
中村区岩塚にある七所社(地図)。
名古屋に七所神社が何社かあって、そのいずれも正体が分かりにくい神社なのだけど、その中でも岩塚の七所社が分かりづらさでは一番かもしれない。
古くから岩塚村の中心神社だったのは間違いない。分からないのは御田神社との関係だ。
御田神社は『延喜式』神名帳に載る御田神社のことだというのだけど、昭和7年(1932年)に、884年の年号と「御田天神」と刻まれた鏡が発見されたことから、七所社の境内に御田神社が作られたという経緯があり、もともとこの場所ではなかったという。
いつしか七所社が祀られるようになり、そちらが上位になって御田神社は消えてしまっていた。七所社は祭神からしても熱田社と関わりが深いのは間違いなさそうだけど、そのあたりもよく分からない。
境内の空気はどこか重苦しい。古塚というのは文字通り古い墓のことだろうか。岩塚の地名も墓を連想させる。
この神社はどこか死の影がつきまとう。
尾張の奇祭といわれる「きねこさ祭」はこの神社に古くから伝わる神事だ。川の中に竹を刺して、ふんどし姿の男が竹によじ登ってどちら側に折れたかでその年が豊作かどうか占うというものだ。
以前に一度、その祭りを最初から最後まで見たことがある。そのときの様子をブログでも紹介した。
岩塚のきねこさ祭 —七所社と川祭り編
岩塚のきねこさ祭 —古式行列と佐屋街道編
岩塚のきねこさ祭 —本祭りと厄払い神事編
古式ゆかしい祭りでなかなかよかった。テレビのニュースでも毎年やるから、それを見たことがあるという人もいると思う。
旧暦の1月17日に行うことになっていて、今年は3月4日がそれに当たる。この日は日曜日ということで、見物客は例年以上に多いんじゃないだろうか。3月なら少し暖かくなっている。2月のはじめに当たると極寒の中を川に入ることになる。
その他、歴史などについては神社サイトの岩塚七所社のページで。












【アクセス】
・地下鉄東山線「岩塚駅」から徒歩約20分。
・駐車場 あり
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