
実感という絶対性はある。
実感がないとか、実感が沸いてきたという言い回しをするけど、そういう言葉を使いたくなる気持ちは分かる。
生きている実感がないとも言う。
実際の感覚とは何かといえば、それは必ずしも手で触れるものとか肌感覚とは限らない。観念的な部分でも、実感のあるなしはある。
個人的にはイメージが持てないと言ったりもするのだけど、実感というのは確かなイメージと言い換えてもいいかもしれない。それが脳内にあるかないかの違いだからだ。
実感は必要だし求めてもいるけど、なければないで特に困るわけでもない。生きている実感が持てなくても実際には生きている。
人にとっての実感とは何なのだろう。
死んだら死んだ実感が沸くのだろうか。
それは肉体と魂があわさったときにのみ持ち得るものかもしれない。
だとすれば、生きている間に存分に堪能しておいた方がよさそうだ。