初めての中華街で夕飯を食べて横浜観光は心残りなく完結

横浜(Yokohama)
横浜中華街-1

PENTAX istDS+Super Takumar 50mm(f1.4), f1.8, 1/12s(絞り優先)



 横浜観光最後の締めくくりはやっぱり中華街で決まり。山手巡りから戻ってきたあと、大さん橋で夕焼けと夜景を見て、満を持して中華街へと乗り込んだ。8時を過ぎて、あたりはすっかり真っ暗になっていた。
 初めての中華街、どこで何を食べるかを決めるのは非常に難しい。なにしろ約500メートル四方の敷地内に250もの中華料理店がひしめいている。ガイドを見ても紹介されている店舗数が多すぎて実際どこがいいのか判断がつかないし、かといって飛び込みで入るのは危険だ。本場横浜中華街といっても値段に見合うだけの味の店はさほど多くないという話もある。下手するとチャイニーズファミレスの「バーミヤン」の方がずっと美味しかったりするらしい。一番確かなのは、雑誌やテレビでよく紹介されている有名店にしておくことだ。そういうところなら大きな失敗はない。「萬珍樓」、「大珍樓」、「珠江飯店」、「均昌閣」、「景徳鎮」、「聘珍樓」、「北京飯店」、「重慶飯店別館」あたりならまず間違いはないところだろう。金額的には多少高くつくかもしれないけど。
 あとは、どこの地方の料理を食べたいかで決めるという手もある。お馴染みの中華が多い広東料理でいくか、あっさり系の北京料理にするか、辛さを求めて四川料理か、魚介類の上海料理で攻めるか。自分の好みをはっきり自覚できてる人なら、迷いは少なくて済むかもしれない。点心や飲茶が食べたければそれに特化して評判がいい店もあるし、今まで食べたことがない変わった料理を求めるのもいい。たくさん食べたければ食べ放題の店もある。
 問題は私たちのような漠然と中華街を訪れた人間たちだ。たくさん量も食べられないし、高級中華を食べたいわけでもないとなると、行ける店は限定されてくる。コース料理はきついから単品で安くて美味しいところという注文にこたえてくれる店は少ない。で、最終的に選んだのは、「東林(トウリン)」となった。中華街にくわしい人なら、それはいい選択だねと思ってくれるんじゃないだろうか。いきなり渋いところを突いたねと。店の紹介は後にして、まずはせっかくなので中華街について少し勉強しておこう。

横浜中華街-2

 日曜の夜ともなると中華街は大勢の人混みで溢れかえる。特に中華街大通りはすごい人波だ。年間の来訪者は東京ディズニーランドをも上回る1,800万人というから驚く。日本人は中国人よりも中華料理が好きなのかと思うほどの人数だ。中華街には中国人も6,000人以上いるというから、中国人に会いたければ中華街へ行くのが確実と言える。もしかしたら、ゼンジー北京もそのへんをうろついているかもしれない(あの人は中国人じゃない)。
 中華街の歴史は、1859年の横浜開港に始まる。欧米人とともに来日した多数の中国人たちがこの地に住み始め、横浜と上海、香港間に定期船航路が開設されると中国人貿易商も多数やって来るようになった。関帝廟や中華会館、中華学校などを建てて生活の基盤ができて、それが今の中華街の基礎となった。
 関東大震災と第二次大戦で中華街も大きなダメージを受けて、中国人たちも帰国していった。いったんはさびれたものの、戦後少しずつ回復して、1972年に日中国交回復をきっかけに大勢の日本人が訪れるようになる。飲食店だけでなく観光地として発展していくこととなり、現在に至っている。中華街の正式な始まりは、1955年に中華街大通りの入り口に善隣門が建てられて牌楼の上に「中華街」と入れられたときからだという言われ方もするようだ。
 2004年にみなとみらい21線の終着駅として元町・中華街駅ができたことで、交通の便もよくなった。入口としては、山下公園方面からと、石川町駅方面からの2つある。
 日本においては、神戸南京町と長崎新地中華街とともに三大中華街と呼ばれているけど、規模としては横浜のものが最大で、アジアでもっとも大きく発展したチャイナタウンだ。

 メイン通りにはそれぞれ中華街大通り、関帝廟通り、広東通りなどの名前が冠されていて、脇道の上海路、中山路、福建路、香港路などの地名がついた路地と交差している。初めてだと分からないけど、何度か通っているうちに通りの名と店の位置が感覚的に分かってくるのだろう。私たちは「山猫堂」という猫グッズ専門店を探し回って歩き回ったおかげでけっこう土地勘ができた。期せずして。ほとんどの通りや脇道を歩くことになったから。結局「山猫堂」は、中華街大通りから少し入ったチャイナスクエアビルというビルの中にあった。よしもとおもしろ水族館などが入っているところの2階に。
 路地名のところに必ずしもその地方の店が並んでいるというわけではない。ただ、傾向としてはあって、店員や料理人もそこの出身者が多いそうだ。中国も広いから、同じ地方出身の人同士の方が気心が知れるというのもあるのだろう。北京と上海と香港では言葉も違う。
 中華街といえば門(牌楼)も象徴的なもののひとつとなっている。善隣門をはじめ全部で10の牌楼があって、その中でも東南西北に建つ4つの牌楼には、それぞれの色と意味がある。東の朝陽門は青、南の朱雀門は赤、北の玄武門は黒、西の延平門は白で、それぞれ青龍神、朱雀神、玄武神、白虎神という守護神をもっている。風水というのは迷信とかではなく、古代中国では科学だった。自然と人間が調和していくための方法論とも言える。日本でもいまだに超高層ビルを建てる前に神主さんを呼んで上棟式の儀式をするように、中国では風水思想に基づいてビルを建てたり街作りをしたりしている。日本も江戸時代まではしっかり風水思想を受け継いでいたのに、明治以降はそれがおろそかになってしまった。

横浜中華街-3

 長い前置きの末にようやく辿り着いた「東林」。このブログを読みながら中華街の勉強してたらおなかが空いて我慢できずにカップラーメンを食べてしまったという人もいたかもしれない。お待たせしましたアルね。
 東林にした理由は、ネットのクチコミ情報で評判がよかったからだ。雑誌やガイドよりもネットの個人情報の方が当てになる。日曜日でも並ばなくていいというのに惹かれたというのもある。
 店は大通りを抜けて石川町駅に近い福建路にある。ここまではずれに来るとびっくりするくらい人通りが少なくなって、ちょっと大丈夫かなと思うのだけど、大丈夫マイフレンド、ここは心配ないアルよ。中華街の常連さんが太鼓判を押す店でもあるし、私たちも一回行ってすぐにここはいい店だと分かった。まずは中に入ってみよう。

横浜中華街-4

 山猫堂探しに手間取って、店に入ったのがラストオーダー30分前の9時ということで、お客はだいぶ少なくなっていた。でも、店の雰囲気はいい。清潔だし、そこそこ広いし、静かだし。中華街でゴタゴタしてなくて騒々しくない店というのは意外と少ないらしい。
 注文してからの待ち時間も少なく、店員さんの接客もいい。欠点をあげるとすれば、中華街らしくないということだろうか。ここの店内に入ると、自分が観光地にいる観光客だということを忘れそうになる。だから、華やいだ中華街の雰囲気と気分を味わいたい人には向かない店かもしれない。

横浜中華街-5

 少食の私たちが注文したのは、天津ラーメンとチャーハンという質素とも言えるメニューだった。歩き疲れて空腹も忘れるほど胸一杯になっていたというのもある。食べ終わって余裕があればゴマ団子も頼もうと思っていたけど、思ったよりもボリュームが多くてラーメンだけで精一杯だった。
 味は申し分なし。町の中華屋さんとは格の違いをみせる。この2品に関しては味付けがやや濃いめで、一口目から美味しいなと思って、食べ終わってから時間が経っても印象に残る。今でもまだ味を覚えているくらいだ。薄味好みの人にはやや濃いと感じるかもしれないけど、くどいとかではなくて万人向けの味付けだとは思う。
 値段は800円か900円かそれくらいだった。中華街の単品としてはこれくらいか、少し安めだろうか。ここはランチも安くて美味しいそうだ。700円というから近場ならもう一度といわず二度でも三度でも行って食べてみたい。
 単品でももっと高いものは高いし、点心などのコースもある。とにかくどれを食べてもはずれがないのがいいところというのがここの評価のようだ。ものすごく感動的に美味しいとまではいかなくても、どれも80点以上で安心して食べられる店というのはそう簡単に見つかるものではない。観光客として最初に行く店としてはどうかとも思うけど、有名店をいくつか食べ歩いて新規開拓したいという人におすすめしたい。

 念願の初中華街も無事に終えて、私たちの横浜観光は完結となった。横浜総鎮守の伊勢山皇大神宮から始まって、みなとみらい21、よこはまコスモワールド、日本丸、汽車道、赤レンガ、山下公園、大さん橋、キング&クイーン&ジャック、山下公園、港の見える丘公園、山手洋館巡り、大さん橋からの夜景、中華街と、ほぼフルメニューをこなしたと言ってもいい。まあよく歩いたものだ。
 次はいつになるか分からないけど、まだマリンタワーや氷川丸もあるし、少し離れたところにある山渓園も行ってみたい。足を伸ばせば金沢の古道や八景島もある。野毛山動物園も入ってみたいし、ランドマークタワーにものぼって、シーバスも乗りたい。まだ見どころは残っている。また行けるといいな、横浜。
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コメント
  • おなかいっぱい
    2007/06/07 21:47
    読んでいるだけで、すでにおなかがいっぱいになりましたw

    おいらは、中華街は怖くて一人じゃ行けませんw

    詳しい友人にいつも連れて行ってもらってますw

    オオタさんの歩いた距離、万歩計とかつけてたら、相当行ってるんでしょうねw

  • 2007/06/08 05:52
    ★ただときさん

     こんにちは。
     ひとり中華街って考えたことなかったです。想像したら、けっこうハードル高いですね。有名な高級店なら罰ゲームに近い(笑)。
     ひとりで赤いテーブルをグルグル回して食べたいですね。
     燕の巣とか、本当に美味しいのかなぁ。でも、あんまりいい趣味じゃないと思う。(^^;

    「東林」はおすすめなんで、機会があったら行ってみてくださいね。
     ここならひとりでも大丈夫かもしれない。
     家族連れでも気兼ねなく入れます。

     万歩計は、一日で一周してゼロに戻るくらい歩いてます(笑)。
     今度つけて歩いてみようかな。
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