
勝手に発表の新規開拓アーティスト編もだいぶ回数を重ねてきたのだけど、まだまだ紹介したいアーティストがいるのでこの調子で続けていきたい。
今回は4人(組)のアーティストを紹介します。
まず最初はthe peggies(ザ・ペギーズ)から。
the peggies 『花火』
私が最初にthe peggiesを知ったのがこの曲で、コレサワとかにしなのような女性シンガーソングライターを想像したら全然違っていた(声質が少し似ているというのもあったのだろう)。
実際は3人組のガールズバンドで、それはけっこう意外に感じられた。他の曲を聴くとなるほどと納得できるから、この『花火』が異質な曲という言い方ができるかもしれない。
この曲に関しては、最初はなかなかいいなと思って、その後そうでもないなと思ってしばらく聴かなくて、少し間を置いて聴き直したらやっぱりいいなと戻ってきた感じた。
the peggiesの代表曲として『花火』を挙げる人はあまりいないかもしれないけど、私はこれが一番好きだ。
the peggies『足跡』
the peggiesらしい一曲となるとこれだろうか。
TVアニメ『僕のヒーローアカデミア』(Web)第5期エンディングテーマ曲で、これでthe peggiesを知ったという人も多そうだ。
YouTubeの再生回数も180万回を超えているから、私が思うよりもthe peggiesはメジャーなのだろう。
それにしても『僕のヒーローアカデミア』の音楽担当者は有能で(アニメは観ていないけど)、エンディング曲は名曲揃いだ。
the peggiesのメンバーや経歴についてはwikiにページがあるのでそれを読んでもらった方が早い。
日本女子大附属中学の同級生3人で組んだのがきっかけで、高校生の頃からライブハウスで活動し、メジャーデビューは2017年。
それだけ聞くとトントン拍子で成功したように思えるけど、実際はそうでもなかったようだ。
そのあたりを知ることができるインタビュー記事ががあるので、興味がある方は読んでみてください。
the peggiesは明るい、楽しいだけじゃない。大人の階段を上るまで(インタビュー・金子厚武)
『アネモネ』や『センチメートル』もおすすめ。
公式サイト
上野優華 『あなたの彼女じゃないんだね』
※規制がかかっているためYouTubeのページでご覧ください。
上野優華? 知らないなぁというのが最初の感想で、今もそれはあまり変わっていない。
wikiのページも略歴や出演作の情報くらいしか載っていないので詳しいことはよく分からない。
1998年生まれの23歳で、2012年(14歳?)にKING RECORDS Presents Dream Vocal Auditionでグランプリを獲って翌年、映画『トイレの花子さん 新劇場版』の主演と主題歌でデビューしたというシンデレラ・ガールらしい。
ただ、その後出したシングルやアルバムは20位代から90位代で、ヒットしたとは言いがたい。
テレビや映画にも脇役クラスで出演しているようだけど、個人的には印象に残っていない。
それでも声には魅力があって、いい曲を提供してもらっている。
この『あなたの彼女じゃないんだね』は、wacciの橋口洋平が作詞・作曲した曲だし、次に紹介する『好きな人』は奥華子の作詞・作曲だ。
声がいい、歌が上手いというだけではない魅力を感じてライターたちは楽曲提供をしているんじゃないかと思う。
私は基本的に自分で作詞作曲した歌を自分で歌うシンガーソングライターが好きなのだけど、作者と歌い手の組み合わせの妙で生まれる名曲も確かにある。
上野優華 『好きな人』
YouTubeのページでお聴きください。
歌唱の表現力というのはたぶん、生まれ持ったもので、1を100にできたとしても、0を1にはできないものなんじゃないかと思う。
教えて教えられるものではないし、学んで学べるものでもない。
歌が上手い人は世の中にはたくさんいる。でも、プロとしてお金を取れる人は一握りで、そのプロの中でも特別な歌手はほんの一部でしかない。
そういう意味でいうと、上野優華は”持っている”人のひとりだと私は思っている。
1/fゆらぎという言葉が一時期よく言われたけど、科学が今より進めばその成分というのは詳しく解明されるのかもしれない。
『愛しい人、赤い糸』もおすすめです。
公式サイト
日食なつこ 『white frost』
岩手県花巻市出身で1991年生まれの30歳。
高校生の頃からライブハウスで活動を始め、インディーズレーベルのLD&K Recordsに所属したのが2012年からで、今も所属は変わっていないようだからいまだメジャーデビューしていないということなのだろうか。
ライブ活動はわりと積極的に行っているようだけど、メディアへの登場は少なく、一般的にはあまり知られていないのではないかと思う。
でも、歌を聴けばその実力に疑いの余地はない。
YouTubeのチャンネル登録者数は4万を超えているからそんなにマイナーではないのだろうけど、もっと知られていいアーティストだ。
日食なつこという芸名はちょっとどうなんだろうと思うけど、本人には強いこだわりがあるのだろう。
日食なつこ 『vapor』
映画『テロルンとルンルン』(Web)の主題歌で、MVの映像はその一部が使われている。
日食なつこの来歴はwikiのページでもある程度知ることができるのだけど、下のインタビュー記事はその人となりや考え方を知ることができる貴重なものとなっている。
インタビュー 音楽のすゝめ(麦倉正樹)
日食なつこを知るためには『音楽のすゝめ』は聴いておくべき。
公式サイト
ヒグチアイ 『どうかそのまま』
個人的に赤裸々系というのかぶっちゃけ系の曲は苦手なのだけど(露悪的にも思えたりして)、この曲はぎりぎりのところで踏みとどまって作品として昇華しているので好きの範疇にとどまる。
ヒグチアイの本名はベストアルバムのタイトルにもなった樋口愛。そのままといえばそのままだ。
1989年、香川県生まれの31歳。
wikiのページによるとメジャーデビューは2016年で、事務所はビクターミュージックアーツ、レーベルはポニーキャニオンというから、大手の所属だ。
ヒグチアイ 『まっすぐ』
ヒグチアイの曲の中には非常な危うさがあって聴く者の心がザワザワするのだけど、一方でとても前向きで明るい曲もある。
明と暗、陽と陰、躁と鬱といった両極の振り幅が大きいのもヒグチアイの曲の特徴だ。ここまで振り幅が極端なアーティストはあまりいない。
インタビュー記事「ヒグチアイ、親と子の関係の中で芽生えた思い 幸せのために必要な心地よい距離感」(黒田隆憲)や「ヒグチアイが『樋口愛』を語る:6年間のキャリアと未来が収められたベスト盤をリリース」(鈴木淳史)などを読むと、本人は曲の印象ほど暗い人ではないことが分かる。
ただ、歌詞からはつらい経験も多くしていそうで、そういったことを乗り越えての前向きがあるんだろうなと想像する。
人生は暗い面だけではないし明るい面だけでもないことを知っている人の曲だ。
ヒグチアイの曲を聴くことは、ときに息苦しくもあり、解放されもする。
『東京にて』も好きなのだけど、いずれ東京ソング特集のときに少し語りたいと思っている。
公式サイト
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