
人は頭と心と自我で成り立っている。
脳と心臓と魂と言い換えてもいい。
たとえるならそれは、御者のいない三頭立ての馬車のようなものだ。
それぞれが勝手な方向へ行こうとするから足並みが揃わず真っ直ぐ進まない。
それでも同じひとつの体に乗り合わせているから離れることはできず、曲がりなりにも前へ進んでいく。
ときには一致することもあるけど、たいていは意見が合わない。
こんな調子で我々は目的地にたどり着けるのだろうか。
どいつの意見が正しいにせよ、結局のところ一番強く主張したのが勝って、そいつか行きたい方向へ行くことになるのだろうけど。