
Myukは熊川みゆであり、熊川みゆはMyukだ。
シンガーソングライターである熊川みゆのソロプロジェクト名がMyukなので、厳密にいうと違うかもしれない。
現在は主にMyuk(ミューク)として曲を発表しているようだ。
名前の”みゆ”だからMyukはあだ名かと思ったら、スウェーデン語の”やさしさ”という意味を持つ”Mjuk”と本名からの造語だそうだ。何故スウェーデン語なのかは分からない。
YouTubeの登録者数が4万人を超えているから、私が思うよりよく知られた存在なのだろう。私はたまたまYouTubeを見回っているときに見つけただけだ。
いくつかタイアップ曲があるので、その流れで知られるようになっただろうか。
wikiにもページがあって略歴を知ることができる。
熊本出身の21歳とまだ若い。生まれが2001年というからちょっと驚く。2000年代生まれがもう20歳を超えているのだ。
ネット上にあるいくつかのインタビュー記事を読むともう少し詳しいことが分かる。
【熊川みゆ インタビュー】“民謡と三味線”で培った力を“ポップソングとギター”に変換─ 躍進中の19歳シンガーソングライター(村尾泰郎)
熊川みゆインタビュー(石角友香)
【インタビュー】熊本が生んだシンガーソングライター、熊川みゆが東京でのライヴを開催(吉田可奈)
民謡をルーツに持つシンガーソングライターというのはちょっと珍しい。現在の歌声からは想像できないのだけど、下地としてはあるのだろう。
上京して注目を集めるようになったのは2019年あたりだっただろうか。
現在のレーベルはソニーミュージックになっていて、配信限定シングルの発表が2021年1月以降なので、メジャーデビューがその頃なのだろう。
小学生の頃から民謡の全国大会に出ていたというから、若いとはいえ音楽キャリアとしてはけっこう長い。
歌声はややハスキーながら高音がきれいなので耳障りがいい。安定感もある。
特徴はあるようでないのだけど、誰かに似ているかといえば思いつかない。
Myukの歌や声は聴けばMyukだと分かる。
要注目の若手アーティストのひとりとして紹介します。
Myuk 『魔法』 2021年1月8日
テレビアニメ『約束のネバーランド』Season 2(web)のエンディングテーマとして採用された。
曲が先にあったのか、タイアップが決まってから作られたのかは分からない。
これがメジャーデビュー曲ということになるだろうか。
熊川みゆ 『あの日夢を』 2018年11月13日
インディーズ時代のファーストシングルがこの曲になる。
YouTubeの紹介欄には”熊本在住現役高校生シンガー”とある。
今聴くとその後のMyukはすでにこのとき完成していることが分かる。
2018年当時、このアーティストに目を付けてその後を追いかけた人がいたとしたら、その人は聴く耳を持っている。
YouTubeの”歌ってみた”からデビューするパターンもあるけど、早くからオリジナル曲で勝負するという姿勢に好感が持てる。
熊川みゆ 『Blue Bird』 2018年12月12日
第二弾。
MVが素人っぽいというか初々しい。
それでもインディーズ時代にちゃんとMVを作ってもらえるくらい期待されていたのだろう。
熊川みゆ 『青空なんて飛びたくなかった』 2019年1月16日
これまで発表している曲は多くないので古い順に紹介していくことにする。
これが第三弾。
インディーズ時代はSoda Recordsというレーベルから発表していたようで、『Phantasm』というアルバムを一枚出している。
今でもAmazonで購入できるようだ。
熊川みゆ 『Ancient story』 2019年2月13日
第四弾。
のちにアルバム『Phantasm』にも収録された。
熊川みゆ 『夜の舞踏会』 2019年3月13日
第五弾。
これも『Phantasm』に収録された。
曲の幅を広げようと試みていたことが分かる。
MVはやや洗練されつつどこか迷走しているようにも感じられる。
熊川みゆ 『New world』 2019年6月5日
高校卒業後に発表されたもので、もう一度自分の原点に帰ったような曲になっている。
それでもまだこのとき18歳。
周りが期待したのも当然だ。
いい曲なのにアルバム未収録となっているのは何か狙いがあったのだろうか。
熊川みゆ 『sixteen』 2020年1月29日
前作から半年以上空いた2020年1月に発表されたのがこの曲だった。
突然、MVがプロっぽくなったと思ったらディレクター名が中山佳香となっているから、プロの監督が作るようになったのだろう。
いかにもMVという作りだけど、MVにはMVの作法のようなものがある(だから岡崎体育の『MUSIC VIDEO』のような曲が作られる)。
熊川みゆ 『A Wonderful Day』 2020年2月26日
公式チャンネルにはないけど一般の人がアップしている。
『Grey Butterfly』はショートバージョンのみ、『鈍色の蝶』はアップされていない。
熊川みゆ 『わたしね、、』 2020年4月8日
シングルでもアルバム収録曲でもなく、MVだけが発表されたようだ。
Myuk 『シオン』 2021年7月22日
Myuk名義としては第二弾となる。
TVアニメ『NIGHT HEAD 2041』(webサイト)のエンディングテーマに採用された。
アニメとの相性がいいのは分かるし、今後もタイアップが増えていきそうだけど、アニメの人になってもらいたくはない。
生歌バージョンもアップされているので聴き比べてみるといい。
意外にもというと変かもしれないけど、ライブハウスやライブ向きのアーティストだと思う。こんなご時世でなければもっとライブシーンで歌っていただろうに。
Myuk 『あふれる』 2021年8月11日
関西テレビ『グータンヌーボ2』エンディングテーマ。
歌声はほとんど変わっていないけど、熊川みゆ時代と比べるとMyukになってぐっと大人っぽくなった。
曲も洗練されて、メジャーっぽくなったという言い方ができるかもしれない。
Myuk 『星に願いを』 2021年11月10日
これまでで一番スローテンポな曲に仕上がっている。
そろそろメジャー第一弾のアルバム発表があるんじゃないかと思うけどどうだろう。今年か来年か。
Myuk 『Snow』 2021年12月8日
去年の12月に発表された最新曲。
あらためて古い順に聴いてみたら3年くらいの間に着実に進歩成長していることが分かった。
若い頃から完成度は高かったけど、それに磨きがかかった。
熊川みゆという名前は決して悪くないものの、Myukの方がキャッチーには違いない(近年こういったアーティスト名が本当に多いけど)。
miletやAimerなどに続ける逸材だと個人的には期待している。
公式サイト
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