先から目線

言葉(words)
空と鳩

 上から目線ではなく先から目線といったものがある。
 先を行っている人が後から来る人に対して忠告を与えたくなるのは当然で、その忠告は耳を傾けるに値する。
 先を行く人は失敗をするために先行している。
 続く人間が全員、自ら同じ失敗をしてそこから学んでいたのでは効率が悪すぎるし、先行者の失敗が無駄になる。
 先行する人間の失敗から学び、別の失敗から得た経験を後続に伝えることでこの世は全体として進歩、成長していく。
 たいていの場合、先人の成功から学べることはほとんどない。失敗に普遍性はあっても成功に普遍性はないからだ。
 先を行く人間もまた、後続の声に耳を貸す必要がある。そこには忘れかけている大事なことの一片がある。
 先を行く人間も後から行く人間も、自分たちは数珠つなぎで進んでいるということを忘れてはいけない。
 
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