勝手に発表 ~新規開拓アーティスト 【文藝天国】編

音楽(music)
空と雲

 勝手に発表シリーズの新規開拓アーティスト編の今回は、「文藝天国」を紹介します。

 羊文学以前紹介したことがある。
 文学つながりということで一緒にやろうと思ったのだけど、方向性もあり方もまったく違っていて共通項もなさそうなので、それぞれ別々にした方がいいということで分けることにした。
 そもそも、羊文学と文藝天国とでは知名度が全然違う。YouTubeのチャンネル登録者数だけを比べても、羊文学の5万に対して文藝天国はまだ6千人ちょっとでしかない。所属するレーベルのbungei recordsはたぶんインディーズなので文藝天国はメジャー・デビューさえしていない。
 更にそもそもの話をすると、文藝天国はバンドでさえない。音楽作家のko shinonome(男性)と色彩作家のすみあいか(女性)が音楽付きの映像作品を製作するというところから出発している。
 それが2019年で、当時ふたりはまだ高校生だった。
 ボーカルはそのゲストといった位置づけで、当初は水屋(のちにアヤヒロセに改名)が担当し、その後、ハル(女性)に交代している。
 公式サイトでは”オルタナティブロック”という表現を使っているものの、オルタナティブロック・バンドではないということになる。
 インタビューの中で、ボーカルも含めて作り手側は裏方で作品が主役と語っていて、本人たちは顔出しをしていない。
 この3年足らずの間にミニアルバムを2枚、シングルを3枚出して、YouTubeにも自分たちで製作した映像作品をアップしている。初のワンマンライブを行い、今後注目度がますます上がってくるアーティストだろうから、今のうちに知っておくと数年後にはぎりぎり古参ファンを名乗れそうだ。

 結成の経緯などはネットのインタビュー記事があるので、それを読めばある程度知ることができる。
 wikiにもページが作られている。


 【インタビュー】文藝天国/文から始まり、藝に化けて天国に終わる(倉田航仁郎)

 文藝天国──聴覚と視覚で感じる淡い共鳴(梶野有希)




 文藝天国 『メタンハイドレート』 2021年1月30日

 初めて文藝天国を知ったのはこの曲だったので、最初はカッコイイ系の女性ボーカルのアーティストという認識だった。そんなに文学的ではないなと。
 ただ、ある程度文藝天国のことを知った上で聴くとまた違った思いを抱く。
 これは2021年に発表された2ndミニアルバム『夢の香りのする朝に。』の中の一曲なので、ボーカルはハルになっている。
 何も知らないまま初期の頃の作品を聴くと、最初の頃はずいぶん違っていたんだなと思うけど、それはそうで、2019年から2020年までは水屋がボーカルを担当していた。
 水屋の方がむしろ文藝天国っぽい感じもするけど、一般受けするのはハルの方だと思う。水屋時代の曲は少し弱い。
 もしかするとまたボーカルは交代するのかもしれないから、それはそれで楽しみではある。




 文藝天国 『プールサイドに花束を。』 2019年6月16日

 1stミニアルバム『プールサイドに花束を。』の表題作。
 上の『メタンハイドレート』と比べるとボーカルの違いで受ける印象がだいぶ違う。
 2020年はボーカルの交代があった年で、メンバーも忙しかったのか、作品の発表はない。
 そのため、水屋時代の文藝天国を聴けるのはミニアルバム『プールサイドに花束を。』だけということになる。こちらの方が好きという人もいるだろう。




 文藝天国 『アイスクリイムは溶けるから。』 2019年6月16日

『プールサイドに花束を。』の中から唯一製作されたMVがこの曲。
 すみあいかはこのとき初めて動画を撮ったとのことで、言われてみると多少素人っぽさがある。でも、MVとしてちゃんと成立していて、映像学校の生徒が卒業記念で製作した動画といったレベルではない。
『プールサイドに花束を。』に収録された『尖ったナイフとテレキャスター』『seifuku』『水槽少女』も映像はないもののYouTubeにアップされているので聴くことができる。




 文藝天国 『シュノーケル』 2021年7月7日

 2ndシングルのこの『シュノーケル』が今のところ文藝天国の代表作といえるだろうか。
 楽曲も映像もこなれたというか、すっかりプロのものになった。
 しばらくこの路線でいってほしいというのが個人的な希望だ。




 文藝天国 『エア・ブラスト』 2021年5月7日

 1stシングル。
 いい曲だし、MVを作ってほしい。
 MVのあるとなしとでは再生回数が全然違ってくる。
 MVを作るには手間と時間だけでなくお金もかかるだろうけど。




 文藝天国 『マリアージュ』 2021年7月17日

 3rdシングル。
 今年2021年の7月に発表された最新作で、”第9回全国高等学校ダンス部選手権プロモーション”のタイアップ曲となった。




 文藝天国 『宿命論とチューリップ』 

 2ndミニアルバム『夢の香りのする朝に。』より。
『生活をとめて』『天使入門』『おいしい涙』『夢の香りのする朝に。』もアップされている。
 これまで発表された文藝天国の曲はすべてYouTubeで聴くことができるということだ。
 CDで聴きたい場合は、公式サイトで2ndミニアルバム『夢の香りのする朝に。』(2,480円)は買うことができる。Amazonでは扱っていないし、レンタル店には置いてないと思う。
 1stミニアルバム『プールサイドに花束を。』を入手するのはかなり難しそうだ。先見の明があって手に入れていた人はすごい。



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