
OLYMPUS E-M5 + Panasonic LEICA 25mm F1.4
金山から歩いて尾頭橋にたどり着いた。
JR名古屋駅から見て、東海道本線の東京方面2つ目の駅が尾頭橋駅だ。
かつて中日ドラゴンズの本拠地が中日球場だった時代、この駅を利用したという人も多いと思う。ただ、この場所にかつて遊郭や赤線地帯があったということは、名古屋の人間でも知っている人は少ないんじゃないだろうか。名古屋の遊郭というと、名古屋駅西の中村遊郭がよく知られていて、あちらに比べると八幡園と呼ばれた尾頭橋の知名度は低い。
その頃このあたりは八幡町という地名で、そこから八幡園と呼ばれていた。遊郭ができたのは、大正6年頃だそうだ。
第二次大戦までは芸者のいる花街として大変賑わったという。空襲で焼けて、戦後は赤線地帯に変わっていった。
2014年現在も、往時の面影を残す建物が点在しており、想像していた以上だった。ただ、新しい建物も多く、建築中の家屋などもけっこうあって、あと5年早く訪れていればと悔やんだ。ネットの写真で見た建物のいくつかはすでに取り壊されて姿を消していた。
ある種、不思議な印象を受ける町だ。寂れているといえばそうなのだけど、寂しい感じはしない。人の暮らしの体温があって、負の気が漂っていないというか、良くも悪くも、かつてのいかがわしさのような空気感は残っていない。よそ者として歩いていてもわりと居心地がよく、被写体としても魅力的な町だった。
昔の賑わいに思いをはせるというでもなく、いい写真を撮ってやろうなどという気負いもなく、ただ散歩しながら目についたものをパチリ、パチリと撮っていった。
一言でいって、私はこの町が気に入ったのだと思う。











つづく。