
9月29日(土)に熱田神宮(地図)で行われた熱田神宮文化講座の「纒向の大王宮と王権の伸張」を聴きにいってきた。
講師は桜井市纒向学研究センター所長の寺沢薫氏で、纒向遺跡での発掘調査から分かった初期ヤマト政権の成立と過程についてといった内容だった。聴衆者は200人近かっただろうか。
固い学術的な内容を想像していたのだけど、一般人向けの講演ということで堅苦しいものではなく、全般的に皆が楽しめるものだったと思う。
卑弥呼は邪馬台国の女王ではなく当時の倭国の王で、邪馬台国は要するに初期ヤマト国なのだという大胆な仮説というか推理も披露されていた。いやいや、そこまで言い切ってしまうのはまずいだろうと内心思いつつ聞いていた私であった。
個人的にはやはり、邪馬台国は九州にないと話が合わないと思うし(ただし、九州から大和への東遷ではなく併合と考える)、纒向のヤマト政権が各地から集結した連合国だったのはその通りだとして、記紀において神武(イワレヒコ)は北九州ではなく南九州出身という設定にした理由や、神武より前にヤマトには天津神のニギハヤヒがいたのはどういうことかといったあたりにまで言及してもらえると更に楽しめたと思う。
前方後円墳について語るなら同時に前方後方墳にも触れるべきで、尾張や出雲や吉備などがどう関わっていたのかなど、考え合わせるべき要素は多い。
なんにしても、考古学的アプローチというのは必要であり、面白くもあるということは再認識した。また機会があればこういう講演も聞いてみたい。
熱田神宮の文化講座は、講師とテーマを変えて年に4度ほど行われている(無料)。次回は11月17日(土)で、テーマは「江戸時代の暦」となっている。





結婚式の披露宴などが行われる熱田神宮会館に初めて入った。普段の講演は宝物館がある熱田神宮文化殿の講堂で行われているようなのだけど、この日は何かの事情で会館で行われた。次回の講演も会館が使われる。
【アクセス】
・名鉄名古屋本線「神宮前駅」から徒歩約5分
・駐車場 あり(無料)
熱田神宮会館 webサイト
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