勝手に発表 ~新規開拓アーティスト 【Spangle call Lilli line】編

音楽(music)
空と雲

 勝手に発表シリーズの新規開拓アーティスト編の今回は、【Spangle call Lilli line(スパングル・コール・リリ・ライン)】を紹介します。

 Spangle call Lilli line(長いので以下スパングルと略)をわりと最近知ったなどというと古くから知っている人に今更かよと笑われてしまうだろうけど、昔からスパングルを知っている人がどれくらいいるのか想像がつかない。
 wikiのページによると女性ボーカル(大坪加奈)と2ギター(藤枝憲、笹原清明)の3人組バンドで、1998年結成というからキャリアは20年を超えている。メンバーも47歳と46歳だから、すでにベテランの域だ。
 メジャーな存在とはいえない彼らがどうしてこうも長く活動してこられたかというと、メンバーいわく”音楽は趣味”というスタンスだからだ。”副業”という言い方もしている。
 3人はそれぞれデザイナーやカメラマンという職業を持っていて、それと平行して音楽活動を行っている。
 しかし、曲を聴けば単なる趣味というレベルではないということはすぐに分かる。オリジナルアルバムだけで10枚出しているし、ライブ活動などもやっている。
 スパングルの存在がある程度知られるようになったのは、彼らが2019年にYouTubeチャンネルを開設したことによるところが大きいと思う。ここで初めてスパングルを”発見した”という人も少なくないはずだ(登録者数はまだ6千人台だけど)。
 そういう意味でいうと、スパングルは過去のバンドではなくここからじわじわ知名度を上げていくこれからのバンドといえるかもしれない。
 2020年にはベストアルバム『SCLL』を発表し、今年2021年も3rdミニアルバム『Remember』を出している(『SCLL』は全曲聴くことができる)。

 ネットにインタビュー記事がたくさんあるのでURLをいくつか貼っておきます。

 誤解も余白も自由に楽しむSpangle call Lilli line(西澤裕郎)

 【インタビュー】Spangle call Lilli line(HMV&BOOKS online)

 Spangle call Lilli line、音数を削ぎ落としたサウンドに不穏な気配と〈何も起こらない〉感覚宿す新作『ghost is dead』を語る(黒田隆憲)

 Spangle call Lilli line『Dreams Never End』全曲解説インタヴュー(小野田雄)

 Spangle call Lilli lineの美学 20年消費されなかった秘密を探る(金子厚武)




 Spangle call Lilli line 『mio』 2019年1月9日

 スパングルの音楽を人に説明するのは難しい。
 まずジャンルがよく分からない。ポスト・ロックという言葉が使われることもあるけどピンとこないし、ポップスといえばそうだけどJ-POPと呼べるかどうかも微妙だ。誰々みたいと形容もできず、あえて表現するとすれば、ちょっとけだるいようなムーディーなメロディーを特徴とするといったところだろうか。でもそれだけではしっくりこない。
 基本的には初期の頃から大きくは変わっていないものの、各年代の曲を聴くと少しずつ成熟していっていることが感じられる。
 まず何から紹介しようかと考えてこの曲にした。2019年発表の10枚目のアルバム『Dreams Never End』の中の一曲だ。
 このアルバムが現在までのスパングルの最新作であり(オリジナルのフルアルバムとして)、ひとつの到達点といっていいのではないかと思う。
 これを聴いてあまり好みではないなと感じたら、これ以上聴いても駄目かもしれない。この曲に何か感じるものがあれば、更に何曲か聴いてみることをオススメしたい。




 Spangle call Lilli line 『nano』 - TK kaleidoscope Remix 2013年6月12日

 もともと2003年4月9日発表の1stシングル曲で(3rdアルバム『or』に収録)、スパングル初期の代表曲のひとつだった。それをTK(凛として時雨)がBOBOや日向秀和などとともにアレンジしたものだ。
 オリジナルと聴き比べると違いがよく分かる。やはりアレンジって大事だ。




 Spangle Call Lilli Line 『normal star』 2001年3月25日

 1stアルバム『Spangle call Lilli line』の一曲目。
 初期の作品は公式チャンネルにはアップされていないので貴重だ。
 こういうところから出発したんだと思うと、なかなか感慨深い。




 Spangle call Lilli line 『red』 2019年1月9日

 最初の頃はどういうアーティストかまったく知らずに曲だけ聴いていて、初めてこの映像を見たときは、あれ? イメージと違ったなと思った。こんなベテランさんだったんだと。
 いや、それだけ声が若々しいということなのだけど。




 Spangle call Lilli line 『Sea』 2008年11月12日

 6thアルバム『PURPLE』より。
 スパングルはどういう状況で聴くのが一番いいのかよく分からない。
 昼なのか夜なのか朝なのか。部屋の中なのか外なのか車の中なのか。
 しっかり正面から向き合って聴くタイプの音楽ではないし、BGMとして聞き流すのは惜しい。
 歌詞をじっくり味わうというふうでもなく、サウンドに身を委ねるといった聴き方が心地よくていいのかもしれない。




 Spangle call Lilli line 『dreamer』 2010年3月17日

 シングル曲これまで3曲出していて、これは2ndシングルに当たる。
 最初のSplit EP『WS』はYouTubeにはない。




 Spangle call Lilli line 『Rio the other』 2010年4月21日

 2010年発表の7thアルバム『VIEW』より。
 スパングルの曲はだいたい何を歌っているか分からない。というか、歌詞に意識を向けていない。何を歌っているか分からなくても成立するのがスパングルの曲という言い方もできる。
 歌詞を読むとまた違った感想を持つのだろうけど、あえてそれをしたくない気持ちが強い。




 Spangle call Lilli line 『Daydreamer』 2013年6月12日

 2013年発表のベストアルバム『SINCE2』より。




 Spangle call Lilli line 『sugar』 (piano version) 2011年10月5日

 セルフカバー・アルバム『Piano Lesson』より。
 オリジナルは2005年4月20日日発表の4thアルバム『TRACE』に収録。




 Spangle call Lilli line 『escort & landing』 2015年11月11日

 2015年11月11日発表の9thアルバム『ghost is dead』より。
 オリジナルアルバムとしては8thの『forest at the head of a river』から5年ぶりとなった(次の10thまでまた4年空く)。




 Spangle call Lilli line 『ghost in a closet』 2015年11月11日

 スパングルの動画はいくつか音量が妙に大きいものがある。公式の動画なのだから他と音量は合わせてほしい。いちいち上げたり下げたりするのは面倒というか、音量は決めているので曲によって変えたくない。




 Spangle call Lilli line 『tesla』 2015年12月12日

 スパングルのMVでは珍しく映像に歌詞が載せられている。
 最近は歌詞入りの映像をなんでもリリックビデオと呼ぶ傾向が強くなっているけど、もともとは歌詞を中心に映像を構成したものをリリック(ビデオ)といっていたはずだ。
 まあ定義はともかく、歌詞が入ったMVは嫌いじゃない。




 Spangle call Lilli line 『therefore』 2018年11月17日

 YouTubeのページには2018年11月17日発売の7インチ・シングルとあるのだけどwikiのページにはない。公式サイトにもあるから間違いはない。
 7インチシングルということはアナログ・レコードで発売したということだろうか。




 Spangle call Lilli line 『長い愛』 2020年2月5日

 2020年発表のベストアルバム『SCLL』の収録曲なのだけど、過去作ではなく新作ではないかと思う。

 2021年3月3日に発表された3rdミニアルバム『Remember』はYouTubeやAmazon Music Premiumでは今のところ聴くことができない。聴きたければAmazonなどで買えということだね。





 Spangle call Lilli line 公式サイト


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