勝手に紹介 ~既出アーティストの新曲紹介 2022年8月

音楽(music)
空と雲

 勝手に紹介シリーズ。今回は【既出アーティストの新曲紹介】編をお届けします。

 前回が2022年5月だったから、また3ヶ月近く経って新曲もだいぶたまった。

 2022年5月【前編】
 2022年5月【後編】

 今は昔と違って何ヶ月かに一度シングルを出して、何年かに一度アルバムを発表するという製作スタイルではなくなっているので、新曲のタイミングは掴みづらい。音楽番組をまったく見ず、サブスク契約もしていない私としては、YouTubeだけが頼りということになる。
 でもYouTubeがなければそれさえ知れなかったのだから、YouTubeはありがたい存在だ。制作者やアーティスト側もそれは充分に承知していることだろう。

 というわけで、今回もお気に入りアーティストの新曲を紹介します。




 にしな 『青藍遊泳』 2022年6月15日

 いい加減、にしなは令和を代表する天才歌人であるということに世間は気づかないといけない。
 天から与えられた才能というよりも天然の才と言う方がぴったりくる。
 とにかく言葉の選択の感覚が素晴らしく、詩は描写だということをよく知っている。だから、歌詞がとても映像的だ。
 一行目から抜群の冴えを見せる。

”門出の夜に忍び込んで
青いプール金魚を放とう”

 卒業式の日の夜にクラスメイトと一緒に夜の学校に忍び込んでプールに金魚を逃がした、などという回りくどい説明はしない。ぎりぎりまでそぎ落とした言葉で描写することで、その場面を鮮やかに描き出す。
 金魚は赤色と言わなくてもプールの青と金魚の赤がコントラストとなっている。
 この”赤”や”泳ぐ”という言葉がキーワードとなって後の部分に掛かってくる。

”飛び込めば溢れる笑い声
染み込んだ夜の向こう
なんとなく届く気がして
手を伸ばした”

 難しい言葉は使っていないのに非常にセンスを感じさせる言葉選びで、笑い声が”染みこんだ夜”などという表現は常人ではなかなか思いつかない。
 奇をてらわず天然の才から発した言葉なので無理がないし嫌みにならない。
 凡人が詩人を気取ってそれらしい言葉を使っても、そんな言葉では人の心を震わせることはできない。 

”夜空の星屑 盗む事ばかり企んでいる”については、にしな本人に訊かないと意味は分からない。

 この曲が製作されたのは3年ほど前で、ライブ限定で歌っていたものを、今回ニューアルバム『1999』に収録されることになり、正式発表となった。機が熟したということが言えそうだ。

 発表されたばかりの新曲シングル『1999』の歌詞を聞けば、にしなはタダ者ではないことが分かる。
 1998年生まれなので、1999年は1歳だったにしなが今になって思う1999年がテーマになっている。




 幾田りら 『レンズ』 2022年6月14日

 YOASOBIのボーカルikuraの歌唱が一級品であることは多くの人が認めるところだ。
 しかし、シンガーソングライター幾田りらの楽曲については凡庸としか言えないと個人的には思っている。ぷらそにかで同時期に活動していた同世代のにしなと比較すればその差は歴然だ。
 しかし、YOASOBIのボーカル活動の中で得たものや掴んだものがあったのだろう。ここ最近はちょっとよくなってきた。
 前曲の『スパーク』とこの『レンズ』はまだ伸びしろがあることを示した。今後に期待したい。




 空白ごっこ 『ラストストロウ』 2022年2月16日

 TVアニメ『プラチナエンド』(webサイト)2ndシリーズエンディングテーマに採用された曲。
 カップリング曲の『カラス』や、映画『神は見返りを求める』(webサイト)の挿入歌『かみさま』など、タイアップ曲が増えてきたのは売れっ子になってきた証だ。
 ブレイク直前といったところかもしれない。



 Myuk 『Pancake』 2022年6月11日

 個人的にMyukはもっと売れていいし売れるべきだと思っているアーティストのひとりだ。そのためにはもう少し時間がかかるだろうか。




 足立佳奈 feat.Tani Yuuk i『ゆらりふたり』 2022年6月24日

 見た目はアイドル歌手みたいなのだけど、実際は実力派のシンガーソングライターだ。
 ここのところ 『オーマイガール』『Me』『DATE』と、立て続けに新曲を発表している。
 デビュー5周年記念の連続配信リリースということで、もう少し続くようだ。




 MATSURI 『52Hzの鯨』 2022年6月24日

 MATSURIについては以前も少し書いたと思うのだけど、ライブやYouTubeなどで歌ってみたの人からのデビュー組だ。
 発表している曲は少ないながら確かな実力の持ち主なので、今後更に期待できる。




 ヨルシカ 『左右盲』 2022年7月25日

 ヨルシカの世間的な認知度というのがよく分からないのだけど、もはや超メジャーな存在なのだろうか。
 基本的に顔出しはしてないものの、シークレットライブなども行っていて、人気は高い。
 ヨルシカ好きなら『ブレーメン』もおすすめ。




 Aimer 『wavy flow』 2022年6月17日

 Aimerはもはや押しも押されもしない大スターなので、私がここで紹介するような存在ではなくなってしまった。
 去年あたりまではまだ知る人ぞ知るくらいの存在だったのに、『鬼滅の刃』のテーマ曲を担当したり、タイアップが増えたりで、一気に知名度が上がった感がある。
 それ以前から武道館ライブをするくらいのアーティストだったのだけど。




 yama 『くびったけ』 produced by Vaundy 2022年7月29日

 ネット上でしか存在しないような謎のアーティストだったyamaも、最近は表に出てくるようになって、謎感は弱まった。
 ただ、その正体はいまだよく分かっていない。
 この曲ではVaundyと組んで歌っている。今後はそういうことも増えてくるかもしれない。




 日食なつこ 『meridian』 2022年7月3日

 日食さんは当たり外れが大きくて、好きな曲もあるのだけどそうじゃない曲も少なくない。
 この曲はけっこう好きだけど、『必需品』は好きではない。




 ぷにぷに電機×80KIDZ 『Night Session』 2022年6月30日

 ぷにぷに電機はやる気があるんだかないんだかよく分からないアーティストで、そういうすかした感じも魅力のひとつなのだろう。
 別に売れなくてもいいしと思っているようで、でもちゃんとときどきは新曲を発表する。
 かと思うと、アップした曲がいつの間にか削除されていたりする。




 三浦透子 『intersolid』 2022年6月6日

 映画『ドライブ・マイ・カー』(webサイト)の出演で、女優としての株を一気に上げたけど、アーティストとしても引き続き活動していってほしいと願っている。
 とにかく声がいい。独特の世界観も持っていて、他に代わりはきかない。




 OCEANS ex.KureiYuki's with yui 『Summer in COLORZ』 2022年7月27日

 以前も組んで何曲か曲を発表している。
『サヨナラ SAY GOODBYE』は勝手に紹介シリーズで紹介した。
 この曲はその路線に近い。
 yuiは全盛期のときはまったく聴いていなくて、個人的には最近再発見したアーティストという位置づけの存在となっている。




 adieu 『ひかりのはなし』 2022年7月27日

 女優としてしっかりと地位を確立した上白石萌歌だけど、アーティストadieuとしても魅力的だから、このまま続けていってほしい。




 Hakubi 『あいたがい』 2022年7月29日

 Hakubiは以前どこかで紹介したつもりだったのだけど、まだだったかもしれない。
 とりあえずここに入れておいて、機会があればいずれもう一度ちゃんと紹介したい。
 



 『すずめの戸締まり』テーマ曲 2022年7月15日

 今年2022年11月11日に公開予定となっている新海誠監督の新作『すずめの戸締まり』(webサイト)の主題歌。
 主人公のすずめ役の声優はオーディションで原菜乃華に決まった。
 まだ知名度はそれほどでもないと思うけど、原菜乃華は子役から活動しているので18歳ながら芸歴は長い。
 最近でいうと、ドラマ『真犯人フラグ』(webサイト)の相良家の娘役というと、ああ、あの子かと思う人もいるだろう。
 主題歌は誰が担当するのかと発表前から話題になっていたけど、原菜乃華自身が歌うことになったらしい。
 正式にはまだ発表されていないけど、楽曲の担当は今回もRADWIMPSのようだ。主題歌は野田洋次郎ワールド全開なので間違いなさそうだ。
 それにしても初歌唱とは思えないほど原菜乃華の歌は魅力的だ。こういう歌い方のクセは誰かに教わるものではなく天性のものだ。
 オーディションに歌唱があったのかどうかは分からないけど、この鉱脈を掘り当てる新海誠監督はさすがだ。
 原菜乃華はこれを機に女優としても歌手としてもブレイクすること間違いなしと断言できる。


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