
切り刻まれた街路樹を見ると、いつもガルシア・ロルカの詩の一節が思い出す。
切り株だらけの歌わない樹木や
インク壺で蝶を溺死させた一切のものに
この後に続く言葉が何だったのかは覚えていない。「切り株だらけの歌わない樹木」というフレーズが強く心に刻まれた。
人の都合で勝手に植えた木を人の都合で勝手に切り倒す行為に心が痛む。
ささいなことかもしれないけど、人がなかば無意識のように行っている残酷な行為に対してときどき絶望感を抱く。
人間は良いこともするけど悪いこともする。良いことをすれば多少の悪いことは見逃されて当然なのだろうか。
人間の存在を否定するわけではないけど、無条件に肯定することはできない。
少なくとも、罪悪感というのは常に持っているべきだと思う。それで許されるわけではないにしても。