真実は一欠片で

言葉(words)
光と影と菊

 嘘の中にも真実のカケラはある。
 作り物だといってもそれは嘘とは違う。
 たとえば、映画や小説がそうであるように。
 人は剥き出しの真実よりもきれいに装われた真実を好むものだ。
 生では飲み込めないものも、美味しく調理されたら食べられる。
 我々が欲し求めているのはリアルではなくリアリティなのだ。
 真実らしくさえあれば、たとえそれが嘘でもかまわない。
 全部が全部真実であるよりも、作り物の中にある一欠片の真実の方がいい。
 映画でいえば、ノンフィクションよりもフィクションが好まれるのはそういうことだ。
 人生において真実は必要だ。わずかの真実さえなければすべてが嘘になってしまう。
 でも、真実はそんなにたくさんはいらない。
 我々にとって必要な真実は、自分たちが思っているよりも少ないかもしれない。


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