
毎年10月の第一土日に行われる南区星宮社(地図)の本地祭りに行ってきた。
土曜日が試楽祭で、日曜日が本楽祭になる。私が出向いたのは日曜日だった。
本地祭りの本地は、かつてこのあたりが本地村だったことに由来している。別名、星宮祭りともいう。
境内の外だけでなく中にも露店が並んで普段とはまったく違う雰囲気となっている。人が多くざわついているのだけど、それでも星宮社本体はどんなときも揺るがない。ハレの日もケの日も、星宮社は星宮社だ。やっぱりこの神社はいい、好きだとあらためて思った。
山車祭りが始まったのはおそらく江戸時代からなのだろうけど、例祭自体の歴史はもっと古いはずだ。この神社の創建は飛鳥時代中期の637年ともいわれるほど古い。
歴史などについては神社サイトの星宮社のページに書いた。
土曜日は公民館の前を山車が昼の12時半に出発して町内を回り、14時半に星宮社に入る。その後、試楽祭は15時開始となる。
お囃子は16時に星宮社を出て、公民館へ行き、再び18時半に星宮社に戻る。
山車は20時に星宮社を出て、町内を回って21時に公民館に戻って一日目が終了となる。
二日目は10時に山車が公民館を出発して、星宮社の前を通っていったん公民館に戻る。12時50分に公民館を出て、このときは国道一号線の通行を止めて山車を引き回す。
14時半に山車は星宮社に集結し、15時からご神事が行われる。これが本楽祭になる。
16時にお囃子が出発し、山車は19時半に星宮社を後にして21時に公民館に帰ったらすべてが終わりとなる。
現代、山車は6台となっている。
古くからあったのが廻間組、田古屋組(宮本)、町組、大道組で、昭和43年にいったん山車祭りは途絶え、平成4年に町組の山車が復活したのを契機に、その後順次再建するなどして平成17年に4台の山車が完全復活した。
それに加えて、本城町と星宮町では軽トラをベースにした山車で参加している。
以下は平成30年(2018年)の星宮社本地祭りの様子を写真で紹介します。

江戸時代の『尾張名所図会』に描かれた星宮社と現在の星宮社を比べてみると、ほとんど変わっていないことが分かる。社殿の配置や様子はそのままだ。
普段の静かな星宮社も、祭りのときの賑やかな星宮社も、昔ながらの空気感をそのまま今に伝えているように思う。
本地祭りの半日間、星宮社とその周辺で過ごした時間は不思議で心地のいいものだった。




近くにある秋葉社(軻愚突知社)の祭礼が13時から行われた。
ここは狭間組の人たちのみが参加する祭礼のようだった。それでも関係者のような顔をして参列してみた。


本星﨑駅近くの石神社の神事は14時から行われた。
ここは大道組の神社だ。
星宮社は宮司さんが常駐しておらず、七所神社(笠寺町)の宮司さんが兼務している。星宮社、秋葉社、石神社の祭礼はすべて七所神社の宮司さんが執り行った。
自分のところの七所神社は本地祭りの翌週行うということだから、10月の第二日曜ということになる。

本楽祭のために山車がすべて星宮社に集結した。
境内の移動がひと苦労で、ここが一番しんどそうだった。
からくりが奉納されたり、清めの塩がまかれたり、伊勢音頭が歌われたりする。


星宮社のご祈祷は宮本組のみが参加するようだ。
ここでもしっかり参列してみた。


古き良き日本の伝統的な祭りを久しぶりに見た。祭りの姿は時代とともに変わっていても、精神は確かにつながっていると思った。
ああ、なんだろう、この素敵な感じ。
【アクセス】
・名鉄名古屋本線「本星﨑駅」から徒歩約7分
・JR東海道本線「笠寺駅」から徒歩約28分
・駐車場 なし