
OLYMPUS E-M5 + Panasonic LEICA 25mm F1.4 / OLYMPUS 9-18mm
愛知県日進市にある岩崎城跡。
初めて訪れたのは2006年のことだった。
岩崎城は小牧長久手の戦いでひとつのキーとなった城
その後、もう一度行ってブログにも写真を載せたつもりなのだけどそれが見つからない。再訪したと思ったのは気のせいだったのか。
なんとなく釈然としない気持ちのままもう一度行って写真を撮ってくることにした。それが秋の終わり頃の話だ。
岩崎城にまつわる小牧長久手の戦いなどについては前回書いたので、興味のある方はそちらをお読みください。
ということで、今回は写真を少しだけ。

模擬天守はいかにも近年の作り物とひと目で分かるけど、石垣はちょっと本物っぽい。ただ、岩崎城が築城されたのは1500年代前半とされていて、1584年の小牧長久手の戦いで落ちたあと、遅くとも関ヶ原の戦いののちに廃城になっている。築城者は信長の父・信秀とも丹羽氏清ともいわれているのだけど、いずれにしてもこの時代に石垣や天守は作られていない。本格的な石垣や天守を初めて作ったのは小牧山城の信長だったのではないだろうか。ということは、やはりこれも模擬石垣ということになるのだろう。
岩崎城の模擬天守が作られたのは昭和62年(1987年)のことだ。模擬天守というよりも天守風の展望台と呼んだ方が正しいかもしれない。もともと天守はなかったので、こういう場合は再建とは言わない。
本丸跡の土台や、土塁、空堀、曲輪などがけっこう残っていて、当時の城郭の姿を思い描くことができるのがここのいいところだ。

模擬天守の横に歴史記念館が併設されていて、岩崎城の資料や出土品などが展示されている。
天守展望台も資料館も無料なのだけど、出向いた日が月曜日で休館だった。前回訪れたときは中にも入って展望台にも登った記憶がある。だから行ってないはずはないのに、どういうわけか写真が見つからない。

空堀がけっこう残っていて歩くこともできる。
敷地内には6世紀のものと思われる古墳も見つかった。
城跡の説明板くらいしかないところがいくらでもある中で、これだけ遺構が残っていれば上出来と言える。観光資源としては弱いけど、もう少し宣伝するなり何なりして全国にアピールできないものだろうか。小牧山城も一応は残っているし、長久手の古戦場とあわせて小牧長久手の戦いの跡地を巡るツアーとかを企画したらそれなりに人が来てくれそうな気もする。桶狭間の戦いがあったとされる場所が名古屋市にあることを全国の人たちはどれくらい知っているのだろう。
愛知県や名古屋市に街としての魅力が足りないというのであれば、歴史に活路を見出すというのはひとつの手だ。歴史遺産はけっこうあるのに現状は上手く活かしているとは言い難い。
ばらばらに散らばっているパーツを組み合わせてひとつの物語を作らなければ人は具体的な興味を示してくれない。昨今の刀剣ブームで若い女性が徳川美術館に足を運んだりしているし、武将隊ブームの先駆けとなった名古屋おもてなし武将隊の存在もある。足がかりとしては充分に揃っていると思うけどどうだろう。
信長が桶狭間の戦いの戦勝祈願をした熱田神宮や信長の本拠だった清洲城、秀吉と加藤清正が生まれた中村公園、柴田勝家生誕地の下社城跡などなど、歴史好きなら興味を抱くであろうところがたくさんある。点と点を結んで線にして、線と線をつないで面にする。面と面を組み合わせて箱にしたとき、初めて受け入れ体制が整う。
名古屋市は忙しいからおまえがやれと言われれば私がやるしかないのか。ブログとは別にそんなサイトもいずれ作らないといけないと思いつつ、まだ具体的な完成図が見えてこない。もう少し時間がかかりそうだ。
【アクセス】
・地下鉄「赤池駅」下車。日進市内巡回バス「くるりんばす」で「御岳口」下車。徒歩約5分。
・名鉄豊田線「日進駅」下車。日進市内巡回バス「くるりんばす」で「岩崎」下車。徒歩約5分。
・無料駐車場 あり
岩崎城webサイト