巫女装束を揃えて着ればあなたも明日から巫女さんに? - 現身日和 【うつせみびより】

巫女装束を揃えて着ればあなたも明日から巫女さんに?

巫女さん

OLYMPUS E-1+SIGMA 18-50mm DC(f3.5-5.6), f4.0, 1/5s(絞り優先)



 世の中には巫女(みこ)さんが好きな男がいて、巫女さんになりたい女の人がいる。潜在的な巫女さん願望を持つ人は思うより多いのではないだろうか。そのあたりの心理は私には分からないのだけど、いてもいいとは思う。神主さんを見るとたまらんという女の人だっているだろう。
 私の中で巫女さんというと、紅白の衣装を着て神社でお守りを売ってるアルバイト学生、というイメージしかない。特別な思い入れはなく、どういう人たちなんだろうと深く考えたこともなかった。しかし、日本人として、巫女のなんなるかも知らずにのうのうと生きていていいのかと、城山八幡宮で巫女さんの写真を撮りながら思った。
 ということで、今日は巫女についてちょっと勉強してみた。

 世の中に、巫女という職業は存在しない。バイトではない本職の巫女さんも少しいるにはいるのだけど、そういう名前の役職はないはずだ。でも私、巫女ですよ、という人もいる。それも間違いではない。このあたりが巫女を理解するのを難しくしているひとつの要因になっている。
 では、巫女さんになりたい場合はどうすればいいか? 大学の就職担当者に訊ねてみても答えは返ってこないだろうし、お父さんお母さんに訊いてもたぶん知らない。女の人が巫女さんになりたい場合は、國學院や皇學館などの神職養成所や大学に入るのが正統なコースとなる。ただし、これは女性の神職を育てるところなので、巫女さんとは少し違う。
 それでも私どうしてもこの春から巫女さんデビューしたいんですという人は、それはもう全国の神社に片っ端から問い合わせるしかない。稀に募集をしてるところがあるそうだ。けど、巫女さんを常駐させておくほど余裕のある神社はそうめったにないので、フジテレビの女子アナになるよりも難関かもしれない。
 巫女の定義は曖昧なところがある。神道の神職の手助けをする女性といった意味で使われることが多いけど、はっきりした仕事内容が決まっているわけではない。占いをするとか、加持祈祷をするとか、そういうことではない。ある意味、巫女装束(緋袴に千早)をどこからか調達してきて、今日から私は巫女さんよ、と言い張れば自称巫女さんと言えなくもない。頼まれてもいないのに、一日中神社を掃除したりしていてもいい。もちろん、お給金は出ないけど。
 とりあえず年末年始だけでも巫女さんのバイトをしたいという場合は、知り合いのツテを頼んだりするより他になさそうだ。アルバイト情報誌に載るのを待っていてはなかなかラチが開かない。たまに大学の方に募集が回っていくそうだけど、たいていはそこの神社の関係者などがお手伝いをするというのが一般的なようだ。クラスに神主の娘や息子がいたら日頃から仲良くして恩を売っておくべきだろう。
 ただ、巫女さんの仕事は、神社版のOLのようなものかもしれないので、あまり過度の期待をしない方がよさそうではある。

 巫女というと卑弥呼を連想する人が多いと思う。卑弥呼イコール巫女というイメージから、巫女はシャーマンのように考えてる人もいるかもしれない。けど、必ずしもそれはイコールではない。
 2世紀頃には巫女と呼ばれるような人が存在していたのではないかと言われている。その頃は祈祷や占いなどを行うシャーマン的な色合いが強かったのだろう。神前で舞いを踊るようなこともあっただろうか。神の言葉を受け取って告げるような役割も担っていた可能性は高い。だからイタコも巫女と言えるかもしれない。天理教や大本教の教祖も口寄せ行ったミコと呼んでいいだろう。
 巫女は神子とも書くように、神社に仕えるというよりも本来は神との直接的な関係にある女性といった意味合いが強かったのだろうと思う。巫女は「かんなぎ」とも読み、これは「神招ぎ」から来ている。
 もともと神道は女人禁制だった。かつての日本では女性は不浄のものとされて、高野山や比叡山など神聖とされる場所には女性が入ることはできなかった。なのにどうして巫女だけが入り込めて、なおかつ重要な役割を担っていたかといえば、単純に言って霊能力を持っていたからだろう。ときに巫女の言葉は王の言葉よりも重かった。ただしそれでも、未婚でなおなつ処女性というのが重視されたであろうことは想像がつく。たとえ表向きだけであったとしても。
 現在はもちろん巫女になるためにそんな厳しい条件があるわけではない。ただし、黒髪でないと駄目というところはあるようだ。

 卑弥呼の名前が出てきたのでついでに少しだけ。
 卑弥呼とは一体何者だったのかというのは、本当のところは誰も分からない。いろんな人たちがいろんなことを散々言い尽くして、それでも答えは出ていないの。分からないのも当然で、卑弥呼の名前は日本の公式記録には一度として登場してないからだ。「魏志倭人伝」や「後漢書倭伝」などで短く紹介されてるだけにすぎず、それを巡ってああでもないこうでもないとこれまで散々議論されてきた。邪馬台国論争も加わって、事態はますますややこしいことになっている。
 卑弥呼は誰だったのかという点についても多くの説があって、実際のところは分からない。神功皇后だったとか、天照大神だったとか、卑弥呼は卑弥呼だろうとか、それぞれの説を主張する人たちがそれぞれもっともらしいことを言っている。
 ヒミコという呼び方にしても、これは違っているという人もいる。当時は当て字だったので、耳で聞いた名前に似た字で当てたために本来の名前とは違って伝わってのではないかというのだ。あるいは、ヒミコという名前だったとしたら、日御子でこれは天皇の呼び名に当たる。自ら卑しい(いやしい)という字を当てるとも考えにくい。
 倭迹迹日襲姫命(ヤマトトトヒモモソヒメノミコト)であるという説も根強い。「日本書紀」の記述と「魏志倭人伝」での内容に一致するところが多いという理由で。
 個人的には、いろんな意味で天照大神が一番辻褄が合っているようには思うけど、一番整合性があるからといってそれが真実とは限らない。すごく意外な人物の方が逆に納得できる気もする。私としては、りんごももか姫が卑弥呼であってもかまわない。
 邪馬台国の場所は、九州だ、畿内だという果てしない言い張り合いが続き、いまだに結論は出ていない。これだけ言い合っても証明できないところをみると、もっと別の場所なんじゃないかとも思えてくる。鯨統一郎の『邪馬台国はどこですか?』では、東北説などという冗談のような説があったけど、それくらい大胆に推理しないと答えには辿り着かないかもしれない。卑弥呼がもらったとされる金印さえ出れば、動かぬ証拠となるのだろうけど。

 卑弥呼のことはともかく、どうしても巫女さんになる夢をあきらめきれないんですぅという人には最後の手段として、巫女さんコスプレ喫茶でバイトをするという手が残されている。名古屋の大須にあった「巫女茶屋」はどうなっただろうか。きっと最初の話題性だけで長くは持たなかったんだろうな。巫女さんがいる「月天」という居酒屋も昔あったはずだ。どうやら名古屋では数年前に巫女さんブームがあったらしい。いや、もちろん、私はそのブームには乗っていない。お店に行ったこともないということだけは、はっきり言っておきたい。
 巫女に対してある種の妄想をかき立てられるのは、やはり日本人として受け継いだDNAのせいなのだろうか? 外国人にはそういう感覚は理解されないだろう。外国のシスターとは性格が少し違う。
 このブログを読んで、やっぱり巫女さんになるのはあきらめようと思った人がひとりでも出てしまったら私は悲しい。どんな夢でも、その芽を摘んでしまうことは不幸なことだから。逆に、私なってみようかなと思ってもらえたら嬉しいです。巫女さんの生みの親なんてちょっといいではないか。もし、見事巫女さんになった暁には、インタビューで、あのブログがなければ私が巫女になることはありませんでした、などと答えてくださいね。
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コメント
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>ヤマトトトヒモモソヒメノミコト
は、発音し辛い・・これって昔の日本の読みじゃなくて
現代読みなのでしょうか・・・

初詣で巫女さんがバイトらしきたくさん居ましたが
祈祷してもらいに本殿に入った時に対応して頂いた巫女さんが若いけど
段取り、言葉遣いが慣れているっぽかったですね。職員だったのかな。

そういえば、広島の住吉神社というところにやたらと丁寧な言葉遣いをする
巫女(当時高校生?)が一時話題になったことがありまして、その子について
色々調べていたら「全国巫女分布図」とかいうのがあってそっちのほうが衝撃でしたw
巫女さんも凄いニーズがあるもんなんですね。

2007-01-11 13:17 | from ビアンキ

巫女さんは黒髪で

★ビアンキさん

 倭迹々日百襲姫命 (ヤマトトトヒモモソヒメノミコト)は、読みも漢字も難しすぎますよね。トが多すぎるだろうって思うし(笑)。
 一生覚えられそうにないです。(^^;

 巫女さんの需要と供給バランスはとっても崩れてるみたいです。
 潜在的に巫女さんになってみたいという人が全国にはたくさんいるようで。
 巫女さんブログとかもけっこうあって、なかなか人気らしいですよ。
 神社でバイトしようという人もちょっとした人なんだろうし、応募が多そうだから、かなり優秀な人たちなのかも。
 さすがに茶髪で態度がなってないような人は見かけないですもんね。(^^;
 ただ、「巫女喫茶」は全員茶髪でがっかりだったって話です(笑)。

 今後は私ももっと巫女さんに注目していきたいと思います。
 まだ受験シーズンだから、神社にいけばいるかな。
 望遠レンズで狙っていても大丈夫なんだろうか。(^^;

2007-01-12 02:16 | from オオタ | Edit

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