
人徳ということを最近はあまり言わなくなってしまったけど、いつの時代のどの国の人間にとっても徳というのは大切だ。もしかしたら人として一番大切なくらいかもしれない。
嫌われることを恐れるなとか、嫌われることは悪いことではないといった論調があるけど、勘違いしてはいけないのは、嫌われることと軽蔑されることは別だということだ。
嫌われてもいいけど軽蔑されてはいけない。
自分が優秀だから人から妬まれて嫌われるんだというのは完全な思い違いで、徳がないから軽蔑されて嫌われるのだ。
逆に言えば、徳がある人間は嫌われても軽蔑はされない。
軽蔑されることを恐れない人間がいるけど、それは非常に危うい。軽蔑は人の価値を著しく低下させるものだからだ。
徳を積むというのはそう簡単なことではなく、長年の積み重ねが必要だ。一回の人生で100年生きればどうにかなるというものではない。
徳が高い人間は数え切れないほど生まれ変わっているのかもしれない。
誰も最初から高い人徳を有しているわけではないだろう。
徳はどれだけ積んでも積み過ぎということはない。残された人生の中で少しでも上積みできるよう日々精進しなければならない。