勝手に紹介 ~若い世代にthe brilliant greenを

音楽(music)
空と雲

 今30歳以下の人に、ブリグリって知ってる? と訊いたら、ほぼ全員がはっ? となると思う。
 正式名のthe brilliant green(ザ・ブリリアント・グリーン)で訊いても答えはほぼ同じなんじゃないだろうか。
 今や、遠い過去のバンドとして忘れ去られてしまった感が強い。

 結成は1995年。
 京都市立紫野高校のクラスメイトだった奥田俊作(ベース兼作曲)と松井亮(ギター)がライブハウスで歌っていた川瀬智子(ボーカル兼作詞)をスカウトしたのがきっかけだった。
 川瀬智子が20歳になる頃だ(他の2人は4歳上)
 2年後の1997年、全編英語歌詞の『Bye Bye Mr. Mug』でソニーレコードよりメジャーデビュー。
 転機となったのが翌1998年に発表した『There will be love there -愛のある場所-』がTBSのテレビドラマ『ラブ・アゲイン』の主題歌に使われて大ヒットとなったことだった。
 続く『冷たい花』、『そのスピードで』、『長いため息のように』と、立て続けにヒットを飛ばした。それが1998年から1999年で、この時期のthe brilliant greenはちょっと神懸かっていた。
 その後、少し停滞期があったものの、2000年の『Hello Another Way -それぞれの場所』と『angel song -イヴの鐘』は紛れもなく傑作だった。
 しかし、この頃から急速に輝きを失っていくことになる。
 それと前後して、ボーカルの川瀬智子がソロプロジェクト「Tommy february6」をスタートさせたことでバンドとしてのthe brilliant greenは一時的な活動休止に入った。
 後に川瀬智子は別のソロプロジェクト「Tommy heavenly6」を始めたりもしている。
 振り返ってみれば、ボーカル川瀬智子のけだるい感じと曲調が世紀末の時代的な気分と合致したというのが大きかった気がする。
 1999年のノストラダムスの大予言は当たらず、皆が肩すかしを食らって我に返ったのが2000年だった。
 再浮上しないまま世間では忘れられつつあった2003年に、メンバーの奥田俊作と川瀬智子が結婚したときもあまり話題にならなかったように思う。
 2008年に17枚目のシングル『Ash Like Snow』が『機動戦士ガンダム00』のオープニング曲になって少しだけ復活したものの、2010年の20枚目のシングル『Just Can't Breathe...』を最後に、事実上活動停止となった。

 個人的にthe brilliant greenをリアルタイムでよく聴いていたわけではないし、それほど強い思い入れがあったわけでもないのだけど、ときどきthe brilliant greenの曲が頭の中で流れることがあって、何年か前にベストアルバムの『complete single collection '97-'08』(2008年)を中古で買って聴いたら、やっぱりthe brilliant green、すごいじゃん、名曲だらけじゃんと再認識して、それからもときどき思い出して聴くというのが続いている(買ったのは初回限定版で、付いてきたMV集のDVDがよかった)。
 私の中では息の長いアーティストということになる。

 https://amzn.to/3wt0Tdf(『complete single collection '97-'08』)

 それで、最初の問いに戻るのだけど、若い世代にもぜひともthe brilliant greenを聴いて欲しいというのが今回の勝手に紹介の趣旨だ。かつてこんなカッコよくて素敵なバンドがいたんだよということを勝手に教えてあげたい。
 今MVを見て、曲を聴いても古びていないと感じる。名曲は時代を経ても色褪せない。




 the brilliant green 『There will be love there -愛のある場所-』

 the brilliant greenといえばこの曲を思い浮かべる人も多いと思う。
 the brilliant greenのエッセンスのすべてがこの一曲に凝縮されているといってもいい。




 the brilliant green  『冷たい花』

 大ヒットの次の曲というのはどんなアーティストにとっても難しい。
 同じ路線でいくのか、別路線で振り幅を見せていくのか、という判断に迫られる。
 個人的な推測だけど、この当時のthe brilliant greenはそれほど売れることを目指していなかったのではないかと思う。自分たちの音楽性を考えたとき、あれほど広く一般に受け入れられるとは思っていなかったんじゃないだろうか。
『冷たい花』はよりハードに、よりダークに打ち出すことで世間を試すというか反応を見るような狙いがあったかもしれない。
 この曲がオリコンで1位になるのだから今では驚きだ。時代性というものだろう。
 この曲の成功でthe brilliant greenの方向性は決まったということがあっただろうし、自分たちの目指す音楽に対する確信めいたものを得たのではないか。




 the brilliant green 『そのスピードで』

 フジテレビのテレビドラマ『Over Time-オーバー・タイム』の主題歌ということで、覚えている人も多いと思う。
 この時代はドラマのヒットと主題歌のヒットが連動する幸せな時代だった。まだCDが売れていた時代だ。
 インターネットとメールを広く世に知らしめるきっかけとなったドラマ『WITH LOVE』が放送されたのが1998年だから(私がネットを始めたのもこれ)、その少し後ということになる。
『WITH LOVE』の主題歌、MY LITTLE LOVERの『DESTINY』も大ヒットした。




 the brilliant green 『長いため息のように』

 the brilliant greenを一言で言い表すなら、”カッコイイ”バンドだと思う。
 the brilliant greenのようなカッコよさを持ったバンドはthe brilliant green以前にはいなかったし、the brilliant green以降もいないように思う。
 そういう意味では唯一無二のバンドという言い方もできる。




 the brilliant green 『 Hello Another Way -それぞれの場所-』

『長いため息のように』に続く『愛の♥愛の星』、『CALL MY NAME』、『BYE! MY BOY!』がセールス的にも上手くいかず、the brilliant greenはもう終わりなのかと思われていたときに放った起死回生の一発的な名曲。
 原点回帰ということで、気持ちを入れ直して作ったみたいなことをどこかのインタビューで答えていたように思う。




 the brilliant green 『angel song -イヴの鐘-』

 これまでとかなり違った曲調で、the brilliant greenの新たな一面、ブライトサイドというものを見せて幅を広げたように思えたのだけど、時代の空気感が変わって、すでにthe brilliant greenは求められなくなっていたのかもしれない。
 TBSのテレビドラマ『真夏のメリークリスマス』の主題歌としてヒットして、オリコン3位までなったものの、これを機にthe brilliant greenは失速していくことになる。
 私の中のthe brilliant greenもここで止まっている。




 the brilliant green  『I Just Can't Breathe...』

 事実上最後となった20枚目のシングル曲。
 こうして聴いてみると相変わらずthe brilliant greenではあるし、ボーカルも変わっていないといえば変わっていないのだけど、何か決定的に力を失ってしまっているのを感じる。ある種の説得力のようなものだ。
 最初の方で神懸かっていたという言葉を使ったけど、実際にそういうことはあるのかもしれない。何者かが手を貸していないと、本当の名曲や傑作は生まれないのではないか。
 神か天使か悪魔か、その正体は分からないけれど。
 ただ、短い数年間だったにしても、the brilliant greenは本物だった。彼らが世に送り出した名曲が輝きを失うことはない。
 だからこそ、若い世代に聴き継いでいって欲しいと私は願う。


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