
料理を決めてから食材を買うか、食材を買ってから調理方法を考えるか。
言葉を考えてから写真を選ぶか、写真を決めてから言葉を考えるか。
これは人生にも言えることだ。
子供の頃、将来何になりたいの? と訊かれるといつも戸惑った。やりたいことはあるけどなりたいものはないんだけどなと。それは大人になった今も変わっていない。
やりたいことは常にある。それはそのときどきによって変わっていくものだけど、何かになりたいわけではない。
歌手になりたいとか、小説家になりたいなどと言ってるのを聞くと、それなら小説を書けばいいし歌を歌えばいいじゃないかと思う。
それとも、世の中の人たちは肩書きのようなものがどうしても欲しいのだろうか?
私が子供たちに言えることがあるとすれば、自分が好きなことをやるのが一番だよと言いたい。それだけやっていれば、たとえ世間的には成功しなくてもなんとかなるものだ。
何かになろうだなんて考えることはない。結局人は何かになるのだから、それは大して重要ではないのだ。