さん

 私たちが着いたときは、ちょうどクリスマスコンサートが終わったところで、中からゾロゾロと大勢の人が出てくるところにぶつかった。事前に電話で訊ねてミサは4時からというのは知っていたのだけど、駐車場が満車で何事だろうと驚いたらそんなことだった。
 中に入ると、コンサートの居残り組とミサ待ちの人でそこそこの賑わいとなっていた。静かな教会もいいけど、クリスマスらしい華やいだ雰囲気を知ることができたのはよかった。



教会内部

 普段は上がれない二階に行くことができたのも収穫だった。ここからの眺めは一階とはまた違った趣がある。教会の祭壇というのはたいていは高いところにあって見上げるようにできているから、こうして見下ろしたのは初めてだ。



ステンドグラス

 二階にはパイプオルガンがある。
 色とりどりのステンドグラスを通して差し込む光が美しく神々しい。

 教会を一日に二つも行ったので、すっかり浄化された気分になった。教会はやっぱり効く。浄化作用は海にも劣らず、神社仏閣よりも効果がある。信者でなくても、たまに行くのはいいことだ。
 これで布池教会とあわせて名古屋を代表する3つの教会を回ったことになる。他にも小さな教会はたくさんあるのだけど、どこまで入っていけるかの判断は難しい。あまりこぢんまりしたところだと観光気分で入っていくのはためらわれるし、見とがめられないまでも何かご用ですかなどと訊かれたら言葉に詰まってしまう。あ、いや、見学で、とは言いづらい。名古屋ハリストス教会あたりも興味はあるのだけど。
 それでも今後とも教会巡りは続けていきたいと思っている。名古屋に限らずどこかへ遠出したときは教会も調べて行ってみたい。あまり一般に開いているとは思えないプロテスタントの教会も入れるものなら入ってみよう。カトリックとの違いも知りたい。
 そんなクリスマスイブの教会巡りの話でした。チャンスがあれば教会を訪ねていってみることをおすすめします。

【アクセス】
 ・地下鉄鶴舞線「いりなか駅」下車。徒歩約5分。
 ・駐車場 一応あるけど近隣の有料駐車場が無難。

 カトリック南山教会webサイト
 

4 Comments

mari  

こんにちは!

美宝堂でございます。主税町カトリック教会は、近所に住んでおりながら、歴史的なことは全く知りませんでした。ありがとうございます。結婚前は、南山教会の近くに住んでおりました。神様にお守り頂いているのでしょうか。有り難い気持ちになりました。

2008/06/22 (Sun) 16:23 | EDIT | REPLY |   

オオタ  

名古屋にも教会がたくさん

★mari美宝堂さん

 はじめまして、こんにちは。
 美宝堂さんといえば、あの美宝堂さんでしょうか。
 一度も入ったことはありませんが。(^^;

 主税町カトリック教会は、けっこう盲点なところがありますね。
 名古屋では布池と南山が有名だけど、一番古い主税町カトリック教会は名古屋の人でも知らない人が多いんじゃないかなぁ。
 小さいところでしたが、しっかりカトリックの空気を持った聖堂でした。
 南山教会もいいですよね。
 布池はまたちょっと別格かな。

2008/06/23 (Mon) 03:58 | EDIT | REPLY |   

まみぃ  

いつでもどうぞ(*^▽^*)

所属は布池教会ですが、普段は南山の方が近いので南山教会に行くことも多いです。

主税町教会は風情があります。

教会はいつでも開かれてるので、安心してお越しください。小さめの教会でも、見学だけでも喜んでお迎えします。

ただ、小さい教会は神父様がご不在の時に閉まっていることがありますので、あらかじめ電話をしてから訪れると良いでしょう。

プロテスタントの教会については、またそれぞれ違うかと思いますので、やはりあらかじめ電話をした方が良いでしょう。

信者にならずとも、気に入った空間でひと時を過ごすくらいの気持ちで来ていただいて大丈夫ですよ(^ ^)

2019/08/24 (Sat) 00:23 | EDIT | REPLY |   

オオタマサユキ  

教会ちょくちょく

>まみぃさん

 こんにちは。
 コメントいただきありがとうございます。

 布池教会は好きで何度かお邪魔してます。
 あそこも独特の雰囲気ですね。
 非日常空間なんですが落ち着きます。

 南山教会も二、三度行きました。

 主税町教会は去年だったか、もう一度行ったのですが、そのときは開いてませんでした。

 多治見の修道院も好きで何度か行きました。
 ちょっと遠いのでちょくちょくは行けないのですが、

 名古屋聖マルコ教会も一度入ってみたいと思いつつ実現してません。

 また伺いたいと思います。

2019/08/25 (Sun) 21:30 | REPLY |   

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  • 2008.01.08 (Tue) 20:30 | Newsエンタメ/デジタル,名古屋を代表する二つの教会にクリスマス