
OLYMPUS E-M5 + Panasonic LEICA 25mm F1.4 / OLYMPUS 9-18mm
長浜にある黒壁スクエアを訪ねるのは5、6年ぶりになる。菅山寺での山歩きでヨレヨレになったものの、なんとか少し回復させて長浜の街を歩き回った。
黒壁スクエアとはなんぞやという人のために簡単に説明すると、滋賀県長浜市にあるガラス工芸品を中心としたショップやギャラリーなどが集まった観光施設のことだ。
長浜市は琵琶湖の東にあり、エリアでいうと湖北地区ということになると思う。長浜の街は、秀吉がまだ羽柴秀吉だった時代、初めて城持ちとなった際に城下町として整備したことに始まる。同時に北国街道が走る街道筋でもあり、物流の重要拠点としての性格も有していた。大通寺の門前町として栄えたという一面もある。
今のように観光地となったは、1980年代後半から1990年代前半にかけてのことだ。きっかけは、黒壁銀行と呼ばれた旧第百三十銀行(1899年)の建物の取り壊しの話が出たことだった。それはもったいないということで、市民が保存活動を始め、長浜市と地元企業を巻き込んで街のありようが見直されることになる。1988年頃のことだ。
第三セクター「黒壁」が設立され、街並み保存とあらたな整備計画が立てられ、第一弾となったのが旧第百三十銀行の建物を再利用した黒壁ガラス館のオープンだった(1989年)。これを一號館と名付け、以降、次々とガラスショップやギャラリー、美術館などが建てられ、合計で10の建物となった。黒壁スクエアは、それらの総称であり、このあたり一帯のエリアのことをいう。
現在では年間300万人が訪れる人気の観光スポットとなっている。町おこしの成功例として、全国の自治体から視察に訪れているという。
実際に訪ねてみると人気の理由が分かる。まず、駅から近いのがいい。入り口までは歩いて10分もかからない。あと、スケール感がちょうどいい。広すぎず狭すぎない。
歩いて、見て回って、写真を撮って、体験をして、食べて、買い物をして、半日コースでもいいし、一日たっぷりでも楽しめる。
カップルのデートにも向いているし、家族連れでも楽しめる。友だちでワイワイ行ってもいい。ひとりで行くとあまり楽しめないかもしれない。
観光客がお金を落とす仕組みができあがっている点も見逃せない。人は大勢来てもなかなかお金を使ってもらえない観光地も多い。そういう観光地の自治体は黒壁スクエアに学ぶところが多々あると思う。
写真を撮る人間からの要望としては、ぜひ電柱を地中化して欲しい。電柱、電線がないだけで写真は全然違ってくる。犬山の城下町などもずいぶんよくなった。
そんなわけで、今日から何回かに分けて長浜の街を紹介することにしたい。まず今回は黒壁スクエア編をお送りします。







大通寺はたいへん立派なお寺だ。訪れたときは夕方でもう閉まっていて中に入ることはできなかったのだけど、山門だけでも見られたのでよかった。
正式名は、真宗大谷派長浜別院大通寺。
創建は江戸時代初期の1602年。長浜城跡に建てられたものを1652年に現在地に移した。
本堂は伏見城の遺構とされるもので、重文指定の建築物の他、ふたつの庭園があり、円山応挙、狩野派の障壁画などを所蔵している。



つづく。