
OLYMPUS E-M5 + Panasonic LEICA 25mm F1.4
愛知県尾張旭市にあるどうだん亭を初めて訪れたのは2010年の秋のことだった。
庭に植えられたたくさんのドウダンツツジの花が咲く春と、紅葉の秋、それからひな祭りの期間に一般公開される(秋は11月20日(日曜日)の午後4時まで)。
2011年春、2011年秋、2012年秋、2013年秋、2014年秋と続けて行っていたのに、去年2015年は休んでしまった。ここ2、3年、けっこう知られるようになって人が大勢押し寄せるからちょっと腰が引けたというのがあった。今年も行くかやめるか迷って結局行くことにしたのは、この日他に行くところを思いつかなかったという消極的な理由からだった。
けど、どうしたわけか今年は人が少なかった。たまたまタイミング的にそうだっただけか、みなさん一通り訪れて満足したのか、いずれにしてもホッとしたのは確かだった。屋内が満員電車のように混雑してしまってはおちおち写真も撮っていられない。
肝心のドウダンツツジの紅葉はといえば、時期的なものよりも気象的な部分で今年は悪いように感じた。台風と日照不足で赤色がくすんでいる。いい年はもっと燃えるように真っ赤に染まる。夏の高温の影響もあるようで、傷んだ葉っぱも多い。
とはいえ、モミジ以外でこれだけの紅葉が楽しめるところはそうはない。訪れる人が増えたとはいえ、メジャースポットとまでは言えない。穴場の紅葉ポイントとしておすすめしたい気持ちに変わりはない。

どうだん亭の母屋は、江戸時代中期の1723年、岐阜県吉城郡坂下村(現・飛騨市)に建てられた合掌造りの家屋(荒木家住宅)を移築したものだ。
もともとこの地は、陶器貿易で財をなした浅井竹五郎が所有していたもので、玄々荘と呼ばれた屋敷は現在天理教があるところを含む広大なものだったそうだ。屋敷を建て始めたのが昭和15年(1940年)で、荒木家住宅は昭和17年(1942年)に移築されている。その際、三階建てだったものを二階建てにあらためるとともに、外観を山村風の数寄屋建築にした。白川村などの合掌造とはずいぶん違う印象を受けるのはそのためだ。
1967年(昭和42年)、所有者が大岩憲正となり、母屋が現在の場所に移され、離れが新築されている。ドウダンツツジの庭園が作られたのもそのときだった。
平成9年(1997年)、尾張旭市に寄贈されて、平成11年(1999年)から文化施設として活用されるようになった。一般公開日以外にも、お茶会などで格安で使用することができる。使用にどの程度の制約があるのかは分からないけど、母屋で1時間350円、離れで1時間150円はいかにも安い。古民家でモデル撮影などもよさそうだ。









