桜通が桜並木ではなくイチョウ並木であるわけは

紅葉(Autumn leaves)
日銀前交差点イチョウ風景

OLYMPUS E-M5 + Panasonic LEICA 25mm F1.4 / OLYMPUS 60mm F2.8 MACRO / 9-18mm



 名古屋中心部の東西を走る桜通はイチョウ並木の名所だ。私が初めて撮ったのは2009年のことだったと思う。
 ずっと昔、この通りがまだ細い一本道だった頃、菅原通と呼ばれていたそうだ。その名の由来は桜天神社から来ている。
 桜天神は、織田信秀(信長の父)が北野天満宮から菅原道真の木像を勧請して那古野城の祠に祀ったのが始まりとされている。
 それが現在地に移されたのが1537年のこと。当時ここには萬松寺があり、その鎮守とされたという。萬松寺は1610年の名古屋城築城にともなって大須へ移ることとなり、桜天神だけはそのまま残った。
 当時はまだ桜天神という名前はついておらず、境内に桜の立派な木があり桜の名所だったことから桜天神と呼ばれるようになり、そのまま名称として定着した。
 ただ、 名物だった桜は、1660年の万治の大火で焼けてしまい残っていない。
 菅原通と呼ばれたのは桜天神に祀った神が菅原道真だったからであり、通りの名前が桜通になるのはずっとあとのことだ。桜通の由来が桜天神から来ていることは確かで、それはおそらく昭和12年(1937年)のことではないかと思うのだけど、ちょっとはっきりしたことは分からない(公募で決まったとか)。この年は国鉄名古屋駅の移転改築が行われた年であり、駅へと続く通りは一気に道幅50メートルに拡張され、同年に開催された名古屋汎太平洋平和博覧会の記念植樹としてイチョウの木が植えられたことで現在の風景が作られることになった。
 桜もないのに桜通という名前でイチョウ並木になっているのはそういうわけだ。桜通なんだから桜を植えておけばよかったのにと思ってる名古屋人は少なくないかもしれない。とりあえず手っ取り早く大きくなるという理由でイチョウが選ばれたのだとか。
 桜通久屋から国際センター駅あたりにかけて約120本のイチョウ並木になっている。



日銀前歩道橋から見るイチョウ並木

 日銀前交差点に架かる日銀前歩道橋西から名駅方面を見る。
 撮影としてはここが定番ポイントだ。
 イチョウの色づき具合としては、最近の雨風でだいぶ葉を落とした木もあり、まだ緑色が残っている木もありで、なんとも判別しがたい。今年は早くもピークが過ぎた感もあった。全体的に状態がよくない。




桜通イチョウ並木と名駅ビル




丸の内歩道橋から見るイチョウ並木と名駅ビル群

 1本西の丸の内歩道橋から見る風景。
 名古屋駅前の高層ビル群も、KITTE名古屋や大名古屋ビルヂングが完成してにぎやかさを増した。JRゲートタワーは来年2017年4月開業予定となっている。それが完成すれば駅前工事はひと段落ということになるのだろう。
 2009年を最後に休止している名古屋駅前のイルミネーション、タワーズライツも、2017年12月に再開予定ということだったけど、果たしてその約束は守られるのだろうか。駅前イルミネーションは、2010年に行って以来、しばらく行っていない。気が向けば今年は久々に行ってみようかと考えている。



イチョウと名駅ビル群




日銀前歩道橋風景




イチョウ並木と名駅ビル群

 堀川に架かる桜橋の手前あたりが一番きれいだった。

 今年の紅葉も今週いっぱいだろうか。
 
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