名古屋市千種区にもあった素盞男神社

神社仏閣(Shrines and temples)
素盞男社入り口

 名古屋市東区にはスサノオ関係の小さな神社がたくさんあると以前紹介した。
 名古屋市東区は須佐之男神社がいっぱい
 昭和区石坂にある須佐之男神社も、もともとは東区にあったものだった。
 昭和区石坂の須佐之男神社も東区由来 
 まだ見落としているスサノオ関係の神社がどこかにありそうだと思ったら千種区にも素盞男社があった。字は違っているけどこれもスサノオの神社だ。住所でいうと、松軒1丁目になる。
 中村区にも同じ表記の素盞男神社があって、そこももともとは千種区の内田にあったものだという。
 松軒の素盞男神社は、東区東之切の須佐之男神社と300メートルも離れていない。千種区と東区に別れてはいるけど、同じエリアに属しているといっていい。要するにここらあたり一帯はスサノオを祀る神社だらけだということだ。
 各神社の詳しい創建年は伝わっていないものの、分かっているところが1700年代の後半だから、どこも同じくらいの時期と考えてよさそうだ。江戸時代の中期ということになる。

 名古屋城の東、白壁あたりに尾張藩士の高級武家屋敷があり、東区百人町あたりに中下級武士の邸宅があった。千種区松軒あたりだともう武家屋敷は途絶えて農地だったと考えられる。
 松軒素盞男神社があるところは当時竹藪で、別名「藪(やぶ)天王」と呼ばれていたという。
 神社は道路に面して西を向いている。西向きの神社は珍しい。創建時からそうだったのか、戦後の宅地開発でそうせざるを得なかったのか、どちらか分からない。
 住宅街の中の一軒家のようなたたずまいをみせている。



素盞男社境内

 境内を猫が走ったのであわててローアングルから撮ったけど写っていなかった。
 隣は社務所のような民家のような。



素盞男社拝殿屋根と鬼瓦




素盞男社龍神社

 龍神社も合祀されている。
 境内の周りには藪天王龍神と染められた幟がたくさん奉納されている。
 日本における竜は、中国から入ってきたものが独自の変化を遂げて畏れと信仰の対象になった。小さなものをあわせると竜関係の神社はとても多い。
 水の神とされるようになったのは仏教における竜の影響もありそうだ。
 農業にとって水は不可欠であり、日本各地で竜を祀る神社が建てられた。
 中には竜といいながら蛇を祀っているところもある。特に白龍神社などというのは白蛇にまつわるものがけっこうある。
 竜宮伝説もまたそのひとつで、浦島太郎の話だけでなく、洞窟は竜の棲む都につながっていると信じられてきた。
 NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」では竜宮小僧の話が盛んに出てくる。困っている人を知らない間に助けてくれる謎の存在で、静岡県浜松地方で語り継がれている伝説だ。
 ちなみに、中日ドラゴンズがどうして竜なのかといえば、戦後の1947年に、当時のオーナー杉山虎之助が辰年生まれだったからだ。
 すでに弥生時代には中国から竜の存在が伝わったようで、日本人と竜との関わりは長く深いものとなっている。

【アクセス】
 ・JR中央本線「千種駅」から徒歩約22分
 ・地下鉄桜通線「車道駅」から徒歩約20分
 ・駐車場 なし
 ・拝観時間 終日
 
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