
知ることが簡単になった現代、知識は増えたかもしれないけど、人間としての能力は落ちているように思う。
調べる能力とか推測する能力といったものが自覚している以上に退化している。
一昔前までは、何かを知るということは手間と時間がかかることだった。人に教えてもらったり、専門書を読んだり、実際に現地に足を運んだりしてようやく知ることができた。漢字ひとつ調べるにも国語事典や漢和辞典を引かないといけなかった。
ただ、そうやって知ったことはよく身についた。それは一種の経験だからだ。
今は調べても覚えようとしないから知識もその場限りのものになってしまう。漢字が書けなくなったと感じている人も多いはずだ。
今更昔には戻れないし、この先はもっと便利になっていくのだろうけど、だからこそ自力で調べて自分の頭で考えることが必要になってくる。
ネットで調べるだけで終わりにせず、本を読んだり、図書館で資料に当たったり、そこへ行って自分の目で見て、何かを感じるべきだ。
そういう積み重ねを経て知識は教養になる。
アナログに戻ることはないけど、デジタルとアナログを意識的に融合させていくことを考えないといけない。
ネットに訊く前と後にやるべきことがあるということだ。