虹と夕焼けを20D+Takumarで撮ると現実以上にドラマチックワールド - 現身日和 【うつせみびより】

虹と夕焼けを20D+Takumarで撮ると現実以上にドラマチックワールド

虹と夕焼け-1

Canon EOS 20D+SMC Takumar 135mm f2.5↑



 今日の名古屋は曇りのち夕焼け。ずっと曇っていて雨が降りそうな天気から、夕方になって一転して晴れとなった。
 この前買った20Dの画質もだいたい掴めてきたところで、Takumarレンズの組み合わせで少し撮ってみることにした。ここ最近はPENTAXの色にすっかり慣れていたから、Canonデジ×Canonレンズの優等生画質はどうも物足りなかった。クリアで抜けはいいけど、色まで抜けてしまって私には薄味すぎる。PENTAXの濃い味付けが好みだっただけに余計そう感じる。けどそれは最近のズームレンズでの話。CanonデジもTakumarの単焦点オールドレンズと組み合わせることでやけに色乗りが良くなることは前に使っていた10Dで知っていた。その傾向は20Dでも変わらないはずだ。そして、実際にそれは証明された。
 上の写真は135mm f2.5という少し珍しいレンズで撮ったものだ。f3.5は廉価レンズでゴロゴロ転がっているけど、f2.5はあまり出回ってない。カビありジャンクで安かったので試しに買ってみた。
 そもそも135mmというのはデジに使うと216mmという使い勝手の悪い画角となる(Canonは1.6倍換算)。望遠レンズとして使うには距離が足りないし、デジに使うと無限遠も出ない。マクロ的に使おうとしても最短焦点距離が1.5メートルと長すぎて使えないから、中間距離のポートレートかスナップに用途が限られる。けれどこれがはまると非常に味わい深い画質になるから捨てがたい。135mm f3.5も廉価なわりにはとてもシャープなのだけど、f2.5はシャープさに加えて柔らかさもある。使えるシーンは限られているものの、積極的に使っていきたいレンズだと思わせる魅力がある。
 というわけだから、本来は遠景の風景に使うようなものではない。このときはたまたま20Dにつけていて、無限遠が出るか出ないか確認するために撮ってみた。無限遠は出ないのだけど、ピントリング手前の30mと表示してあるあたりでなんとなくピントが合う。30メートルなんてことはもちろんなくて、実際の距離は数キロ先だ。でも結果的に合えばいい。これなら一応望遠レンズとしても使えるかもしれない。
 色もきれいなグラデーションが出てなかなかいい。雰囲気重視がこのレンズの特徴でもある。CanonとTakumarレンズの組み合わせがいいのは、コントラストの暗の部分が黒つぶれせずに出るところだ。この粘りはPENTAXにはない。

虹と夕焼け-2
SMC Takumar 28mm f3.5↑↓

 車を走らせていると空に虹がかかっているのを見つけた。あわててセブンイレブンの駐車場に車を入れて、レンズをTakumar 28mmに交換する。けど、ここで失敗に気づく。今日はTakumarの試し撮りのつもりだったから、デジ用の広角ズームを家に置いてきてしまった。28mmの1.6倍換算だから45mmになってしまって、広い範囲を写せない。虹は巨大すぎて半分も入らない。28mm換算の18-50mmズームを取りに家に戻ろうかどうしようか迷った。もしくは、1.5倍換算になるPENTAXなら18mmが27mm換算になる。広角側の1mmというのはときに非常に大きな意味を持つことがある。朝の5分が昼間の5分とは全然意味合いが違うように。
 結局家に戻るのはやめて、視界が開ける河原へ急いで向かうことにした。急がないといつまで虹が出ているか分からないし、日没時間も近づいていた。

虹と夕焼け-3

 橋の上で信号に引っかかったので、車の座席から一枚。やっぱりまったく入りきらない。虹の大きさをあたらめて実感した。この広がりだと17mmでも全部は入らないだろう。虹は離れれば小さくなるようなものではない、どこまで遠ざかっても見えているところからはどこからでも同じ大きさに見えるということも知った。
 この日、同じ虹を見た人がたくさんいた。車を運転しながら、歩きながら、家の前で、多くの人が空を見上げていた。小さな女の子とお母さんは空を指さして何かを話していた。そのとき、虹という存在がその場にいた見知らぬ人同士の心をつないで、一つの空間を作り上げた。ほんの短い一瞬の共有だったけど、確かに目に見えない交流が生まれた。

虹と夕焼け-4

 Over the rainbow、虹の向こうに幸せがあるというけれど、本当は虹のこちら側にこそ幸せがあるのだ。向こうにいってしまえば、もはや夢見ることができない。
 虹を最初に「発見」したのは、万有引力でお馴染みのアイザック・ニュートンだった。ニュートンはそれをスペクトルと名付けた。虹の色を7色(赤、橙、黄、緑、青、藍、紫)だと最初に言ったのもニュートンで、日本も7色ということになっている。けど、ヨーロッパでは一般的に6色や5色と考えている国が多い。実際に目で見てみると、確かに5色くらいにしか見えないといえば見えない。頑張れば6色くらいは見えそうにも思う。

虹と夕焼け-5

 河原に着いたときにはすでに夕焼け時間となっていた。これもちょっと珍しい光景だったかもしれない。ピンクの夕焼け空を背景にかかる虹というのは初めて見た気がする。虹までもが少し桃色に染まっているようだった。
 空一面が見渡せる河原でも虹すべてを撮ることはできなかった。そこで縦撮りではどうだろうと撮ってみたら、これが意外といい。横位置で一部を切り取るようも虹のスケール感が伝わりやすい。このときの虹は、この大きさで途切れることなくぐるりと半円を描いていた。それはなかなかに感動的な光景で、できれば全体写真を撮ってみせたかったけど、せめて一部をお裾分けしよう。昨日だったらもっとよかったのにとも思った。

虹と夕焼け-6

 虹がかかっていたのが東の空で、振り向いて西の空を見たら、こちらはこちらでドラマチックな夕焼けが広がっていた。虹を追いかけてきたら、別のいいものも見させてもらった。
 これはもう夏の夕焼け空じゃない。秋の入り口の空だ。これから秋が深まっていくと、空はますます高く澄んで、焼ける色も鮮やかさを増していく。

虹と夕焼け-7
Super Takumar 50mm f1.4↑↓

 光と色の演出というのは実に偉大なもので、昼間の光の中では冴えないおじさんも、夕焼け空を背景すればドラマの主人公のようになる。スポットライトを浴びるという表現があるけど、あれなどはまさにライトを浴びた普通の人を特別な存在に変えるという意味だ。
 もし、この世界に夕焼け空が存在しなければ、私たちの現実世界は今よりももっと平凡でアンチドラマチックなものとなっていただろう。

虹と夕焼け-8

 最後はドラマチックすぎて嘘くさいような写真になってしまった。でもこれがCanon画質とTakumarレンズの組み合わせの真骨頂。この色はPENTAXとTakumarでも出ない色なのだ。

 私は写真は嘘でいいと思っている。人を上手にだますならそれでいいと。
 写真は偽りのない記録である必要はない。むしろノンフィクション小説に近いものがある。あるいは、都合の悪いことを書かない日記のようなものと言ってもいい。きれいな部分だけ切り取ってみせて、それが自分と他人との幸福につながればそれでいい。必ずしも正直でなくてもいいということだ。
 写真なんてどう撮っても真実になりようがないものだ。ありのままを写しても、それは事実の一部でしかなくて、意図的に排除した要素がある以上、もはや真実のすべてではない。ニュース報道のように。
 人は誰もだまそうと意識しないまま人をだましている。一方で人は無意識のうちにだまされたいと願っているようなところがある。それぞれの思惑が一致したところに偽りでも幸福感が生まれればそれは不幸なことではない。
 私は嘘つきにはなりたくないけど、写真に関してはもっと上手な嘘をつけるようになりたいと思っている。この世界は思っているよりもずっと美しくて素敵なところで、私がつくささやかな嘘写真が現実を超えるようなことはないのだから。
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コメント
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備えを常に♪

こんにちはー☆
昨日の虹は大きくて綺麗でしたね~♪
夕焼け空もとても綺麗でした。
オイラは出勤前にいつもの川原で双眼鏡にて鳥見中(中学校ではありませんw)でした。
今日に限ってカメラを持っておらず携帯で虹と夕焼け空を撮りました@@;
「備えよ常に」はボーイスカウトで習った教訓でしたw

CanonとTakumarでこんな色表現になるのですね
こんな嘘なら沢山見たいしついてもみたいです♪

2007-09-11 11:04 | from mimi | Edit

双眼鏡越しに

★mimiさん

 こんにちは。
 そうそう、転ばぬ先の杖です。
 だろう運転じゃなく、かもしれない運転です。
 人を見たら泥棒と思えです(それは違う)。

 昨日は、大きな虹と夕焼けの天体ショーが見事でした。
 いいもん、見せてもらった。
 常にカメラは持っておくべきですね。事情が許すなら。

 mimiさんはボーイスカウトでしたかー。
 私は昔はああいう集団行動が苦手だったなぁ。(^^;
 子供会とかでもイヤイヤでした。

 鳥見中って中学、どこかにありそうですね。はは。
 双眼鏡で変なものをのぞいて通報されないように気をつけてくださいね(笑)。
 いつかmimiさんが鳥見をしてる河原を見つけて、対岸からその様子を双眼鏡で見てみたい(笑)。
 双眼鏡越しに目が合うって、すごく照れそうです。

2007-09-12 05:48 | from オオタ | Edit

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