空き家の梅

言葉(words)
空き家の梅

 今年も空き家の庭に梅の花が咲いた。
 これを見るたび毎年、”あるじなしとて”の菅原道真の歌を思い出す(”春を忘るな”より”春な忘れそ”の方が個人的には好き)。
 花は誰のためでもなく季節になれば咲く。それこそ主など必要ない。
 でも、この梅は毎年、私のために咲いてくれているように勝手に思っている。
 あるいは、この道を通る何人かのために。
 やがてこの空き家も取り壊され、梅の木も伐られてしまうのだろう。
 今年で見納めになるかもしれないと思いつつ、この梅の花を愛でるようになって10年以上になる。
 
 
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