何故デンパークはもっとデンマークではなかったのかというもどかしさ - 現身日和 【うつせみびより】

何故デンパークはもっとデンマークではなかったのかというもどかしさ

デンパーク風景-1

Canon EOS 20D+SIGMA 18-50mm f3.5-5.6



 デンパーク第三弾になってようやく本編、デンパーク風景の紹介となる。結論を言えば、デンパークはデンマークではなかった。デンマークらしさを探して園内を一周した私たちは、ついにデンマークをあまり感じられないまま公園をあとにすることになる。いや、まったくデンマーク色がないというわけではない。少しだけデンマークを意識した作りにはなっている。期待度の問題として、個人的に物足りなかったというだけだ。
 断片的な風景写真からそれがどこまで伝わるか自信はないけど、今日のテーマはデンパークにおけるデンマークを探せだ。何の予備知識もなくふらっと歩けばいつの間にかデンマーク通になっているなんてことはないので、できればデンマークのガイドブックを手元に置いてこれを読んで欲しいと思う。一般家庭にそんなものがあるとも思えないけど。

 デンマークといえばなんといっても風車だ。ん? そうなのか? 風車の故郷はオランダではないのか? 風車に挑んでいったドン・キホーテはスペインの話だった。デンマークも風車が有名なのだろうか?
 答えはイエスだ。上の写真のものは古典的なスタイルのデンマークの風車で、最初は主に製粉のために使われていたんだそうだ。やがてそれを電力発電に利用するようになり、今ではデンマークは世界有数の風車王国となっている。
 特徴的なのは政府の押しつけではなく市民主導で風車が導入されるようになったことで、国内にある約6,000機のうち5,700機が個人所有というから驚く。デンマーク人の多くが共同でマイ風車を持っているのだ。黒板五郎父さんもびっくり。電力も16パーセントを風力発電でまかなっていて、今度30年で50パーセントまで引き上げる計画もあるという。デンマーク国内の地形や風土も風車に合っていたのだろうけど、デンマーク人の性格というのもありそうだ。
 というわけで、デンマークといえば何が思い浮かぶかという問いかけに対して風車と答えるのは、間違っているどころか大正解なのだった。

デンパーク風景-2

 風車の近くに行ってみるとなにやら人だかりができている。なんだなんだと思ったら、ギャル撮影会が行われていた。おー、これはすごいぞ。遠巻きに私も乗っかってみた。
 けど、いわゆるカメラ小僧とかアキバ系とかのコスプレ撮影会ではない。カメラを持っているのがおじさま、おばさまだ。小僧や若者ではない。でも何故かモデルはミニスカの衣装を身にまとったギャル。どういう集まりなのか不思議だった。
 帰ってきてから知ったのだけど、どうやらデンパーク内に写真講座みたいなものがあって、その受講生の人たちだったようだ。それ以外でも、ここは撮影会によく使われるところのようで、ネットで検索するとコスプレ写真の人たちがたくさん出てくる。確かにモデル撮影には格好の場所と言えそうだ。

デンパーク風景-3

 花畑の中の女の子を四方八方から狙うおじさん軍団。かなり気合いが入っている。みなさん、いいカメラとレンズを持っている。赤帯、白レンズ当たり前という世界だ。私の装備など見られたら恥ずかしいくらい。こういうところって持っていくカメラやレンズには気を遣う。コンパクトデジならかえって平気なのだけど、デジイチだとみんな人のものをチラ見するものなのだ。あまり重装備だと逆に反感を買いそうだし、レンズキットのレンズなんて付けてるとケッとか思われそうで思わず隠したくなる。かえってTakumarあたりのオールドレンズをつけてる方がはったりが効く。私も役に立たないミニバズーカでも持っていけばよかったか。あれなら木の陰からこっそり便乗してモデル撮影会に参加できた。

デンパーク風景-4

 ここでも汽車型のバス「メルヘン号」がのんびり走っていた。岐阜の花フェスタでも同じようなものを見た。
 園内を15分ほどで一周するようだ。大人200円だから、乗ってもよかったけど、乗ると人に写真を撮られてしまうので照れくさい。すごくスピードが遅いので、横を通るときに飛び乗れる。もちろんタダ乗りは許されない。

デンパーク風景-5

 ところでデンパークというネーミングは、単なるデンマークとパークをあわせたものではなかった。デンはデンマークのデンであり、田園のデンであり、伝統のデンもかけられていたのであった。その裏話を聞いて軽い衝撃を受ける私。まさか三重のダジャレだったとは。だから、必ずしもデンマークをメインテーマにした公園ではなかったのだ。私はひとりでデンマークにこだわりすぎて空回りしていた。
 デンマークということをいったん忘れて、客観的にこの施設を見たとき、ここは花と緑の公園だ。作られたときのコンセプトは「花・みどり・暮らしの提案」というものだったようで、正式名称は安城産業文化公園となっている。
 どうしてデンマークかといえば、かつて安城市は先進的な農業スタイルから日本のデンマークと呼ばれたことがあって、それが縁でデンマークと姉妹都市となったという経緯がある。
 デンパークは、デンマークをモチーフにした遊びのためのテーマパークとして作られたわけではなかった。
 ちなみに、デンパークのマスコットガール(?)は、紺野美沙子だ。これまた渋いチョイスだ(2005年でお役ご免となったようだ)。
 もともとは道の駅がここにあって、それに隣接する形で平成9年(1997年)に作られた。今年で10周年になる。年間の目標を50万人としているようだけど少し届いてない。安城市という場所にあって、しかも駅からも市の中心からも遠い場所では、大勢の人を呼ぶのはなかなか難しいものがある。入園料600円というのもやや高い。花のテーマパークとしてならもっと充実したところがあるし、動植物園が500円ということを考えるとそれ以上に魅力的と言えるかどうか。
 近所の人にはいい場所だ。2,400円の年間パスポートを買っておけばいつでも気軽に立ち寄って、半日でものんびりできる。ただ、遠くから行く人間にとってもう一度行きたくなるかというと、なかなか厳しいものがある。少なくとも、高速道路を使ってまで行きたくなるほど魅力的とは思えなかった。だからこそ私は強くデンマークを願ったのだ。デンマークを感じられる場所など、日本の中ではそうそうあるものではない。客層を狭めても、あえてデンマークでいって欲しかった。

デンパーク風景-6

 花時計のある花広場は見事だった。みんなここで記念写真を撮っていた。グループは集合写真を、カップルはツーショット写真を。
 花は今の季節はデンマークらしさはない。春は一面のマーガレットが咲くのかもしれない。

デンパーク風景-7

 ファンタジーガーデンと名づけられたこの空間は、メルヘンチックだ。キャラクターが少しディズニーっぽくはあるけど、パクリではない。デンパークには、花の妖精「ペタル」、ブタの兄弟「ピッピとグーグ」、農夫「デアリー」のマスコットがいる。写真に写ってるのはデアリーだろうか、別人なのか。
 けど、なんでここでデンマークが生んだ偉大なる童話作家アンデルセンを前面に押し出さないのか。まさか版権とか肖像権とかそういう問題でもあるまいに。水のプールには人魚姫、通りにはマッチ売りの少女、池にはみにくいアヒルの子であるハクチョウ、花畑の中には裸の王様をそれぞれ職員もしくはアルバイトで配置すべきだ。人形なんてケチなことを言わず、リアルでいって欲しい。マッチ売りの少女からマッチを買ってあげたかったし、裸の王様にはハダカですよと教えてあげたかった。
 不満というよりもどうして利用しないのかが不思議だ。デンマークらしさを出そうという意志があまり感じられない。

デンパーク風景-8

 葉っぱに子供が乗れることで有名なパラグアイオニバスだ。実際に子供を乗せるというイベントも行われたようだ。
 直径は1メートル以上になり、きれいな花も咲かせる。

デンパーク風景-9

 デンパーク内の電力の一部を担っている風車もあった。風力発電を成立させるためにはほどよく安定した風が必要だそうだけど、この程度の大きさでいいなら個人宅でも建てられそうだ。これで一部でも電力をまかなえるなら設備投資としては安いのではないか。日本でも一部で導入され始めているけど、まだまだ個人レベルではない。石油も高いし、日本はエネルギー自給率が低すぎるから、今後は風力発電をもっと積極的に取り入れていくべきだろう。ビルの屋上なんかはどうなんだろう。電気が暗くなって電力不足になってきたら、お父さんが自転車を漕げばいい。コントみたいだけど、家族の絆は強まりそうだ。お父さん、しっかり、なんて子供が声援を送る風景は微笑ましい。

デンパーク風景-10

 ランチは例によって自家製のスポンジケーキだ。今回は今までの中で一番できがよかった。粉の分量をいつもより多くしたのがよかったのだろうか。食感もだいぶフワフワに近づいてきた。理想のスポンジケーキまではまだ遠いものの、少しだけ光が見えてきた気がした。

 このあとは花の大温室フローラルプレイスへ向かうことになるけど、その話はまた次回ということで。
 今回で多少はデンパークの様子も伝わっただろうか。まさかデンパークネタで連載4回になるとは思ってなかった。そういう意味ではデンパークはとてもいいところだ。家から近ければ、撮るものがなくて困ったときはデンパークへ行けということになったかもしれない。写真ということで考えて個人的なローカルスポット比較をすると、デンパークはグリーンピア春日井以上東山植物園以下、といったところだろうか。ブルーボネットよりは上で、魅力的なところには違いない。
 最終回につづく。
関連記事ページ
コメント
非公開コメント

トラックバック

https://utusemibiyori.com/tb.php/731-2821772d