ショートケーキを食べる至福の時の中で甘い夢を見る 2006年11月10(金)

食べ物(Food)
苺ショートケーキとモンブラン

PENTAX istD+smc Takumar 55mm(f1.8), f1.8, 1/25s(絞り優先)



 ショートケーキをもらった、撮った、食った。スタンダールの「生きた、書いた、愛した」と比べると随分志が低いけど、それくらい堪能したということだ。春日井のSincere(シンシア)というところのケーキで、これがかなり旨~い、甘~~~い。最近は甘さひかえめのケーキが多くなった中、これは不快になるぎりぎり手前まで甘さを突き詰めていて、その加減が絶妙だった、個人的な感覚として。だから、一口目で、あ、これ美味しいと反射的に思ったのだった。モンブランもオーソドックスでよかったけど、苺タルトが特に美味しかった。これはオススメできる。
 ショートケーキ、訳すと遊撃手洋菓子(違う)。ショートするほど美味しいからこの名が付いた、わけではない。広岡のようにうまいからでももちろんない。この場合のショート(short)は、短いではなくサクサクしたという意味で使われていて、元々はビスケットのようなものにイチゴなどの果物を挟んで、その上にクリームを載せたものをショートケーキと呼んでいた。それが日本に入ってきたとき、日本人の好みに合わせてスポンジケーキに変えたものをそのままショートケーキと呼んだというわけだ。それが1922年(大正11年)のことで、不二家の創設者、藤井林右衛門が日本で最初のショートケーキを売り出したということになっている。
 なので、海外で日本にあるようなショートケーキを探してもまず見つからない。洋菓子の本場フランスでもないという。フランスに彼女と旅行に行って、ショートケーキが食べたいから買ってきてなんて言われたとする。もし、その彼女が長谷川理恵のような女の人だった場合、あなたは石田純一のように激しくののしられることになるだろう。この役立たず! と。そんなこと言ってもないものはないんだよぅ、と泣くしかない。あとは、クッキータイプのケーキを買っていて、これが本場のショートケーキなのだと彼女を説得するより他にあなたに残された道はない。
 英語圏では、クッキーなどのことをshort-breadなどと呼んだりする。ケーキ(cake)は、ケイクだ。ケーキ、プリーズ、などと言ってもケーキは出てこない。ドイツではクーヘン(Kuchen)、フランスではガトー(gateau)、イタリアではトルテ(torta)またはドルチェ(dolce)がケーキに当たる。

 洋菓子を作る職人のことをパティシエと呼ぶというのを知ったのは、そんなに昔のことではない。一般的に使われるようになったのは1990年代の終わりくらいからだろうか。更にドラマ「アンティーク ~西洋骨董洋菓子店~」(2001年)の影響も大きかったに違いない。実際、あのドラマが放送された翌年はパティシエ学校の入学希望者がどっと増えたという。あれはホントに面白くていいドラマだった。原作のよさに加えて、滝沢秀明、椎名桔平、藤木直人、阿部寛、小雪と出演者も揃っていて、脚本は岡田惠和で、演出は本広克行とくれば、面白くないはずがないというくらいの顔ぶれだった。全編に流れるミスチルの曲といい、すごく印象に残っている。個人的なオールタイムオールベストテンにもこの作品は入っているくらいだ。パティシエや洋菓子についても、あのドラマを観たことで私自身ずいぶん意識が変わった。
 ただ、パティシエの仕事はあんなに甘いものじゃなさそうだ。職人というだけでなく芸術家であることも要求されるし、その中で大多数の人が美味しいと感じられる洋菓子を作るのは難しい。舌の肥えた消費者は飽きっぽく、次々と新作を考えなければならない。体力的にも一日中立ち仕事できつそうだ。よほど好きじゃないとやってられない。実際、最近ではパティシエの数が減ってきているらしい。その一方で、女の人が増えているという。女性の場合は、パティシエールとなるので、女性の洋菓子職人に向かってパティシエ呼ばわりすると恥をかくことになる。
 ドラマといえば、「ストロベリー・オンザ・ショートケーキ」というのもあった。「ショートケーキの上の苺、あなたは先に食べますか、それとも最後に食べますか?」そんな宣伝コピーだったと思う。私は途中で食うぞ。

 ケーキのルーツを辿っていくと、古代ローマ時代にまでさかのぼる。このとき作られていた甘いパンがケーキの始まりだと言われている。近代のケーキが作られるようになったのは、10世紀、十字軍がエルサレム遠征で砂糖を持ち帰ってきたことからヨーロッパで広まった。その後13世紀頃にはなかり本格的なケーキが作られるようになっていたようだ。
 日本の場合は、「いごよさんか鉄砲は」の1543年、種子島に流れ着いたポルトガルの船に積んであったカステラがケーキとの初対面だった。初めてカスティーリャを食べた信長はどう思ったんだろう。びっくりするくらい美味しかったけどあんまりはしゃぐと家臣の手前格好が悪いから、いつものように、で、あるか、などと涼しい顔を装ってたのかもしれないな。
 日本で本格的にケーキが広まって一般庶民も食べるようになったのは、戦後になってからだ。不二家の功績も大きい。世のお父さんたちは、子供の誕生日やクリスマスなどに、大きなデコレーションケーキのケースを抱えて家に帰ったものだった。
 ショートケーキといえば、やはりなんといってもイチゴのショートケーキが定番だろう。これは昔も今も変わらない。子供が描くショートケーキの絵もイチゴのショートケーキが圧倒的に多いはずだ。ケーキの中で一番美味しいとは思わないけど、人に贈るときも自分で食べるときも安心感がある。いくつか買ったらひとつは入れておきたいと思う。
 モンブランも昔からあっていまだにすたれてないケーキの代表だ。だいたい日本では写真のこのスタイルが多いけど、フランスなどでは違っていて、メレンゲを乾燥焼きしたものの上に生クリームと茶色いマロンクリームを盛りつけたスタイルなんだそうだ。1903年創業のパリの菓子店「アンジェリーナ」が発祥とされている(フランスのサヴォワ地方とイタリアのピエモンテ州などで食べられていたものが原型という説もある)。日本のものは、昭和の始まりに自由が丘の洋菓子店「モンブラン」で発売されたものが原形となっている。

 ケーキというものは、幸せに属するものだ。甘いもの好きの人間にとってはケーキを食べているときは至福の時間だし、甘いものが苦手という人がいるにしても、これは間違いなく平和時にしか食べられないものだ。戦時中にのんきにケーキなんか食べてはいられない。逆に言えば、戦争をしてるようなところにはケーキを大量に差し入れしたらどうだろう。こんなに甘くて美味しいものを腹一杯食べたら、戦う気もなくなるんじゃないだろうか。
 ただ、「黄金伝説」で南海キャンディーズが挑戦していた「全国の超人気ケーキベスト100を食べ尽くす」というのは、見ているだけでつらそうだった。あれは私ちょっと自信がない。そこまでケーキ好きじゃないし。年に数回、もらいものを食べるくらいが私にとっては一番幸せなんだと思う。いや、一番の幸せはやっぱりケーキ入刀だろう。入刀したいぞ、入刀したい、入党したい。ん? 入党? 私はどこに入ろうというのか? 妄想で頭がヘンになったか!?
 そろそろ寝て、ケーキ入刀の甘~い夢でも見るとするか。明日の朝は枕によだれがたれてそうだ。
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コメント
  • あひゃひゃwww
    2006/11/11 16:24
    ケーキだwwww
    私の大好物です^^

    あ~ 私も甘い夢がみたいよ♪ クネクネ~~~♪

  • 2006/11/11 18:28
    へ~、ショートケーキの元祖は不二家だったんですね~。
    大きなホールケーキに対して、切り分けたものをショートケーキと言うのかと思ってました。
    不二家のケーキが食べたくなったけど、なぜか鹿児島市内には不二家がない!
    また自分で焼くしかないかな。(笑)

    ケーキは大好きだし自分でも焼くけど、知らないことだらけでビックリ!
    勉強になりました!
  • クネクネダンス?
    2006/11/12 03:16
    ★ゆきさん

     こんにちは。
     ゆきさん、お酒だけだけじゃなく甘いものも好きでしたか。はは。
     私は日常的に食べるのはちょっとという半端な甘党ではあるんだけど、たまにケーキはとっても好きです。
     ケーキの甘さって、とっても幸せですよねぇ。

     入刀を夢見て、お互いにクネクネダンスを踊り続けましょうね(笑)。
  • たまに食べたくなる不二家
    2006/11/12 03:21
    ★K-Hyodoさん

     こんにちは。
     ショートケーキについては、私も調べるまでまったく知らなかったです。
     やっぱり、切り分けてあるからショートケーキだって思ってました。
     けど、丸い状態のホールケーキでもショートケーキなんですよね。あれでちょっとおかしいなとは思ったんだけど。(^^;
     不二家が元祖だったってのも初めて知ったのでした。昔は不二家しかなかったですもんね。
     でも、鹿児島に不二家なんですかー。なんでだろう?
     あれも、たまに食べると懐かしくて美味しいですね。ただ、最近は昔みたいに甘くないんで、ちょっと物足りない。
  • それにしても・・・
    2006/11/12 12:47
    ケーキ1つで、ここまで記事を書いてしまうオオタさんって素晴らしいよね。
    つくづく感動してしまう今日この頃・・・

    想像がつくと思われますが、私もケーキが大好きですニコ(*^_^*)ニコ
    でもね、餡子の方がもっと好きe-266
    今度は和菓子のルーツをお話してください(笑)

    パティシエのドラマ
    「アンティーク ~西洋骨董洋菓子店~」は、ケーキより大好物なタッキーが出ていたので勿論拝見してましたが、
    私が1番に浮かんでくるのは「王様のレストラン」かな。
    俳優さんの名前はよくわからないですけど、
    たまにお見かけする脇役専門の方←失礼極まりない言葉ですね(笑)
    あのドラマは大好きだったので、タッキーよりも先に浮かんでしまいます。
    タッキーさまゴメンなさいペコリ(o_ _)o))
  • タッキー好きなのです
    2006/11/13 03:12
    ★もこさん

     ケーキにしても何にしても、一回目のものはいろいろ書くことがあって楽なんですよ。総まとめみたいなものだから。
     二度目に似たようことを書くのが難しい。

     もこさんもやっぱりケーキ好きでしたか。ケーキ嫌いではないと思ってました(笑)。
     餡と和菓子のルーツ調べですね。それは、いいアイディアをもらいました。ぜひ今度調べて書いてみます。
     餡好きなら、伊勢の赤福は好きですか? 私は三重県松坂生まれなんで、赤福は地元のもののようなものなのです。あれも年に一回くらい食べると美味しい。

     タッキーは、私も大好きなんですよ。いや、そっちの組合の人ではないです。(^^;
     ジャニーズの中では文句なしに一番好きだなぁ。
    「魔女の条件」あたりから、こりゃいいなと思ったのでした。

    「王様のレストラン」はいいドラマでしたね。三谷幸喜の脚本の中で一番よかったかもしれない。松本幸四郎もよかったし。
     もこさんの言う、たまに見る脇役専門の人って、誰だろう?(笑)
  • うんとね・・・・
    2006/11/13 21:47
    >もこさんの言う、たまに見る脇役専門の人って、誰だろう?(笑)

     『王様のレストラン』のパティシエの役の人の事だよw

     この人
      v-155

     http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%E1%B8%B6%C1%B1
  • すっかり忘れてたけど思い出した
    2006/11/14 03:40
    ★もこさん

     あーあーあー、梶原善ね。思い出した。
     そうそう、彼はいい俳優さんですよね。
     一時期よく見かけたのに、最近まったく見なくなりました。
     よく見てたのは、三谷幸喜作品が多かったからかな。
     すっかり存在を忘れてたけど、また見たくなりましたよ。今は舞台をやってるのかな?
  • 2006/11/14 21:38
    善ちゃんは織田裕二の「お金がない」でみて大好きでした~~

    ケーキ

    うまそうヨダレ~~
  • 久しぶりに梶原善ちゃんを見たくなった
    2006/11/15 03:03
    ★ただときさん

     こんにちは。
     梶原善ちゃんは、存在感のある俳優だったのに、最近見かけないのが残念ですね。
     映画『THE 有頂天ホテル』には出てるみたいだけど、そういえばこの作品、まだ観てなかった。早く観ないと。
    「お金がない」はなつかしいなぁ。(^^;

     食べ物が一番美味しそうに撮れるのはistD系みたいですね。
     画質の仕上げの問題で、istDよりもistDSの方が鮮やかでより美味しそう。
     なんだか、使い勝手もistDSの方がいいんで、こっちを残そうと思ってます。K10Dを買うまでは(まだ買うか)。
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