第三の選択肢

言葉(words)
鳥居

 神の国に行きたいかと訊かれて、行きたいです! と即答はできない。
 回答を保留していったん持ち帰って考えたい。
 ただ、悪魔の国に行けばどう考えても落ちこぼれるの明かだから、消去法で神の国を選ぶしかないのが実情だ。
 憂いのない楽園も退屈そうで嫌だ。日がな一日浜辺のハンモックで寝て過ごしたり、お花畑を駆け回ったりは性に合わない。
 もし地上での人間を選べるのであれば、それはもう迷いなく人間を選択する。ここなら退屈しないから何度でも繰り返せる。
 この世界はそんなふうに第三の選択をした連中の吹きだまりなんじゃないか。
 玉石混淆というか烏合の衆というか、雑多な集まり感が強い。
 人間でい続けるためにはあまり良いこともせず悪いこともせず、上手いこと調整しないといけない。
 相撲の番付でいうと幕内の前頭十枚目あたりを行ったり来たりする感じだ。あまり勝ち越さず、大きく負け越さずにやることだ。
 それでもいつかは人間を引退するときが来る。
 そのときまでにはなんとかギリギリ神の国に滑り込めるくらいの位置にいないといけない。
 最初の問いに戻ると、なんとか人間でお願いしますというのが私の回答ということになる。
 
 
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