
そりゃあ何も失わずに済めばそれに越したことはない。
でも、失ってしまったものはもうあきらめるしかない。
中には二度と手に入らないものもある。
ただ、失うということはどこかで得たということで、マイナスになることはなくゼロになるだけだ。
人は誰もが裸で何も持たずに生まれてきた。
手に入れたものすべてはかりそめのものであり、肉体も借り物のようなものだ。
死ねばすべてを失うことになる。
持ち越せるものや経験や記憶、感情や思考といった形のないものだけだ。
失ったものを嘆いても仕方がない。
手元に残ったものだけで満足するしかない。
限りあるものだからこそ大事にしなければいけないともいえる。