
もう何年も前からずっと、一度は行かなくてはいけないと思ってどうしても行くことができなかった氷上姉子神社(地図)。ようやく行くことができたのは、行くべきときが来たということなのだろう。もっと早い段階で行っていたら、感じるべきものを感じることなく帰ってきてしまっていただろうと、今なら思える。これ以上早すぎても遅すぎでも駄目だったのだ、たぶん。
本社を参拝し終わったときは、ふーん、こんなもんなんだと、少しがっかりしたのだけど、元宮の案内を見つけてそちらを訪ねてみたら、そこがとんでもなかった。氷上姉子神社の元宮はただごとではないことになっている。
詳しいことは神社サイトの氷上姉子神社のページに書いたので、よかったら読んでみてください。長文注意。


雰囲気としては、熱田神宮内の上知我麻神社の様子によく似ている。もっと広い境内を想像していたら、意外と狭かった。

本殿は明治26年(1893年)に熱田神宮別宮の八剣宮の社殿を移したものなので、ぜひ見てみたかったのだけど、残念ながら拝殿に遮られてどの角度からも見ることができない。
熱田神宮は神明造に建て替えてしまっており、それ以前に建てられた尾張造の社殿は貴重だ。


行くまで元宮の存在は知らなかった。帰ろうとしていたとき、この石柱を見て、行ってみることにしたのだった。
おいおい、待て待て、こちらに寄らずに帰るつもりかと、ミヤズヒメが呼び止めてくれたのかもしれない。

かつてミヤズヒメの屋敷があったとされる火上山の山頂を目指す。山道を歩いて5、6分だったか。
すでにこの時点で聖域に入ったことが分かる。こっちはまたすごいなと思う。

元宮に向かう途中に神明社がある。
ここが元宮と思って引き返してしまってはいけない。肝心なのはこの先なのだから。


小さな社があるだけなのだけど、大事なのはこの空間だ。ここに満ちているエネルギーがすごい。決して霊感などあるわけではなく、むしろ鈍いと自覚している私でもビシビシ感じるくらいだから、霊感が強い人がここに立ったらどうなってしまうのだろうと思った。
私にはここのエネルギーがどういうたぐいのものかは分からない。純粋に良いものなのかどうかも判断がつかない。とにかくすごいとしか形容しようがない。


この木にも何かある。それが何かは分からないけど、何かが宿っている。
氷上姉子神社とはどういう神社なのかと訊かれても、なんとも答えに困る。歴史的に見て分かりやすい神社だと思っていたのだけど、実は複雑な事情を秘めているようにも思う。それはミヤズヒメひとりがどうこうという問題ではない。この神社の本当の姿を知ろうと思ったら、熱田神宮や尾張国にとどまらず、古代史全体を解き明かすくらいのことが必要になるんじゃないか。そんなところまで踏み込むつもりはないので、私としては氷上姉子神社は保留とするしかない。正直、分からない。
ここまで書いておいて何だけど、元宮もオススメしていいのどうか、判断に迷うところなのだ。
【アクセス】
・JR東海道本線「大高駅」から徒歩約35分
・駐車場 あり(無料/鳥居をくぐった先)
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