
絶望の成分の大部分は不安でできている。
不安が人を殺す。
芥川龍之介は、遺書の中で自殺する理由を”将来に対する唯ぼんやりした不安”と書いたけど、それこそが絶望の本質を表している。
今この瞬間に追い詰められているとき、人は絶望などしない。生存本能の方が勝るからだ。
不安の要因を取り除けば絶望は去るかといえば必ずしもそうではない。不安は常につきまとい、ときどき襲いかかってくる。
絶望感との戦いに勝ち目はない。
私たちは寿命が尽きる日まで引き分けを狙うしかない。
不安から逃れるすべも残念ながらない。
写真を撮りながら名古屋と近郊を巡ります