勝手に発表 ~新規開拓アーティストその4

音楽(music)
夕空と飛行機

 勝手に発表シリーズ、今回は「新規開拓アーティストその4」をお送りします。

 これまでの勝手に発表シリーズは「音楽カテゴリー」にまとめてあります(過去ログに飛ぶときは”次”をクリックしてください)。

 自分にとっての新規アーティストを開拓していくことは楽しいことではあるのだけど、新規に開拓したアーティストほど早く冷めてしまうというのはある。ファッションの流行は最先端から廃るというけど、そういったことが音楽でも同じように起きる。
 新しく知った曲やアーティストが定番として残ることは稀だ。自分の中の流行りが去ってしまうと聴かなくなる曲が多い。
 とはいえ、私の新規開拓はもうしばらく続く。
 行きつ戻りつしつつ、そのときどきで好きな曲を聴くことが幸せに違いない。




 Cö shu Nie 『give it back』

 Cö shu Nieは”コシュニエ”と読ませている。フランス語かドイツ語かという感じだけど、実際は造語で意味はないらしい。響きはいい。
 ボーカルの中村未来とベースの松本駿介が2011年に結成したバンドで、2018年にメジャーデビュー。現在はドラムスの藤田亮介を加えた3人組になっている。
『give it back』はアニメ『呪術廻戦』(Web)のエンディング曲なのでアニメを観た人なら聴き覚えがあると思う。
『inertia』『絶体絶命 , 黒い砂』THE FIRST TAKEに出演している。




 sajou no hana 『グレイ』

 最近、読めないアーティスト名が増えたなと思う。年のせいだけとは言えない。
 sajou no hanaは”さじょうのはな”で知ってみればなるほど、その通りしか読めない。
 2018年結成の3人組バンドなのだけど、アニソンクリエーターとして名が通っている渡辺翔がシンガーソングライターのキタニタツヤとボーカリストのsanaを迎えた格好で、クリエーターバンドと称している。
 渡辺翔はアニソンだけでなく多くのアーティストにも楽曲を提供しているから、必ずどこかで耳にしているはずだ。
 キタニタツヤは”こんにちは谷田さん”の名前でボカロPとしても活動してた。
『グレイ』はアニメ『モブサイコ100Ⅱ』(Web)のエンディング曲で、オープニング曲の『メモセピア』もsajou no hanaが担当した。




 GLIM SPANKY 『美しい棘』

 2017年発表の曲だから、少し古い。以前どこかで聴いたことがあると思ったら、ドラマ『警視庁・捜査一課長 season2』の主題歌だった。ああそうだったと思い出した。GLIM SPANKYのふたりはドラマにちょい役で出演してなかっただろうか。
 ボーカルの松尾レミとギターの亀本寛貴の2人組で2007年結成、2014年メジャーデビューだから、ベテランとはいわないけど中堅くらいだ。
 この歌声と曲調が上手くはまるといい曲になる。




 遥海 『記憶の海』

 フィリピン生まれ(父が日本人で母がフィリピン人)で、13歳から日本で生活している。日本語、英語に加えてフィリピンのタガログ語も話せるトリリンガル・シンガー。
 以前は本名の草ケ谷遥海で活動しており、路上ライブなどの映像がYouTubeにも何本かアップされている。
『FLY』『Pride』もおすすめ。
 若き実力派シンガーとして今後伸びていくんじゃないだろうか。




 クアイフ 『桜通り』

 優しいメロディーと耳障りのいい歌声に身を任せて何気なく聴き始めたら、歌詞の内容にドキッとした。
 これは簡単に聴き流していい曲ではない。
 切ないというより死ぬのが怖くなる。
 これを聴いて自殺を思いとどまった人もいるんじゃないかと思う。
 残された方も強い痛みを伴うということを再認識する。

 クアイフについてはまったく知らないと思っていたのだけど、名古屋グランパスの応援歌を担当するアーティストと知って、ああ、そういえばそんなことがあったなと思い出した。
 岡崎市出身でベース担当の内田旭彦は名古屋グランパスユース出身で、日本代表の吉田麻也と同期に当たるそうだ。なかなか異色の経歴と言える。
 名古屋出身でドラムス担当の三輪幸宏と内田旭彦が組み、後に岡崎出身のシンガーソングライター森彩乃をボーカルに迎えて結成された。
 もともとQaijffという表記で、メジャーデビュー後にクアイフに変更し、三輪幸宏の無期限活動停止(病気かな)を受けて、またQaijffに戻した(2021年4月16日)。
 今後は森彩乃と内田旭彦のふたりで活動を続けるようだ。

『桜通り』はとても文学的な作品だけど、すべてがこういう曲調ではなくて、ポップス色が強かったり、ロック調が多いので、『桜通り』が異質な曲だ。
(MVのロケは名古屋駅に近い桜通で行われている)
 個人的にはこういう曲をもっと聴いてみたい。




 Relu feat. 香雨 『僕の命を半分あげよう』

 Relu(れる)はボカロPであり、歌い手でもある。
 これはReluが作った曲を歌い手の香雨が歌った曲という理解でいいと思う(ちょっと自信がない)。
 香雨については情報がなくてよく分からなかった。




 edda 『魔法』

 曲を作り、歌を歌い、イラストも描くedda(エッダ)。
 肩書きとしてはシンガーソングライターになるようだ。
 2017年活動開始で、2018年にはメジャーデビューしている。発表している曲数はそれほど多くない。
 2021年2月には新曲の『CIRCUS』を発表しているから活動は続いている(EPとしては2ndに当たる)。
 情報が少なくてよく分からないアーティストという感じもするのだけど、安藤裕子 「のうぜんかつら(リプライズ)」のカバーなどをアップしているから、素性を隠した謎アーティストではない。




 inblooom times feat. 山形りお 『忘れられない青』

 inblooom times feat.は楽曲制作やプロデュースを担当する3人組(ギター・ベース・ドラムス)で、曲ごとにボーカリストを迎えて曲を発表することになった第一弾がこの曲だ。
 発表されたのが2019年で、当時の山形りおは19歳のシンガーソングライターだった。
 同じ顔ぶれで『月とシャンプー』も作られた。




 Awesome City Club 『勿忘』

『勿忘』(わすれな)は、映画『花束みたいな恋をした』(菅田将暉 × 有村架純/ Web)のインスパイアソングとして発表された。映画が結構話題になったので曲を知っている人も多いと思う。
 しかし、映画の中ではまったく流れないので映画を観た人は驚いただろう。

 Awesome City Club(オーサムシティクラブ)は紆余曲折を経たバンドで、古参のファンにとっては今の状況は心中ちょっと複雑のようだ。
 もともと主宰でベース兼シンセサイザー担当のマツザカタクミがatagi(現・男性ボーカル)を誘ってバンドの構想が生まれ、ドラムスのユキエとベースのモリシーを加えてバンドの基礎ができた。
 その後ボーカルを探すもなかなか見つからず、とりあえずatagiが歌ったらなかなかいいということになってそのままボーカルとなる。
 PORIN(現・女性ボーカル)は当初、サポートメンバーとして参加だったのが、後に正規メンバーとなり5人組になった。
 これが2014年のことで、ここから本格的にAwesome City Clubとしての活動が始まる。古くからのファンはAwesome City Clubといえばこの5人組のことを思い浮かべるだろう。
 途中でバンドのメンバーが入れ替わるというのはよくある話ではあるのだけど、Awesome City Clubの場合は主宰(リーダー)のマツザカタクミがバンドを脱退してしまった。
 それが2019年のことで、翌年2020年にはドラムスのユキエまで抜けてしまう。
 男女ツインボーカルにギターというちょっと変わった編成になっているのは、こういう経緯を経てのことだ。
 しかし、皮肉なことに3人組になったことでAwesome City Clubは良い方向に向かうことになる。
 たとえば『今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる』や『Don’t Think, Feel』、『アウトサイダー』などを見ると、バンドとしてのキャラが定まっていないというか、どこへ向かっているのかよく分からない感じもある。
 City Clubというネーミングからして、オシャレな都会派バンドを目指していたのだろうか。
 ギター、ベース、ドラムス、ボーカルという構成は定番ではあるけど、MVを見る限りバンドサウンドにツインボーカルが埋もれ気味で活かされきっていないような気がする。
 メンバー的には5人の方が賑やかで楽しかったとしても、見ている側としてはまとまりがないようにも見える。
 ヒット曲となった『勿忘』はとてもいい曲だけど、これが5人組の時代だったら今ほど売れなかったかもしれない。
 3人になったことで核だけ残ってバンドの指向性が明確になったように思う。
 最近発表された『tamayura』『僕らはこの街と生きていく』を聴く(見る)と、この3人でやっていくんだという彼らの覚悟が定まったように感じられる。これ以上はひとりも欠かせないし、増やさない方がいい。
 Awesome City Clubは今後、もっと売れるはずだ。
 ネタとしては歌が上手すぎる斎藤さんの『勿忘』は必見(必聴)。
 THE FIRST TAKEの『勿忘』ではモリシーのギターソロがMVよりもさらにうなりを上げる。
 
 
 ”その5”に続く。
 
 
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