
浜松といえば浜名湖パルパルでしょう! というのは静岡県民。一般的には浜名湖であり、餃子であり、うなぎであり、うなぎパイであり、浜松城といったあたりを思い浮かべることだろう。お父さんたちにとっては浜名湖ボートだったり、奥様方にとっては浜名湖かんざんじ温泉だったりするかもしれないけど、真っ先に砂丘! と答える人は少数に違いない。
そもそも浜松市内に中田島砂丘があること自体、知らない人の方が圧倒的多数のような気もする。日本三大砂丘のひとつともいわれるほど日本を代表する砂丘であるにもかかわらず、その知名度は低い。
私がその存在を初めて知ったのは2010年のことだった。
日本三大砂丘の一つが浜松にあるとは知らなかった
そのときの感想は、へー、これが砂丘なんだというもので、特別な感慨は抱かなかったのだけど、砂丘のスケール感を伝える写真が撮りきれなくて、いつか再訪して撮り直したいという気持ちはずっと持っていた。
名古屋から見て浜松は近いようで遠く、遠いようで近い。名古屋駅からJRの快速と普通を乗り継いでも1時間半ほどだから、ふと思い立ったらすぐに行ける距離ではあるのだけど、気分的な遠さがある。
浜松駅から中田島砂丘までは路線バスが出ていて15分で行ける。生活路線バスなので本数もそこそこあって利便性は高い。中部からも関東からもこれだけ行きやすい場所にありながら訪れる人が少ないのは、やはり知名度の低さゆえに違いない。映画やドラマ、PVなどのロケ地としてはけっこう使われていて、映像業界ではよく知られているとのことだ。最近では映画『清洲会議』や朝ドラの「とと姉ちゃん」などでも使われている。
アカウミガメが産卵にやってくるところとしてもちょっと知られた存在となっている。
南北約600メートル、東西約4キロというからなかなかの規模だ。ただし、砂丘っぽい部分は東西1.2キロくらいなので、それほど広大という印象は受けない。砂丘に続く米津の浜が見渡せないほど延々と続いているのだけれど。
海岸には風が強く吹いている。砂丘の東を流れる天竜川が上流から運んできた砂を北風が吹き上げて積み上がってできたが中田島砂丘だ。
ただ、天竜川上流にできたダムの影響などもあり、年々砂丘の面積は減少傾向にあるという。昔の姿を知っている人は、久々に訪れるとなんだか起伏が少なくなったと思うらしい。
名物は風紋で、春と秋にきれいな風紋が見られるそうだ。私が前回訪れたのは1月で、今回は8月だから、どちらもシーズンを外している。どのみち昼間は訪れた人の足跡だらけになってしまうから、風紋目当てなら朝早く訪れるのがいい。
目の前の遠州灘は視界を遮るものがなく、水平線に沈む夕陽も、水平線から昇る朝日も、両方見られるのだという。星空を撮るにもよさそうではあるのだけど、とにかく風が強いので相当しっかりした三脚じゃないと揺れてしまいそうだ。
あと、風による砂埃と波しぶきがすごいから、レンズフィルターは必須だ。メガネが汚れて途中から前がよく見えなくなった。
砂浜は足を取られて歩きづらいので、歩きやすい靴がおすすめだ。
隣接する遠州灘海浜公園に広い無料駐車場とトイレがある。
そんな中田島砂丘の模様を何回かに分けてお届けします。





堆砂垣。これがないと砂がどんどん風で運ばれてしまって浜の面積が小さくなっていくらしい。

長く続く米津の浜。




つづく。
中田島砂丘モノクローム
中田島砂丘の風景 <3>
【アクセス】
・JR東海道本線「浜松駅」から通鉄バス「中田島」行きに乗って「中田島砂丘」下車(約15分)。徒歩約1分。
・無料駐車場あり(遠州灘海浜公園)
浜松市公式webサイト
浜松・浜名湖観光情報webサイト