海に暮らす多様な生き物のことを教えてくれた名古屋港水族館に感謝

施設/公園(Park)
名古屋港水族館の魚たち-1

PENTAX istDS+Super Takumar 50mm(f1.4), f1.4, 1/40s(絞り優先)



 いい顔してるなぁ、クエ。じろりとにらんだ目が執筆中を邪魔された松本清張みたいだ。先生、調子はいかがでしょうか、と話しかけたくなる。あ? まあまあだ、なんて返事が返ってきそう。
 ゆら~っとゆったり泳ぎながら目だけキョロキョロさせて辺りをうかがうクエさん。魚なのになんとも表情が豊かで、見ていると笑えてくる。クエとしては特に深い考えで泳いでいるわけではないのだろうけど。
 西日本から東シナ海あたりのさほど深くない海底でのんきに暮らしている。群れは作らず単独で、昼間は岩陰などでぼぉーっとして過ごし、夜になると獲物を求めて巣の近場をうろつく。そして、寝ている魚やイカなんかを大きな口で丸飲みにして食べる。
 大きいものは1メートル以上になるそうだ。高級魚で市場ではほとんど出回らないため、釣り人の憧れの的ともなっているらしい。食べるとフグより美味しいんだとか。一度くらいは食べてみたい気もするけど、その前にフグを食べたことがないので(食べて死ぬような可能性のあるものは食べたくない)、私にはフグより美味しいかどうかの判断はできない。

名古屋港水族館の魚たち-2

 海のギャング・ウツボが水中から空に向かって吠えるようにじっと動かない。見るからに悪そうだ。凶暴さが顔に出ている。けど、目はつぶらでちょっとかわいい。鳥なんかの目の位置からするとずいぶん前のほうの中途半端な位置にある。ここの方が海では都合がいいんだろうか。
 ウワサに違わず性格は凶暴で、鋭い歯で人間の指くらいは簡単に食いちぎる。捕らえた獲物は決して離さない。こちらから向かっていかなければ襲ってくることはほとんどないだろうけど、濱口まさるさんは海でよく捕まえて食べている。あれは危険すぎる。よい子はマネしてはないけない。食べてみるとけっこう美味しいらしいのだけど。
 日本の南側から台湾にかけての暖かい海に彼らはいる。昼間は岩場などに潜んでいて、夜になると獲物を求めてうろつき回る。タコが好物らしい。

名古屋港水族館の魚たち-3

 ヒラヒラの派手な衣装を身にまとったハナミノカサゴ。よく似たミノカサゴとの違いは、ハナの方が顔などのトゲトゲが多いところだ。縞模様もこちらの方が派手で、やや大型になる。
 このヒラヒラは飾りなどではなく、毒を持っているというアピールだ。毒性が強くて刺されるとけっこう危険だそうだ。美しいものには棘があるというのはハナミノカサゴにも言える。
 こいつも夜行性で、昼はぼんやり休んで過ごす。昼間に狩りをするには衣装が派手すぎるかもしれない。夜みんなが寝静まっているところを襲って飲み込んでしまう。
 生息域は日本の南からインド洋、太平洋にかけて。

名古屋港水族館の魚たち-4

 これまたでっかくてゆったりと泳ぐ魚だ。ナポレオンフィッシュ。ナポレオンは小男だったのになんでこんな大きな魚がナポレオンフィッシュなんだろうと思ったら、頭の形がナポレオンがかぶっていた帽子に似ているからなんだそうだ。日本名は、メガネモチノウオという。これは、目の後ろの黒い線がメガネをかけているように見えるところからきている。この個体は、その線がちょっと薄かった。
 日本の南からインド洋、太平洋にかけて広く分布するベラの仲間で、最大2メートルにもなる。泳ぎはゆったりだから性格もどっしり構えていると思いきや、意外と縄張り意識が強くて心が狭い。仲間が入り込んでくると怒って追い出したりする。肉食で、小魚や甲殻類などを食べる。こちらは昼行性で、夜は岩陰などでお休みする。

名古屋港水族館の魚たち-5

 エイはサメの仲間だ。白と黒のカラーリングを見ると、なるほどサメと一緒だと思う。軟骨魚類と呼ばれる種類に属する。
 白いおなか側の二つの穴は目ではなく鼻の穴だ。匂いに敏感らしい。口の下にある左右に並んだ穴はエラだ。目は背中側の横の方についている。
 特徴的なのが泳ぐためのヒレと長くて細い尾っぽだ。サメと違って基本的に性格はおとなしいのだけど、アカエイのように稀に背ビレに毒を持っているものがいる。オーストラリアの動物博士スティーブ・アーウィンは、2006年にアカエイに胸を刺されて命を落とした。電気を持っているシビレエイなんてのもいる。
 世界には約530種ものエイがいるそうだ。多くは海底で貝などを食べて生きている。淡水に生息するやつもいる。

名古屋港水族館の魚たち-6

 カクレクマノミ。こいつは撮るのに苦労した。サンゴに隠れたり出たりちょろちょろして落ち着きがない。映画『ファインディング・ニモ』のモデルになったのがこいつだ。
 奄美大島より南の太平洋から東部インド洋にかけて生息している。すっかりおなじみの熱帯魚だ。
 ハタゴイソギンチャクなどのイソギンチャクを家として家族で共同生活を送っている。
 これも雄性先熟型の雌雄同体魚で、オスからメスに一部が変化する。卵の世話などもオスの方が熱心にやる。ニモの話もそうだった。

名古屋港水族館の魚たち-7

 写真では大きさが伝わらないのだけど、巨大な貝だった。1メートル近いこの貝はオオシャコガイだ。重さは数百キロになるそうだ。
 エサはプランクトンからだけでなく、貝についた藻の光合成から生まれた養分をもらって栄養にしている。海の中では様々な形の共生がある。
 日本では名古屋港水族館にしかいないんだとか。

名古屋港水族館の魚たち-8

 底にいて動かないこの毒々しい生き物はなんだろう。ウミウシというやつだろうか。定かではない。
 もしウミウシというのだとしたら、世界では3,000種類以上もいるんだそうだ。知らなかった。海の牛なんて聞いたこともなかった。頭の先端に一対か二対の触角を持っていて、それを牛の角に見立てて名づけられたようだ。
 毒を持っているやつが多く、食用には適さない。この体を見て食欲はわかない。

名古屋港水族館の魚たち-9

 お触りコーナー(タッチタンク)にいる生き物たち。ナマコ、ヒトデ、ウミウシ、ムラサキウニなどがいて、ちびっ子たちに触られ放題で無抵抗。見ていると気の毒になる。ストレスで長生きできそうにない。近くにはボランティアの係員が3、4人は見張っているのだけど、子供たちの暴挙を完全に食い止めることはできない。
 ちらっと触ったナマコやウニは、少し固めでヌメっとした不思議な触感だった。

 名古屋港水族館の魚編は今回で終了となる。まだまだたくさんの生き物たちがいたのだけど、全部は撮りきれなかった。次回に持ち越しだ。
 今回はいろんな生き物がいることを実感できたのが一番の収穫だった。海にいるのは分かりやすい魚ばかりじゃなかった。地味な生き物たちも進化の過程を懸命に生きている。これまで勝ち残った優秀な生物たちだ。見た目がグロテスクでも、コミカルでも、生き残ったものが勝ち。生き残れなかったら負けとなる。
 それにしても海の多様性というのは今さらながら驚異だ。ここ数年、野草や虫や動物たちについて少しずつ勉強しているけど、今後は海の生き物にももっと目を向けていこうと思った。名古屋港水族館、ありがとう。また行きます。
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コメント
  • ナポレオンフィッシュはそういえばベラっぽいですね♪
    2007/07/08 00:57
    こんばんは^^
    クーちゃん水族館の長編レポお疲れ様でした。。
    ゆっくり見てみたいので夏休みに入る前には行ってみたいと思いますです。
    きっと地味展示鑑賞に時間をかけてしまうカモですw
  • 2007/07/09 10:53
    >いい顔してるなぁ、クエ。じろりとにらんだ目が執筆中を邪魔された松本清張みたいだ。

    サザエさんのアナゴくんにしか見えました・・  笑・・


    >オーストラリアの動物博士スティーブ・アーウィンは、2006年にアカエイに胸を刺されて命を落とした。

    スカパーのアニマルプラネットという動物チャンネルを契約したキッカケが
    スティーブのクロコダイルハンターでした・・・ 南無・・
  • 地味ボディーブロー
    2007/07/10 05:40
    ★mimiさん

     こんにちは。
     魚顔の人ってたまにいますね、そういえば。
     馬面、犬顔、猫顔、キツネ顔などなど。
     人が動物に似ているのか、生き物が特定の人間に似ているのか。
     ナポレオンフィッシュは確かにクチビルのあたりがベラっぽい(笑)。

     クーも来年はどうなるか分からないから、一度近いうちに見に行ってやってくださいね。
     私は見られなかったけど、大プールで練習風景もあります。

     地味展示は、2発3発のボディーなら効かないんだけど、10発、15発となるとだんだん効いてきます(笑)。
     でもホント、地味に面白いんでオススメです。シャチやイルカもいいけど、地味水槽をよろしくお願いします。
  • 人によって見分け方
    2007/07/10 05:49
    ★ビアンキさん

     こんにちは。
     クエやナポレオンフィッシュあたりの巨大魚になると、人によっていろんな見え方が出てくるんですね。面白い。
     でも、サザエさんのアナゴくんに見えたのはビアンキさんくらいかも?(笑)

     スティーブは、「世界まる見え」でよく出てきてたんで、それを見てました。
     ビアンキさんはスティーブ見たさにスカパーまで契約したんですかー。それはすごい。(^^)
     ムツゴロウさんはまだまだ長生きしそうですね(笑)。
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