さよなら2016

日常写真(Everyday life)
光と影と葉

OLYMPUS E-M5 + Panasonic LEICA 25mm F1.4 他



 2016年も今日で終わり。何もなかったようで何もないわけはない一年という時間。過ぎ去ってしまえば何もなかったように感じられるけど、それらはすべて自分の中で積み重なっている。過ごした時間を無駄にしないために今日という日があり、今日を生き延びなければ明日は来ない。2016年を過ごしきったからこそ2017年を迎えることができる。何も無駄ではなかったと思いたい。
 今年撮った写真の大部分は今年に置き去りになるだろうけど、何枚かは未来に向けて残っていく。撮り重ねた全部の写真がひとつの自分の作品だ。撮り続ける以上、作品は未完成のままで、可能性は残る。もっといいものになる可能性が。
 一枚、二枚、いいのを撮ってもあまり意味はない。全体として何を表現し、何を残せるかが大切だ。その答えはまだ出ていないし、撮りながら探していくしかない。結果に結びついてもつかなくても。
 自分のための写真が誰かのためであるならば、めぐりめぐってそれは自分のためになる。ボトルに入れて海に流した写真が何人かの手を経て10年後の自分に届くみたいに。ネットの海は広大で、世界中につながっている。見知らぬ国の見知らぬ誰かに、自分が撮った日本の何気ない一枚の写真が届くことがあるのなら、私の写真行為は無意味じゃないと思える。
 私のプリントが、遠い未来、人が誰もいなくなった地球の浜辺に打ち上げられて波間で揺れている光景を思い浮かべる。何でもない日常のなんでもない風景が、どこまで遠くへ行けるだろう。時間も空間も超えて。
 


緑道




街路樹の落ち葉




空き家と木




道ばたの蝶




団地のベランダ




路地と傘




空に舞うビニール袋




道ばたの花




自転車置き場と枯れ葉




電線と月




土手の夕暮れ

 さよなら2016。
 
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