近場で修学旅行気分が味わえる第2弾は永保寺 2006年11月15日(水)

神社仏閣(Shrines and temples)
虎渓山永保寺1

OLYMPUS E-1+ZD 14-45mm(f3.5-5.6), f4.5, 1/20s(絞り優先)



 一宮の妙興寺に続いて、近場で修学旅行気分を味わおうシリーズ第2弾。今日は岐阜県多治見市の永保寺(えいほうじ)を紹介したいと思う。
 去年初めて訪れたときは、先に行った多治見修道院の圧倒的な厳粛さに打ちのめされた後だったので、やや印象が薄いものになってしまったのだけど、今回はこちらを目当てに訪ねてみた。そしてやっぱり国宝が持つ強烈なオーラに無口になってしまう私なのだった。いや、ひとりなのでもともと無口には違いないのだけど。道を歩きながら独り言をつぶやく人にだけはなりたくないと日頃から思っているので。
 権威や肩書きには無頓着で、誰に対してもへぇこらすることはない私も、国宝と聞いたとたんに平民に成り下がる。だって国の宝ですぜ、ダンナ、と何故か岡っ引きのような口調になってしまう。顔の前で手をこすり合わせて、ありがてぇことです、これで冥土のみやげができました、と拝み出しそうな勢いを自分自身に感じる。もちろん、人前でそんなことはしないけど。国宝に極端に弱いこの体質は、前世で何かあったのだろうか。重要文化財に対しては何ともならないのに。
 そんな国宝コンプレックスの私がお送りする永保寺紹介は、やや賛美過剰になるかもしれない。

 臨済宗南禅寺派虎渓山永保寺。鎌倉時代の末期(1313年)、土岐氏の招きを受けた夢窓国師(夢窓疎石)と弟子たちがこの地を訪れ、観音堂を建てたことが永保寺の始まりとされている。夢窓疎石は伊勢生まれの禅僧であり庭園作りの名人としても有名な人物だ。京都の天龍寺や鎌倉の瑞泉寺など、日本全国にたくさんの庭園を残している。
 この地をたいそう気に入った夢窓疎石は、3年ほど滞在して観音堂や1万3,000坪の庭園を作り上げた。夢窓40歳のときだ。池泉舟遊式禅境の庭園は、臥竜池(がりょうち)や断崖(梵音巌)など自然の地形を生かしつつ、観音堂や六角堂、切妻屋根の橋殿がある無際橋などが巧みに配置されている。この景観は、鎌倉時代からほとんど変わってないのではないだろうか。
 虎渓山という山号は、中国江西省九江廬山の虎渓に似ているところから夢窓国師が名づけたとされる。永保寺は長瀬山のふもとにあり、すぐ横には土岐川が流れていて、なるほどちょっと中国っぽい。ただ、このあたりは1億年ほど前まで海だったようで、そのときの岩も庭園の中に残っていたりする。

紅葉の間から観音堂

 今回、急に永保寺に行こうと思い立ったのは、ネットでこの構図の写真を見たからだった。うわー、私もここから撮りてぇ、と思ったら居ても立ってもいられなくなった。完全に構図、パクリました。おまえはマッキーか、と自分で突っ込んでおこう。松本零士も怒っているぞ。ねえ、メーテル。
 しかしこれは、いいところを見つけたなぁ、ネットの見知らぬ人。どうもありがとう。そして、これから永保寺を訪れる人は、ぜひこの場所から写真を撮って欲しい。みんなの構図にすればパクリ疑惑も払拭できるはず。
 紅葉に関してはまだ早い。あと一週間くらい成熟させるとちょうどいいんじゃないかと思う。ここには名物となっている樹齢680年の大イチョウもあって、それの色づき具合もまだ不完全だったから、もしかしたらあと2週間くらい待った方がいいかもしれない。紅葉のピーク時はそれなりの人出になりそうだけど。

 国宝の観音堂は、鎌倉末期の禅宗様式と中国の建築が融合したような少し変わった姿をしている。四方に跳ね上がった屋根が特徴で、このあたりは平安時代の様式に近い。重厚さと華麗さを併せ持っていて、これが実に美しいフォルムをしているのだ。建物が放っているオーラも、こいつ、ただものじゃないなと思わせる。桧皮葺も渋くしていい。
 年に一度くらいは一般開放もあるのだろうけど、普段は入ることも近づくこともできない。それがちょっと残念なところだ。
 ここから左に行ったところに、もうひとつの国宝、開山堂がある。これは見た目が地味でそれほどすごいと感じないのだけど、足利尊氏が建立したもので、のちの神社建築の原型となった権現造りとなっている。こちらは遠くに柵があってまったく近づけない。昔は普通に開放されていたらしいけど、近年は年に一度しか公開してないようだ。
 祠堂の中には夢窓国師と仏徳禅師の塑像や宝筺印塔などが安置されてるそうだ。
 本堂はどこかといえば、実はあろう事か2003年に火事で全焼してしまったのだった。これは地元では大きなニュースとなり、地元民は大いに嘆いた。3年経った今も、まだ再建工事中で、本来の永保寺の静けさは戻ってない。国宝が燃えなかったのは幸いだった。

夕景に沈む永保寺

 山に囲まれた永保寺の日暮れは早い。平地よりも30分くらい早く暗くなってしまう。位置の関係で、夕陽が差さないのが残念だ。夕焼けに染まる永保寺の庭園を見ることができたらさそがしきれいだったろうに。
 夕方は5時に閉まるので注意。その分朝は5時から開いている。禅寺の朝は超早い。
 駐車場の場所を私はよく分かってない。県外からバスでやって来る観光客がいるくらいだから、それなりに広い場所があるのだろう。私は多治見修道院から山道を登っていった、虎渓公園の駐車場にとめてそこから歩いている。しかしこの道、けっこうな坂道で日頃運動不足の人や年輩の人にはちょっときついかもしれない。行きは急な下り坂で、帰りは厳しい登り。距離的には下りでゆっくり歩いて5分くらい、登りで10分くらいだろうか。普段歩き慣れている私は、跳ねるように3分で下り、駆けるように5分で登ったけど。
 なにはともあれ、永保寺は一見の価値ありだ。特に愛知、岐阜県民にオススメしたい。地元にこんな立派なものがあることを知ればきっと嬉しくなるだろう。京都や奈良に行かなくても近くにこんなところもある。
 コースとしては、虎渓山永保寺、多治見修道院、春日井の内々神社(うつつじんじゃ)がこのあたりの名所3点セットとなる。残り2つにつていは、あらためて紹介したい。
 というわけで、近場で修学旅行気分を味わおうシリーズ第3弾でまたお会いしましょう。さよなら三角また来て四角。
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コメント
  • 綺麗な所ですね~
    2006/11/17 00:16
    一宮の妙興寺ですね“φ( ̄ ̄*) メモメモ
    紅葉も綺麗だし、ひとっ走り行っちゃいますか(笑)
    一宮なら、高速を使えば1時間くらいでつくかな?w
    今週ね。。ETC着いたしwニコ(*^_^*)ニコ
    頑張ってみます!!

    紅葉が綺麗な内に報告できる事を祈っててください^^


  • ・・・・・・・・・・・・
    2006/11/17 00:18
    あ・・・( ̄▽ ̄;)
    多治見市の永保寺じゃん(><)

    ちと、遠いのかな・・・・
    行く気満々だったのに。。。。(( T_T)トボトボ
  • もこさんにETC、ということわざ
    2006/11/17 02:36
    ★もこさん

     こんにちは。
     永保寺は、紅葉がまだこれからなんで、行くタイミングとしては早くてもったいないです。あと一週間は待ちたいところ。 
     って、妙興寺と思ってたんですかー。はは。
     いや、でも妙興寺もすごくいいところなんで、あちらもオススメです。モミジも少しあったんじゃないかなぁ。ただ、一宮は多治見より紅葉が遅いはずだから、いずれにしてもまだもう少し先ですね。

     多治見へ行くなら、永保寺と、すぐ近くの多治見修道院のセットがオススメです。個人的には、最初ならぜひ修道院の中に入って欲しい。
     もし、そこで落ち着かない気持ちになったら、もこさん悪魔かもしれないですよ(笑)。

     ETC付けたんですかー。いいなぁ。
     私は年に2、3度しか高速乗らないから、なかなか付ける気になれないんですよ。
     あんまり普及率も上がってないみたいですよね。相変わらず、料金所では渋滞になるものなぁ。
     もこさんの場合、何かやらかしそうなのでちょっと心配です(笑)。
     カード入れ忘れて強行突破とかしないでくださいね。はは。
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