オアシスが必要なほど名古屋は砂漠化が進んでないけれど

施設/公園(Park)
テレビ塔とオアシス21

OLYMPUS E-1+SIGMA 18-50mm DC(f3.5-5.6), f7.1, 1/500s(絞り優先)



 名古屋砂漠という言葉はないけれど、名古屋の中心にはオアシスがある。オアシス21という公園が。
 日本初の総合立体型公園の名のもとに派手に登場したオアシス21。そのうち行かなくてなと思いつつ時が流れた。完成したのは2002年の10月というから、もう4年以上経っていたのか。4年といえば中学3年生だった子が大学1年生だ。96歳だった人は100歳になっている。その間、私はなにをぼんやり過ごしていたのだろう。今回、ツレを得て、ようやくオアシス21へと乗り込むことになった私であった。
 これは空飛ぶ宇宙船をイメージして作られているということらしい。全然知らなかった。それでこんな奇妙な形の空中都市風になっていたのか。名前は、水の宇宙船「地球号」。高さ14メートル、長さ106メートル、幅36メートルと、けっこうなスケール感だ。方向としては名古屋城の方角を向いているそうだ。宇宙へ飛び出すときに、行きがけの駄賃として金シャチを積んでいくつもりだろうか。私の中のイメージソングは、TOKIOが歌う中島みゆき作詞作曲の「宙船」だ。♪その船は自らを宙船(そらふね)と 忘れているのか その船は舞い上がるその時を 忘れているのか♪

オアシス21の芝生広場

 地上部分は「緑の大地」と名づけられた公園となっている。今は季節的に芝生が冬枯れてしまっているけど、春から秋にかけては緑におおわれて、昼ご飯を食べたりするのにいい感じだ。ベンチもたくさんある。近所のサラリーマンやOLの人たちが実際に利用していそうな気もする。バレーボールとかしてるイメージだ。それって昭和?
 春は桜、秋はモミジがちょっとした彩りを添える。おじさんも死んだように寝てたりする。
 目の前にはテレビ塔が建ち、周囲にはNHKビルや愛知芸術文化センターなどがある。
 時間になるとどこからともなく突然音楽が流れてきて、まったりしている私たちを驚かせた。何事かと思う。14基設置されているモニュメン「風のオルガン」から流れてくるようだ。暗くなると照明がついて夜の中に浮かび上がるらしい。
 夜はいろいろなところがライトアップされて、昼間とは違う表情を見せる。夜景スポットと言えなくもない。本体だけでなく、100メートルの光の道「記憶の路」などもあり、夜が早い名古屋では珍しく23時まで明かりを放っている。

オアシス21の吹き抜け

 1階から地下は吹き抜けの広場になっていて、歩くのも見下ろすのも気持ちがいい。いっけん無駄に見える広い空間は、イベントなどに使われている。去年はここで「世界コスプレサミット2006・チャンピオンシップ」が行われたらしい。一体どんな大会だったんだろう。想像するだけでめまいがしそうだ。
 周囲には食事処や飲食店などが並んでいる。雑貨店やドラッグストアなどもあるようだ。「オアシス21 iセンター」という観光案内のインフォメーションセンターもあるので、名古屋観光へ来たときはそこにまず寄って情報を集めるのもいい。
 バスターミナルも入っていて、市バスや名鉄、高速バスだけでなく、三重の田舎でおなじみの三交バスも乗り込んでいる。

オアシス21宇宙船部分

 ここが最上階の宇宙船部分。エレベーターを使わず階段で上ってきたら、足にちょっとダメージを受けた。5階くらい上っただろうか。お嬢さん育ちの女の子を連れてデートをするときはエレベーターを使うことをおすすめする。
 全面強化ガラス張りの床は、散策路と池に分かれていて、この池の趣向が面白い。ゆらめきを作る装置があって、ゆらゆらと揺れる水面越しに見る地下の様子は、まるで海底都市を見ているようだ。海底都市なんて見たことないけど、なんとなく。人が行き来していると不思議な感覚に陥る。
 ただし、ここに飛び込んで体を洗ったりしない方がいい。オアシス21は未来に向けての環境を考慮した作りになっていて、この水は雨水を利用したものだからだ。ある程度蒸留はしてるだろうけど、喉が渇いて死にそうになっても飲まない方が身のためだろう。減量中のボクサーを連れてくるのもやめた方がいい。
 この水は都市のヒートアイランド現象をやわらげる役割も担っているらしい。

 オアシス21ってどんなところだろうとずっと思っていた。水の公園と言われても上手くイメージできなかったけど、今回でようやくどういうところか分かった。なかなか悪くないではないか、ここ。何を作らせても今ひとつあか抜けない名古屋の建造物の中では、かなり頑張っている方だ。このまま東京に移しても通用するかもしれない。むしろ、東京砂漠のど真ん中にこの無料公園が出現した方が価値がある。オアシスがあれば、つらくはないわ、この東京砂漠。
 暖かい昼間はのんびり芝生にねそべって空を見上げてみれば、名古屋の空も案外広いなと思うだろう。夜はデートスポットになるとはいえ、ひとりで行けなくはない。三脚を立てて夜景写真を撮ってもギリギリ大丈夫だ。たぶん、間一髪セーフだと思う。保証はできないけど。
 観光地というよりも地元民にこそもっと活用されるべき場所かもしれない。金もかからないし、貧乏デートにはもってこいと言えるだろう。このブログの内容を上手に引用して彼女にうんちくを語ってあげてください。そして、大きな声で「宙船」を歌ってあげよう!

 ところで今日からブログのタイトルが変わります。「断想日記プラスワン」改め、「現身日和」となりました。ウツセミビヨリと読みます。空蝉日和としなかったのは、検索したらすでにそういう名前のバンドが存在していたから。現身日和は一件も引っかからなかったからこれにした。
「うつせみ」というのは元々、この世に生きる人間やこの世界そのものを指す言葉だった。それに空蝉という字を当てたことで、セミの抜け殻や、はかない人生などのニュアンスを含む言葉に変化した。その後江戸時代になって、本来的な意味の「現身」という字を当てるようになる。げんじん、うつそみなどとも読み、のちにうつせみと読むようになった。
 要するに、あの世に対するこの世の人間が現身というわけだ。日和は空模様が転じて、小春日和や行楽日和のように、何かをするのにはいい日というように使われるようになった言葉だ。あるいは、日和見主義というようにも使う。
 現身日和---それは、毎日は人としてこの世を生きるのにいい日、という意味になる。この世界には美しいものや珍しいものや不思議なものがたくさんあって、毎日新しい発見や喜びや楽しさがある。人間としてこの世を生きることはなんて楽しくて面白いことなんだろう。私自身のそんな気持ちが読んでくれる人に伝わればいいなと思って書いています。そう思えるまでに長い時間がかかったけど、そういう人がひとりでも増えれば幸せなことだ。
 また明日も新しい一日が私たちを待っている。そこに向かって駆けていくのだ。
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コメント
  • 2007/01/07 19:54
    「世界コスプレサミット2006・チャンピオンシップ」
    サミットかぁ~~、確かに気になりますw

    それにしても、4枚目の写真の道は危険ですね!!
    ミニスカおねぇさんが歩いたら・・・・写りますね、確実に(爆)
  • 300mm望遠レンズの距離で
    2007/01/07 21:33
    ★ただときさん

     こんにちは。
     やっぱり、気になりますよね、世界コスプレサミット。なんといってもチャンピオン大会ですもんね。すごくハイレベルなんでしょうね。何がどうハイレベルなのかはよく分からないのだけど。
     遠巻きに見たかった。お仲間と思われないくらいの距離で。

     オアシス21のガラス床は、言われてみると確かに危険ですね。
     植草一秀教授に教えてあげればよかったか。もう、手鏡は必要ないぞ、と。
     私も疑われるといけないので、両手をあげて下を見ないようにします。
  • 2007/01/09 16:22
    >総合立体型公園
    私のような田舎者にはとんでもなくはハイカラなものを想像してしまいました。
    しかし、想像以上というか・・これは・・・見て見たい!
    そんなとこで開催される世界コスプレサミットですからきっとすごかったんだろうなぁ。
  • メーテル希望
    2007/01/09 22:42
    ★ビアンキさん

     オアシス21は、話に聞いてるだけではどんなところなのか、今ひとつイメージできなかったんだけど、行ってみたらなるほどこういうことねと納得したのでした。
     それを言葉で説明するのは難しいのだけど(笑)。
     水を張った池があるスペースも、これが何か? って言われると返す言葉が見当たらなかったし。(^^;

     世界コスプレサミットは、どこの国の人たちが参加したんでしょうね。
     今は世界中で日本のアニメが観られてたり読まれたりしてて、コスプレイヤーも各国にいるんだとか。
     私は北欧の人が扮する本物っぽいメーテルが見てみたいです(笑)。
  • 2007/01/10 13:12
    和風アニメ以外ではコスプレは外人のほうがしっくりきますからねぇ。
    メーテルと言えば、フィリピン系中国人の父とアメリカ系フランス人の母を持つ
    リア・ディゾンという子がしっくりきそうです。
    なんかメーテルっぽいと話題になってるみたいです。
  • メーテルを探せ
    2007/01/11 03:23
    ★ビアンキさん

     ビアンキさんよりも私よりも少し上がメーテル世代と呼ばれていて、メーテルと聞いては黙っていられない人がたくさんいます(笑)。
     いるようでいないんですよね、メーテルっぽい人。外国人スターでも見当たらない。
     リア・ディゾンって知らなかったです。検索したら、ほうほう、こんな感じの人か。ブロンドにするとイメージに近いのかな。
     フィリピン系中国人の父とアメリカ系フランス人の母ってのは、かなり複雑な感じ。(^^;
     ブログを見たら、日本語で文章を書いてる?
  • 2007/01/11 12:51
    リア・ディゾン、日本語は勉強中でほとんどダメだったと思うんですが。
    元々コスプレがネットでウケた人ですからね。

    メーテル世代・・
    私のちょっと上の世代がめぞん一刻の音無響子世代ですねw
    私も好きです。実はすっごく嫉妬深くて、実は結構面倒な人だったりするんですけど。
    今度、ドラマ化されるとかどうとか・・伊藤美咲が主演で。

    そういえば、1月11日の「巫女茶屋」が気になって色々調べていたら
    世界コスプレサミット2006の公式HPが貼られていていました。
    覗いてみると異世界でした。
  • 伊東美咲というイメージじゃない
    2007/01/12 02:10
    ★ビアンキさん

     こんにちは。
     リア・ディゾンはコスプレ出身だったんですか。
     って、そういう言い方が正しいのかどうか。(^^;
     今後ちょっと注目ですね。

    「めぞん一刻」の音無響子さんかぁ。はは。
     うんうん、なるほど。
     昔の映画版は、石原真理子だったんですよ(笑)。
     伊東美咲主演でドラマ化されるって知らなかったです。連ドラは基本的に全部観てるので、これもきっと観ることになるでしょう。
     でも、伊東美咲はちょっとイメージ違うなぁ。(^^;

     世界コスプレサミットは、あまり深入りしないようにします(笑)。
     世の中には知らない方がいいこともきっとある。
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