雪が降る地球に生まれて静寂の音と純白の美しさを知る - 現身日和 【うつせみびより】

雪が降る地球に生まれて静寂の音と純白の美しさを知る

名古屋の雪2007

OLYMPUS E-1+SIGMA 18-50mm DC(f3.5-5.6),f5.6, 1/320s(絞り優先)



 雪は天から送られた手紙である。
 雪博士・中谷宇吉郎の言葉だ。2007年1月7日の名古屋に、雪は年賀状よりもたくさん降ってきた。結局短時間でやんでしまったのだけど、本格的な雪は今シーズン初だった。たくさんのお手紙ありがとう。このブログの記事でお返事に代えさせていただきます。
 名古屋は雪が少ないところだから、たまに降る雪は嬉しい。喜んで写真を撮ってしまう。その喜びと価値観は、年に数度しか見ることがない海と同じくらいのものがある。わー、海だ、海だー。わー、雪だ、雪だー、みたいに。
 名古屋と雪の距離感はちょうどいい。

 ところで、雪とは何だろう? 雨が凍ったもの? それはみぞれじゃないのか? 積もる雪とすぐに溶ける雪とではどんな違いがあるんだろう?
 そんな疑問に対してすぐに答えてくれるPC世界が22世紀か23世紀にはできるのだろうけど、今はまだ21世紀。対話形式で問いに答えてくれるシステムはまだない。けど悲観することはない。今はもう20世紀ではない。PCがあり、ネットがある。ひと昔前なら、百科事典を調べ、物知りの人に訊ね、図書館へ足を運び、それでも分からなければあきらめるしかなかった。それを思えば今はいい時代になった。

雪でも子供は遊ぶ

 雪は寒さで雨が凍ったものだと考えてる人が案外多いんじゃないだろうか。実は私もそう思っていたら違った。雲の中にある水蒸気が冷たい空気に冷やされると、微粒子を核として氷の結晶ができる(氷晶)。これが空から落ちてくるとき、地面に落下するまで0度以下を保てば雪になり、0度以上になると雨になるのだそうだ。雨が途中で凍って雪になっているわけではなかった。今日もまた、ひとつ賢くなってしまった。
 みぞれ(霙)は、半分雪で半分雨の状態をいい、氷晶に水滴がついて上昇気流で冷たい上空に吹き上げられて凍りつくとあられ(霰)になる。5ミリ以上になるとあれらで、それ以下をみぞれとして区別している。
 雪が白く見えるのは、くっついた結晶に光が乱反射しているためで、ひとつひとつの結晶自体は透明だ。
 雪の結晶を世界で初めて人工的に作り出したのが中谷宇吉郎だった(1936年)。少し話はそれる。中谷宇吉郎は、「天災は忘れた頃にやって来る」と言った物理学者で随筆家の寺田寅彦の弟子で、寺田寅彦は夏目漱石の弟子になるから、夏目漱石の孫弟子ということになる。夏目漱石の弟子には芥川龍之介や内田百間がいる。そこまで思いを馳せると、なかなか感慨深いものがある。
 それはともかくとして、雪の話に戻ろう。雪は状態によってもいろいろな呼び名がある。降っている状態の雪を降雪と呼び、積もっている状態を積雪として分けて呼ばれている。これは雪の多いところと少ないところでも感覚的な違いとしてありそうだ。私などは雪といえば空から降ってくるものをイメージする。雪国の人は積もってない雪など雪のうちに入らないって言うかもしれない。
 粉雪、ぼた雪、ざらめ雪、新雪、吹雪、雪崩、淡雪、万年雪、どか雪、泡雪、細雪、なごり雪。
 日本語には雪を表現する言葉がたくさんある。それだけ雪の存在が大きいということだ。
 別名として「六花(ろっか)」というのがある。雪の結晶が六角形をしているところから来ている。「六花亭」のマルセイバターサンドが食べたい。こちらでは岡崎の備前屋「あわ雪」が有名だ。備前屋~の~あわ雪~♪のCMでお馴染みの。
 知らなかった雪にまつわる言葉も、今回勉強していろいろ知った。雪と親しむという意味の「親雪(しんせつ)」や、雪を克服するという「克雪」、一歩進んで雪を利用しようという「利雪(りせつ)」など。「雪あかり」なんて言葉はとてもロマンチックな響きを持っている。
 雪とたわむれたり親しんだりするというと、私たちは雪だるまや雪合戦、スキーやソリ滑りなどしか思いつかないけど、雪国の人たちは違う。かまくらやさっぽろ雪祭りなどは知識として知っていても、雪泳は知らないだろう。なんでも今、静かなブームになっているらしい。本当だろうか? 読んで字の如く、雪の中を泳ぐ競技らしい。きっと静かなブームのまま終わるだろうけど、大人たちが本気で雪の中を泳いでいる大会を一度見てみたい気もする。
 昔の日本には「雪見」という風習があった。いつ果てるともなく降り続く雪をただ見ている。雪見障子や雪見酒、雪見風呂など、今ではすっかり失われてしまったものもたくさんある。
 ここでひとつ漢字クイズを。「雪ぐ」は何と読むでしょう? 答えはCMのあと。ヒントは、雪辱(せつじょく)。

ベランダからの雪風景

 答えは、「すすぐ」でした。祓い清めるという意味で、汚辱を雪ぐなどと使う。

 雪が好きかと問われたら、少し考えて間が空く。小雪はそんなにタイプじゃないのと同じように、雪も特別好きというわけではない。年に1度か2度見るだけなら悪くないけど、現実的な面では雪が降っていいことなどほとんどない。せいぜい写真を撮るときに場所によっては絵になるくらいのものだ。交通機関は壊滅的にダウンしてしまうし、車でも身動きも取れなくなってしまう。雪は溶ける街が汚れるし、雪国に住むのはきつそうだ。
 でも、雪にもいいところがある。それは、雪がもたらす静寂だ。まるで雪が世界の音を吸い取ってしまうみたいに街から音が消えて、世界が静けさに包まれる。あるいは静寂の音がする。雪が降り続く光景は、音を消したテレビ画面のようだ。世界は本来こんなにも静かなものなんだと、雪が教えてくれる。
 雪は天からの贈りものだ。宇宙に雪は降らない。地球に降りそそぐ祝福の白だ。だから私たちは雪を見て、きれいだと思う。純白は雪のイメージで、雪が覆い隠した真っ白な世界はウェディングドレスを思わせる。もし私たちが雪を知らなければ、純白の美しさに気づかなかったかもしれない。雪が降る星に生きていることの幸せを思う。
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コメント
非公開コメント

あけましておめでとうございます~♪
昨年はブログに遊びに来ていただいてありがとうございましたぁ。
さて、名古屋・・・雪!?
知らんかったぁ、昨日はTVやネットもしてなかったから、そんな情報知らなかった~。
札幌はこの冬、積雪が少なかったのですが、今週末の風と雪で
やっと冬らしくなってきました。
いつも、沢山降ると文句を言っている私ですが、
なんにもないとやっぱり物足りないものですねぇ(笑)
今年もどうぞ宜しくお願いいたします♪

2007-01-09 15:52 | from kuroneko

>雪が降ると街から音が消えて、世界が静けさに包まれる。あるいは静寂の音がする。
>雪が降り続く光景は、音を消したテレビ画面のようだ。たまには街も静かになった方がいい。世界は本来こんなにも静かなものなんだなと、雪が教えてくれる。

そうですよね。あの雪が降ったときのあの静寂は何なんでしょう。
雪の降る音だけがするというか、特に私は深夜や明け方に行動していますのでいつもとちがう静けさに感動を覚えるんですが、店から家に帰れないことに気付いてその感動も一瞬で吹っ飛んだりするんですけどね。

2007-01-09 16:35 | from ビアンキ

雪がしんしんと降る音だけが聞こえるって・・・
何とも言えない、幻想的?神秘的?な感覚があっていいよねw
道産子の私としては、雪は大好きですww

2007-01-09 17:25 | from ゆき

Σ(- -ノ)ノ エェ!?

名古屋は雪が少し積もったのねw
岡崎はチラッともしなかったです(_ _。)・・・シュン
みぞれがパラパラと降ったくらいで。。。
名古屋は寒いんだねぇ~

素敵な雪景色をありがとう^^

2007-01-09 20:35 | from もこ | Edit

台風並みの低気圧

★kuronekoさん

 あけましておめでとうございます。
 挨拶が遅れました。(^^;

 kuronekoさんは昨日は成人式でしたか?
 ……。
 もう、自分の成人式がどうだったか、よく覚えてないですね(笑)。

 こちらは、7日の日にけっこう雪が降りました。
 ここ数日は、発達した低気圧の影響で(天気予報のコーナーみたい)、北海道は大荒れだったみたいですね。札幌はそれほどでもなかったのかな。
 そちらもやっぱり今年は雪が少ないんだ。全国的に少ないらしいですね。去年は異常に多かったから、その反動なのかな。
 北海道生まれの人は冬はこんなもんっていう納得があるんだろうけど、内地から夢を見て北海道へ行くと、現実の雪に泣くことになるんでしょうね。(^^;
 冬はいつもより30分早起きして、車の氷を溶かさないといけないって話を聞いて、こりゃダメだって思ったのでした(笑)。

2007-01-09 22:11 | from オオタ | Edit

雪国

★ビアンキさん

 雪が降ってるときの静けさって不思議ですよね。なんであんなに静かになってしまうんだろう。
 雪国の夜はどんなに静かなのか、一度経験してみたいな。
 しかし、2メートルとか積もる地方で暮らすってどんな感じなんだろう。家の中だけで過ごしてると退屈しそうだなぁ。(^^;
 雪下ろしも大変だし。

 都会は雪が降るといっぺんに動きが止まってしまいますよね。
 雪に慣れてなくて。
 けど、雪がよく降るところの街の人は、雪が降っていても平気で飛ばすから怖い(笑)。
 名古屋なんかノロノロ運転になってしまいます。

2007-01-09 22:25 | from オオタ | Edit

浜っ子とばかり

★ゆきさん

 こんにちは。
 ゆきさんは道産子だったんですかー。それは全然知らなかった。
 浜っ子の都会っ子だと思ってました。
 じゃあ、普段はそうだべとか言ってますか?(笑)
 ゆきって名前は、雪から来てるのかも?
 北海道の人でも雪が好きってことがあるんですね。もう見飽きて嫌いになってるんだと思ってました。そうなのか。
 じゃあ、横浜じゃあ雪も降らなくて物足りないでしょうね。
 今年は雪が少なそうだから、このまま見られに終わってしまうかもしれないですね。

2007-01-09 22:29 | from オオタ | Edit

更に巡る

★もこさん

 こんにちは。
 その後体調は戻りましたか?
 初詣も行ったのに、どうしてしまったんでしょうね。
 こうなったら、もっと神社仏閣巡りをするとよいでしょう。いいところたくさん知ってるから紹介しますよ(笑)。

 名古屋が大雪の日、岡崎は降らなかったんですか。やっぱり岡崎の方が南だから暖かいのかな。それとも、海の影響なのか。
 けっこう豪快に降ったんですよ。
 今でもまだ街のあちこちに雪だるまの残骸があります。
 雪が降ると、もこさんは必ずコケそうだから、岡崎には降らなくてよかったです(笑)。
 何もないところでも転んだりしないように気をつけてくださいね。ちょっとした段差でつまづいたりするのは老化現象です。

2007-01-09 22:35 | from オオタ | Edit

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