
天白区の神社めぐりをしているとき、地図で見つけた白髭稲荷大明神。
八事の近くだから天白区のように思うのだけど、住所でいうと昭和区広路町になる。八事山興正寺と隼人池の間にあって、エリアとしては八事なのか、いりなかなのか、やや微妙なところだ。
すぐ隣に須佐之男神社がある。地図では隣り合っているように見えるものの、現地に行ってみると間に道路があって入り口もまったく別なので、もともと関係がないような感じだ。
どんな神社なのかもよく分からないまま、とりあえず行ってみれば何か分かるだろうということで出向いてみた。

入っていくのにしばらくちゅうちょした。というのも、民家の庭のようなところというか、庭そのもので、無関係な人間が勝手に入っていいのかどうか確信が持てなかったからだ。鳥居の左手には民家の建物があって生活音が聞こえてきた。もしかして不法侵入なのかとも思いつつ、入り口は開いているし悪いことをしにきたわけではないから大丈夫だろうと自分を納得させて先へ進んでみることにした。

なんというか、ものすごくワイルドだ。草木が茂ってちょっとしたジャングル状態になっている。神社が自然と一体化しているとさえいえる。

カラーリングは紛れもなく稲荷神社のものだ。手作り感も漂う。
全国的にどうなのかは知らないのだけど、名古屋は稲荷神社として独立している神社はあまり多くない。すぐに思いつくところとしては、千代保稲荷の名古屋支社とか守山区の生玉稲荷社くらいのものだ。神社の中にある稲荷社というのは多いのだけど。

祀られているのは白髭稲荷だけでないようで、いくつかの大明神の石碑がある。

白髭稲荷大明神は、同じ名前の神社が福岡県大川市にあるようだ。
もうひとつ、熊本城内にもあるらしい。

いつ誰が建てたどんな神社なのか、詳しいことは何も分からない。
白髭で稲荷というのだから、祀られているのはサルタヒコ(猿田彦)ではないかと思う。
サルタヒコに関しては伊勢の猿田彦神社や滋賀県高島市の白髭神社を訪れて、ここのところ縁がある。サルタヒコについてそのときに少し書いた。
おそらくここの神社は、この家の人かどうかはともかくとして、個人が稲荷社を勧請して建てたものだろうと想像する。ここはその規模が少し大きいということなのだろう。
あえて白髭大明神と名付けているのは意味があるはずで、単なる稲荷社というよりサルタヒコを祀ることを意識している可能性が高い。
サルタヒコがどんな神なのかということを簡単に説明するのは難しい。伊勢に関係が深いことは確かで、白髭というのはおじいちゃんだったときのサルタヒコのこととされる。神仏習合時代は道祖神としての性格も併せ持つことになった。個人的にすごく気になる存在なので、今後もどこかで関わってくるはずだ。猿田彦大本宮を名乗る椿大神社に行きたいと思いつつ実現できていない。
なにはともあれ、白髭稲荷大明神はちょっと面白い神社だった。
続いて隣の須佐之男神社を参拝したのだけど、それはまた次回。
【アクセス】
・地下鉄鶴舞線「いりなか駅」から徒歩約13分。
・駐車場 なし
・拝観時間 終日
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