サンシャインで過ごした七夕らしい一日に思う平和と奇跡 - 現身日和 【うつせみびより】

サンシャインで過ごした七夕らしい一日に思う平和と奇跡

サンシャイン60-1

PENTAX istDS+smc PENTAX-DA 18-55mm(f3.5-5.6 AL), f4.0 1/20s(絞り優先)



 七夕の夕方、池袋サンシャインは大勢の人で賑わっていた。外は涼しかったのに、熱気が伝わって中は汗が出るほど暑かった。
 こんな日だからプラネタリウムでも見に行こうと最初に言い出したのは私だった。私たちはワールドインポートマート屋上にある「サンシャインスターライトドーム満天」へと向かった。その途中、サンシャインシティアルパ地下1階の噴水広場を通りかかると、浴衣を着たお姉さんが短冊を配っていた。大きな七夕飾り(15メートル)が2本立てられていて、みんな短冊にそれぞれの願い事を書いて結んでいる。七夕の行事など、幼稚園児のとき以来した記憶がない。短冊を受け取ってみると、プラネタリウムの2割引券がくっついていた。800円が640円になる。もともとプラネタリウムへ行くつもりだった我々としては、道ばたを歩いていたらお姉さんが160円を手渡してくれたようなものだ。そんなことはめったにあるもんじゃない。ありがたい話だ。
 願い事というか目標を書いた短冊をくくって、ぼちぼち私たちはスターライトドームへ行くことにした。このときはまだ、満員御礼で入れないなんて思ってもみない二人であった。
 噴水広場ではこの日、キンモクセイのミニライブが行われたようだ。

サンシャイン60-2

 プラネタリウム「スターライトドーム満天」では、毎日3本の番組が1時間交代で行われている。私たちがチケット売り場に着いたのが夕方の5時前。6時から始まるメインのプログラム「満天の星に願いを」を見るつもりだった。入口で何分前くらに並べば座れますかと訊ねたところ、もうチケットは持ってますよねと聞き返された。いえまだですけどと言うと、もう満席ですよという答えが返ってきた。ええー、うそーん。プラネタリウムってそんなに人気爆発だったの? 驚く我々とあきれる係の人。おまえたちこんな時間におっとりやってきてチケットが残ってるはずないじゃないかとでも言いたげな感じだった。見通しが甘かった。確かに公式サイトには休日は1~2時間前に並ばないといけないようなことは書いてあったけど、本気にはしてなかった。まさか300近い座席のプラネタリウムが満席になるなんてないよねと。けど、この日は七夕だ。こんなときくらいプラネタリウムでも行こうかと考えた人間がたくさんいても不思議ではない。288席のチケットは何時の段階で売り切れたのだろう。
 気を取り直して、どこか座れるプログラムはないかチケット売り場で訊ねてみると、5時から始まる「Astronaut 宇宙飛行士になる!」なら見られるという。すでに開始4分前。迷ってる時間はなかった。それでお願いしますと急いでチケットを買って会場に入っていった。宇宙飛行士になるつもりは全然ないんだけどなと思いつつ。
 やはりこっちのプログラムは人気薄らしく、開始直前でも客の入りは3分の2程度だった。その次の7時から始まる「天の川幻想」というのもすでに売り切れだったのに。「宇宙飛行士になる!」はファミリー向けという設定で、「天の川幻想」は一日の最後に一度だけ行われるプログラムで、こちらはアロマの香りなどが出たりして1,200円と特別料金になっている。
 結果的に「宇宙飛行士になる!」は、もうひとつの内容だった。前半は一般的な星空の解説でいわゆるプラネタリウムのプログラムなのだけど、後半は外国で制作された宇宙飛行士になるのがいかに大変で危険かという内容なのでさっぱり楽しめない。こっちとしては最初から宇宙飛行士など目指してないから。
 とはいえ、子供時代以来のプラネタリウムは、映写機も映像も大きく進歩していたり、ナレーションが椎名へきるだったりして(メインプログラムは三石琴乃)、へーと感じるところがいろいろあった。星座にまつわる物語自体は昔も今も変わってないけど、見せ方や楽しませ方に関してはけっこう変わってきているようだ。夜空に見える星が少なくなったこの時代だからこそ、プラネタリウムは動物園のような役割を担っていかなければいけないのだろう。多くのプラネタリウムが閉鎖されていっている今だけど、東京ではまだ満席になるのだということを知ったことが一番の収穫だったかもしれない。

サンシャイン60-3

 時間なくて入れなかった、ナムコ・ナンジャタウン。「驚きと不思議が詰まった夢の都市型テーマパーク」というのだけど、それだけではどんな内容のところなのかはイメージできない。全国各地のギョーザを集めた「池袋餃子スタジアム」というのをテレビで見て、これだけはちょっと食べたみたいと思っていた。その他、昭和30年代の日本の町並みを再現したコーナーなどもあるというから、またいつか行ってみたい。入園料は300円。

サンシャイン-4

 サンシャインといえばなんといってもサンシャイン60だ。かつて長らく日本一の超高層ビルであり、東京のシンボルの一つだった。
 サンシャインシティというと、サンシャイン60の他、いくつかのビルが集まった複合施設のことを指す。事情が分からないとちょっと混乱してしまう。サンシャイン60のビルとサンシャインプリンスホテル、ワールドインポートマート(プラネタリウム、国際水族館、ナンジャタウンなど)、専門店街アルパと4つのブロックに分かれつつ、地下や1階などでフロアがつながっている。でも分かりづらい。
 サンシャインができたのが昭和53年(1978年)のことだから、もうすぐ30年になる。江戸時代までここは人も住まないような土地で、戦前戦後は巣鴨プリズン(のちの東京拘置所)があった。できたばかりのサンシャイン60は、東京タワーと並ぶほどの東京名所で大勢の人が押し寄せた。あれから30年、サンシャイン60は良くも悪くも昭和が色濃い。展望台は特にあか抜けなさが時代を感じさせた。
 展望台料金は今となっては良心的とも思える620円。六本木ヒルズなど1,500円も取る。それでも我々は情け容赦なくJAFの会員2割引を駆使して500円で入場した。土曜日の夕方6時前、七夕の夜といっても入場者は写真の程度。安くて高い穴場高所スポットだ。同じくらい高さで無料の新宿東京都庁もあるけど、あちらとは場所が違うから景色も違ってくる。

サンシャイン-5

 展望台としての洗練度は低いものの、360度ぐるりと見渡せて窓の数も必要充分にある。一部は展望スペースとしてのぼることもできるので、写真を撮るにもまずまず向いている。ガラス面はバックの光がどうしても写り込んでしまうけど、それはしょうがない。
 上の写真はスローシャッターで動いている人を撮ったので、一部が亡霊のようになってしまっている。もう少し速いシャッタースピードで撮れれば、これも狙いとして面白い写真になるのだけど。

サンシャイン-6

 この日は残念ながら夕焼けを見ることはできなかった。ただ、梅雨まっただ中の七夕の日ということを考えると、雨が降らなかっただけでも上出来だ。雲の間から少しだけ薄い青空も見えていた。
 写真は池袋駅方面だったはず。サンシャインは池袋の駅から離れていて少し歩く。
 空が暮れ始めると、街明かりが徐々に増えていく。一日は昼の部から夜の部へバトンタッチされ、人々の暮らしの終わりと始まりが交差する。

サンシャイン-7

 屋上のスカイデッキは、土日と祝日のみ出ることができる。雨風が強いときは出られないようだけど、無料なのが嬉しい。柵でがっちり囲われているとはいえ、地上250メートルもの場所で屋外に出られるという体験はなかなか貴重だ。ガラス越しとガラスなしでは精神的に全然違う。怖いのは間違いなく怖い。
 さすがに七夕の夜ということもあってカップル率高し。ほぼ100パーセントに近い。ここへ男子ひとりで夜景写真を撮りにいくのはきつい。男でいっぱいの深夜の吉野家へ女性がひとりで突入するのと同じくらい難しいかもしれない。そもそも喜んで夜景写真を撮ってるのも私たちくらいだった。みんな夜景ムードにしっとり浸っていた。

サンシャイン-8

 スカイデッキは360度見渡せるわけではなく、見られる方向が限られている。ただ、東京タワーや新宿方面など、一番見応えのある方角に視界が開けているので問題ない。写真を撮るには柵が邪魔でなかなか思い通りにはならないのだけど。三脚も持ち込み可なのか不可なのか。警備員が2人、常駐している。これだけ高層階だから、ふざけ半分でも柵を乗り越えたりしたら危険だから目を光らせているのだろう。

サンシャイン-9

 視力が悪い人間見る夜景はこんなふうに映る。これぞ宝石を散りばめたようというやつだ。高い場所から見下ろす東京の街は、様々な色の光に満ちた平和な世界そのものに見えた。もちろんそんなはずがないことは分かっている。それでも七夕の夜、夜風に吹かれながら夜景を眺めるたくさんのカップルの姿は、平和な世界でしか実現しないものだ。たとえそれがもろいガラスの平和だったとしても、今このとき、ここに生きていることを喜びとしたい。
 七夕の夜に特別な願い事などしなくてもいい。今日が一年に一度の七夕ということを思い出して、自分のまわりにいる大切な人に対して少しだけ優しい気持ちになって、心の中でありがとうと言えればそれでいい。
 夜空を仰ぎ見て、見えない星に目をこらして、遠い星々のことを思い出す。無数の星の中、奇跡の星地球に生まれ合わせたこと以上に何を願うというのか。
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コメント
非公開コメント

>多くのプラネタリウムが閉鎖されていっている今だけど、東京ではまだ満席になるのだということを知ったことが一番の収穫だったかもしれない

たしかにそうかもしれませんね

>戦前戦後は巣鴨プリズン

そうなんですよね・・・いろいろ歴史がある場所ですね・・・・

2007-07-10 20:04 | from ただとき | Edit

物好きの多い東京

★ただときさん

 こんにちは。
 プラネタリウムは、大人は行かないですもんねぇ。
 デートでも行く人は少ないだろうなぁ。
 一人で行くところでもないし。(^^;
 でも、東京ではそれが満員になるというんだから、やっぱり東京は人が多いですね。
 物好きが多いというのもありそうです(笑)。

2007-07-11 06:38 | from オオタ | Edit

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