セミについての誤解

言葉(words)
アブラゼミ

 セミは7日間しか生きられないだとか、地中で7年も過ごすなど、セミについて誤解している人が多い。
 実はこれほどありふれた生き物にもかかわらずセミについては分かっていないことが多い。
 人工の環境で育成することが難しいこともあって、特に地中での生態がよく分からないとされる。
 親ゼミは木に卵を産み付け、その卵は一年がかりで孵化し、生まれた幼虫(白アリみたいで気持ち悪い)は地中に潜っていって木の根から養分を吸い取って生きる。
 どういう基準かは分からないのだけど気の早いやつで一年後には成虫になる一方、5年も6年も地中で過ごすやつもいる。性格なのか環境なのかは定かではない。
 成虫になったセミが繁殖のためだけに飲まず食わずで7日ほどしか生きられないというのも嘘で、寿命の長い個体で1ヶ月ほど生きることが分かっている。そうなると当然、何か摂取しないといけないわけで、しかもあれだけ鳴いたり飛んだりするわけだから相当なエネルギーを必要とする。主に木の樹液を吸っているようだ。
 セミのことをなんとなくかわいそうな虫と思っている人が多いだろうけど、それは完全に間違いということになる。5年以上も生きる虫は少ない。セミは昆虫の中では長寿なのだ。
 安全な地中でぬくぬくと暮らして、いよいよ外へ出ないといけなくなったときは、イヤイヤなのかもしれない。
 鳴き声を聞いているとほとんどやけっぱちのようにも思える。
 こういった知識はある意味では無粋なもので、あまり口に出さない方がいいとも言える。セミって7日しか生きられないんだよねと誰かが言ったら、そうなんだよねと同意しておく方が平和に過ごせる。
 いや、そうじゃないんだって、セミって地中では長生きでね、なんて知識を披露してもたいていは喜ばれない。
 
 
記事タイトルとURLをコピーする
コメント
コメント投稿

トラックバック