
やってしまった後悔よりもやらなかった後悔の方が一生残るから何事もやってしまった方がという教えがあるけど、本当にそうだろうか? 私はその考えには賛同できない。
時と場合によるし、物事はそれほど単純ではないからだ。
たとえば行かなくてもいい旅行に行ってコロナに感染して帰ってきてから自分きっかけでクラスターを起こして職場や学校を閉鎖に追い込んだ上に自分は後遺症が残ったとしたらどうだろう。それでもやってしまった後悔の方がましだと言えるだろうか?
人はなぜか、後悔することがいけないことのように思い込んでいるところがある。私はその発想自体が間違っていると思う。
人生に後悔はつきもので、やっても後悔するしやらなくても後悔するのが人の一生だ。後悔しないと頑張ること自体が無駄な気がする。
後悔というのは一種の思い出で、それはむしろ愛おしいいものではないのか。あの世まで持っていける数少ないもののひとつだ。
悔いることに固執してはいけない。でも、後悔することを厭う必要もない。
やるからないか迷ったときは、最悪の結果を想定して、それを受け入れる覚悟を決めることだ。
どちらにしても後悔はある。選ばなかった方がより大きな後悔をもたらしていたかもしれない。