
OLYMPUS E-M5 + Panasonic LEICA 25mm F1.4
愛知県春日井市の神社巡りをしているときに立ち寄ったふたつの神社、小木田神社(おぎたじんじゃ)と貴船神社(きふねじんじゃ)を紹介します。
まずはJR中央本線春日井駅の北東にある小木田神社から。
現在、神社がある小木田町の町名はこの神社から来ているのだけど、もともとこの辺り一帯は開田村と呼ばれていた(一時、小木田村の時代もあった)。尾張国篠木荘の一部で、小木田神社は開田村の鎮守として村民たちに崇敬されてきたという。
石柱には郷社とある。近代社格については以前書いたことがあるけど、明治に入ってから定められたもので、官社と諸社(民社)に分けられ、伊勢の神宮は別格として、無格社もあった。諸社は府県社、郷社、村社とあり、郷社は村社より広い範囲の地域の代表といった位置づけの神社ということになる。
現在の小木田神社は、街中にある中規模の神社といったたたずまいとなっている。かつてはもっと広い境内を持った大きな神社だったと思われる。
創建はよく分かっていないようだ。奈良時代の719年創建という話もあるようだけど、それにしては「延喜式神名帳」には載っていない。
江戸時代中期の1768年再建の棟札が見つかっているという。

コンクリート造の拝殿は見た感じ新しい。昭和後期くらいのものだろうか。
祭神はオオナムチ(大国主命)、スクナヒコナ(少彦名命)、スサノオ(須佐之男命)。
この神社がどの系統の神社なのかよく分からない。小木田は地名なので手がかりにならない。祭神の顔ぶれからすると国津神系統なのだけど、主祭神はオオナムチなのかスサノオなのか。
スクナヒコナは、オオナムチが出雲で国造りをするときに海の彼方からガガイモの実の殻に乗ってやってきた小さな神で、国造りで重要な役割を果たしたとされる。カミムスビの子供とも、タカミムスビの子供ともされているものの、その出自はややはっきりしないところがある。オオナムチ(オオクニヌシ)とセットのはずなのに、出雲大社では祀られていない。
オオナムチは、スサノオの子供もしくは六世の孫とされる。
スクナヒコナは、国造りの途中で、じゃあボクそろそろ行くよとどこかへ行ってしまう。あとに残されたオオナムチはやや途方に暮れる。
この神社が本当に奈良時代あたりの古い創建なのかどうか。もうひとつつかみ所のない感じが残った。

大きな岩を手水舎にしているのはいい感じなのだけど、残念ながら水が出ていなかった。

境内社がずらりと並ぶ。
境外社だった荒神社や天神社などが合祀されている。
この神社に伝わる棒の手は、八幡太郎義家が流祖の源氏天流で、愛知県の無形民族文化財に指定されている。
尾張国瀬古村(名古屋市守山区)の村瀬七郎左右衛門に指導伝授されたものが伝わっているとされる。
毎年秋の祭りで演舞が奉納される。
【アクセス】
・JR中央本線「春日井駅}から徒歩約12分。
・無料駐車場 たぶんあり
・拝観時間 終日

続いて小木田神社から北西約300メートルほどのところにある貴船神社を訪ねた。
もともと小木田神社の境外社として創建されたという。創建年は不明とのこと。
小木田神社が男の神を祀る神社なのに対して、貴船神社はアマテラスを中心に女の神を祀る神社ということで対を為している。
貴船神社というと京都の総本宮がよく知られている。祭神は水の神・タカオカミだ。
こちらの貴船神社ではアマテラスとクラオカミが祀られている。
ちょっとややこしいのは、タカオカミとクラオカミは対の神とされたり同一神であるとされたり対になった総称がオカミであるとかで、よく分からない。
よく分からないといえば、どうして貴船神社でアマテラスを祀っているのかも謎だ。最初からそうだったのか、途中からそうなったのか。
鳥居は小木田神社も貴船神社も神明鳥居と思わせて笠木の両端が斜めになっている。これが創建時から変わっていない形式なのかどうかの判断もつかない。

由緒が書かれた石盤の字が読みづらい。花崗岩(御影石)だろうか。石の地模様に文字が溶け込んでいる。




【アクセス】
・JR中央本線「春日井駅}から徒歩約12分。
・無料駐車場 たぶんあり
・拝観時間 終日

近くにあった関田天神社(せきだてんじんしゃ)。
別の地区の会長が管理していたものを譲り受けて募金を募って鳥居などを新築したのが平成10年とのこと。
こちらは明神鳥居だ。
由緒などはよく分からない。
記事タイトルとURLをコピーする